『ヒップホップ・ドリーム』
ラッパーの漢さんが自身の生い立ちとヒップホップ哲学を記した本。
内容はもうめちゃくちゃ面白いんで読んでみてくださいとしかいいようがないけど、とにかく文章がとてもフィジカルな言葉でできていて、読んでいてすごくグルーヴとかフロウを感じれてノレます。
ラップの言葉はボディーの言葉だなととても思う。
『音と言葉』
ジャケの顔がハードコアでまずびっくりしますが、中身も神と讃えられた指揮者のかなり濃密な音楽愛に満ちてる。
自分はクラシックあまりよく知らないのですが、俗世間を置き去りにしてひたすら芸術に邁進しようとした聖なるフルトヴェングラーが、一方で戦争とかナチスとかの、社会というか政治というか「現実」としか言いようがないことに否応なく巻き込まれてしまった「ただの人」でもあったことには、なんかすごいヒリヒリする。
『インプロヴィゼーション--即興音楽の彼方へ』
孤高のギタリスト、デレク・ベイリーによる、即興演奏とはなんなのかを問うた本。決まり事(イディオム)を解体し、音の可能性を広げて、新しい場所へ行こうとしたベイリー。様々なジャンルの音楽家に即興について聞いていくことで、その壮大な探検の足がかりをこさえている。
ベイリーにとっては、硬直して死にかかってる音楽をまた蘇らす光が、フリー・インプロヴィゼーションの中にあったということ。結局生きた音楽をやらないとつまんなくね?ってホントにそう思います。