進級、先生方の離退任、人事異動に、なんと言っても卒業……。仲間や友達が側にいてくれていることが当たり前ではないと、別れてから初めて気づくことも。つくづく辛い季節です。そんな別れの多い今だからこそ読みたい本を今回は紹介します。
別れを惜しみ、4月からの新しい仲間をもっともっと大切にできるような物語を集めました。比較的ポピュラーなものや、教科書で読んだことのあるようなものを集めたので、全文読んだことのない方は春休みのうちに読んでみてはいかがでしょうか?
小学校2年生で出会った本
私がこの本に出会ったのは小学校2年生の頃で、その頃は、ダンスと歌の練習を毎日怠らずに出来たら週末に好きな本を1冊買ってもらえる。という母とのルールがあり、毎日本を買ってもらうためだけにダンスと歌を練習していたと言っても過言ではありませんでした。
それくらい小説の魅力にどっぷりとハマっていたのです。1週間のノルマを達成しウキウキとした気持ちを連れて書店に入り、「走れメロス」というタイトルを見つけた時に、これは有名な本だ!と思い、母に買ってほしいと頼みました。母は難しいからと違うものを勧めてきましたが、その時私の目には「走れメロス」しか映っていませんでした。
確かに言葉は難しかったけれど、2年生ながらに胸が熱く、苦しくなるほどにもどかしく、辛く、感激した記憶があります。友情の中に激しさを感じ、衝撃を受けた1冊です。
高校の教科書がきっかけで出会った本
高校の教科書で扱われることの多いこの物語、あまりに長いので、学校ではほとんど割愛されて載っていますが、私は教科書に載っている、「私」と友人Kの関係を描いた場面が好きでよく読みます。
これこそ私が先ほど述べた「失ってから気付く」というものの究極を著すもののような気がします。
物語自体に大きな展開があったりという訳ではなく、日常の中にあるようなことが淡々と書かれている中での大きな出来事が「私」に大きな影響をもたらし、人生を大きく変えることとなる、この展開の鈍い衝撃、というものは教科書に載っているだけではほんの一部しか伝わらない気がしているので、是非一度本を手に取ってすべて読んでみてほしいと思います。
物語も世界観も膨らんでまったく別の物語に感じられると思います。