名作漫画『3月のライオン』。アニメも映画もおすすめできる理由とは?

更新:2021.11.2

大人気将棋漫画『3月のライオン』。2007年に連載が開始され、2016年にアニメ化、2017年に実写映画化とのりにのっている本作ですが、作品それぞれに特有の良さがあります。原作だけにとどまらない、映像化作品の魅力を含めてご紹介します。

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『3月のライオン』あらすじ

著者
羽海野 チカ
出版日
2008-02-22

主人公の桐山零は史上5人目の、中学生でプロ棋士となった少年。順風満帆なように見えますが、彼の半生は波乱万丈なものでした。その半生から、彼は生来の内気さを更に強め、孤独になっていきます。

そんな、人と関わるのが苦手な零でしたが、あるきっかけで3姉妹と祖父で暮らしている川本家にお世話になるようになります。そこでの出会いをきっかけに、孤独だった少年は人として、そして棋士として、強くあることを学び始めます。将棋や、将棋を通して対話するライバルの棋士たち、川本家の人々や学校生活での出来事を通して、自身の世界をおそるおそる、でも確かに広げていくのです。

2007漫画スタート、2016アニメ化、2017実写映画化←今ここ

人気漫画家、羽海野チカがヒット作『ハチミツとクローバー』を終えた2006年の翌年、2007年から連載を始めた将棋漫画『3月のライオン』。前作から主人公の少年の成長譚というテーマは変わっていませんが、その雰囲気は大きく異なります。

 

著者
羽海野 チカ
出版日
2002-08-19


前作『ハチミツとクローバー』は大学生の青春というテーマで、少し痛みを伴いながらも爽やかな作風となっていました。それに対して本作『3月のライオン』ではところどころにギャグやあたたかみある雰囲気があるものの、暗く、重いテーマや心理描写が目立ちます。しかし前回よりビターになった作風は、羽海野チカの特徴であるキャラクターたちの完成度もあいまって、より幅広い年齢層に受け入れられる内容となりました。

そしてその人気の高さから漫画だけに留まらず、2016年10月からアニメ放送が始まり、アニメ終了予定の2017年3月18日に全国で映画が一挙公開されます。

漫画の映像化。アニメ化は親和性があるので従来から原作としてよく使われていますが、近年は実写映画も多くなってきています。映像化作品は、原作にファンが多いほどそのイメージとの違いから叩かれることも多いものですが、この作品のアニメ化では映像でしかできない表現方法が多く、それでいて原作の良さを損なっていない仕上がりになっていました。

そして、今回の実写映画も原作の作風を現実の映像としてうまく取り入れているであろうことが感じられます。公開前の現時点では、断片的な情報から推測するしかないのですが、何と言っても主役の桐山零を、尊すぎる芸能人、あの少年が演じるのです……。
 

羽海野チカの魅力、そしてアニメと漫画それぞれの良さとは?

アニメはかなり忠実に原作を再現しているので、ほぼ違いがないと言っても過言ではないのですが、それぞれの良さはやはりあります。一言で言うと、原作漫画はふくらみ、アニメはエッセンス。

漫画は自分のペースで読めるため、見落とすことなく細かい部分まで感情移入ができます。より細かい部分まで感情移入ができるということは、よりその人物への想像、立体像が厚みをもってくるということです。

 

著者
羽海野チカ
出版日
2016-09-29


そして羽海野チカの描く世界は、その細かい感情移入を受容するくらいの奥深さをもったものです。前述しましたが、羽海野チカのすごさのひとつはキャラクターたちの完成度。セリフのひとことひとこと、行動、表情すべてがその人らしく、他のキャラクターと間違えるということがありません。どんな脇役でも、一度出てきただけで、その人がその人であると認識できるのです。

これは現実では当たり前のことですが、漫画では難しいものです。人物のかき分けやキャラ立ちが主要人物だけになってしまったり、違いが分かりにくかったりしてしまう作品が多くあります。しかし羽海野チカの書く作品はそれがない。だから、その世界が本当にあるかのように、立体的に読む者の眼に映るのです。

それはモノローグやセリフの文字数の多さ、書き込みの深さからくるのかもしれません。初めて彼女の作品を読むと、画面いっぱいに描かれた人々の想いと、実際の風景や心象表現の書き込みに驚かされます。彼女の力の入れようが力いっぱいに伝わってくる世界観。その豊かなふくらみは、やはり彼女にしか出せない味とスピードがあります。

アニメはこれらエッセンスを踏襲したものとなっています。1話1話原作に忠実に作られた構成と違和感を感じさせない声優陣の演技は圧巻。

特に主人公の桐山を演じた河西健吾の演技は、零の繊細さと青年特有の爽やかさが入り混じった絶妙さ。気弱さを感じさせるささやきも、ギャグパートの零特有の控えめだけれどしっかりと笑わせるツッコミも、零の性格のエッセンスを抽出した音声表現になっているから驚きです。

キャラが魅力の羽海野チカ作品。実写化映画の主役は……?

 

キャラクターが魅力の羽海野チカ作品。その実写化映画では主人公、桐山零のキャラクターを神木隆之介が演じます。ファンの女性なら誰しもが熱まじりに「ぴったりだ」という彼。なぜ彼が桐山零にぴったりなのか。それは幼い頃からプロの世界に身を置いて第一線で活躍してきたというバックラウンドもそうですが、やはり彼のキャラクターイメージによるところが多いでしょう。

 

著者
菊池修
出版日
2017-03-10

 

2歳からそのキャリアを歩み始めた神木隆之介。子役として芸能生活をスタートさせた俳優たちは常に実際の年齢と心理的な年齢のイメージがつきまといます。

例えばえなりかずきは子役時代から40代前半健康に気を使い始めたおじさん感。芦田愛菜はアラサーバリキャリウーマン感。そして映画公開年で24歳になる神木隆之介は永遠に10代後半の危うさと神々しさを持った少年感。その天然コットン100%のような優しさと不可侵な神的尊さを合わせ持った彼のイメージはいくつになってもいつまでも「少年」です。

地上波で成長した姿を見せては、そんな少年感で多くの人に目を細めさせている神木隆之介。彼がそのイメージにぴったりな少年の成長譚を演じるというのですから必見の映画となっています。そして原作が骨太なストーリーと作り込まれたキャラですので失敗する要素がありません。果たして神木隆之介は、その他の周囲のキャラクターを演じる俳優たちは、映画ではどんな世界を見せてくれるのか。必見の映画は前編が2017年3月18日公開スタートです。


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