誰しもが当たり前に過ごしているは、簡単に崩れる
2010年に映画化された「告白」で、言葉に表すことの出来ない衝撃を覚えました。この作品でも、誰しもが当たり前に過ごしている日常を、簡単に崩してくれます。何度も何度も読者を裏切る展開には、振り回されざるを得ません。ラストまでゾクゾクさせられる展開にぜひ酔いしれてほしい1冊です。
人間の心理に“恐怖”というスパイスを効かせた短編集
小池真理子さんが、人間の心理に“恐怖”というスパイスを効かせた短編8篇。1番初めの物語「囚われて」で誰もが心の奥底に潜んでいる感情を炙り出されると思います。ハッピーエンドといえる作品は1つもないのに、読後に感じる気持ちいいまでの達成感はなんなのでしょうか。私のお勧めは、「花火」です。
孤独に戦う人々が、きっと抱えている心の不可解さを、静かに表現
こちらも小池真理子さんの短編集ですが、「危険な食卓」よりも更にサイコ・スリラーに特化した4編が収録されています。日々、勉強に仕事に。孤独に戦う人々が、きっと抱えている心の不可解さを、極限まで、静かに表現しています。「薔薇の木の下」を読み終えた時に感じるあの感覚は、主人公と一体になっていたとしか言い様がありません。貴方も感じてみてください。