要約サービス「flier」で無料で読めるおすすめ本10選

更新:2021.12.18

flierは本の要約を読めるサービスです。1冊10分程度で読了できるようにコンパクトにまとめられています。読んでおくべき話題のビジネス書から教養本まで取り揃えられたflierの要約から無料で読めるおすすめの本をご紹介します。

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要約サービス「flier」とは

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flierは1冊10分程度で本の要約が読めるサービスです。

2017年現在、年間8万点以上の新刊が発売されており、物理的にすべての本をチェックすることは不可能になっています。話題の新刊をチェックするだけでもひと苦労でしょう。そもそも話題になっている本が本当に読むべき本なのかどうかを見極めるのも大変です。

そこで、今回ご紹介するflierを利用すれば、本を読む時間を作るのが難しいビジネスパーソンでも、10分で要約≒本の概要を把握することができるので、本当に読むべき本と概要だけ抑えておけばいい本を効率的に選べるようになるのです。

flierには無料プランと有料プランがありますが、この記事では無料で読める要約の中から、まず読んでいただきたい10冊をご紹介いたします。

『サピエンス全史』

著者
ユヴァル・ノア・ハラリ
出版日
2016-09-08

flier要約者レビュー

私たちホモ・サピエンスがどのようにして食物連鎖の頂点に立ち、そして文明を築いたのかを歴史的に解明するというきわめて野心的な試み――それが本書である。

本書を手にとってまず驚かされるのが、その読みやすさ・わかりやすさであろう。人類発展の歴史という大きなテーマを扱っているにもかかわらず、本書の要点は「歴史の道筋は、3つの重要な革命が決めた」と書きあらわすことができる。だがそれは、本書の中身が薄いことをけっして意味しない。むしろ、歴史という大海に飛びこむための、たしかな「軸」となる視点を私たちに与えてくれている。

またこれは重要なことだが、ひとつの読み物として単純におもしろい。現生人類とよく似た動物がはじめて地上にあらわれたのは、およそ250万年前のことだった。そして10万年前の地球には、少なくとも6つの異なるヒトの種が存在していた。しかし、現代まで唯一生き延びた人類種はホモ・サピエンス、すなわち私たちだけだ。つい最近までサバンナの負け組だった私たちの種が、なぜ生態系に大惨事をおよぼすほどの影響力を持つようになったのか。本書に描かれているのは、スリルに満ちあふれた、とある「物語」でもある。

上巻にあたる本書では、歴史の道筋を変えた3つの革命のうち、主に2つが紹介されている。あなたも本書を船頭として、歴史という冒険の海を渡ってみてはいかがだろうか。 (石渡 翔)

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『ライフ・シフト』

著者
["リンダ グラットン", "アンドリュー スコット"]
出版日
2016-10-21

flier要約者レビュー

日本でも旋風を巻き起こした『ワーク・シフト』の著者リンダ・グラットンと、経済学の権威アンドリュー・スコットによる待望の新作が登場した。今回のテーマは「100年時代の人生戦略」である。

これからを生きる私たちは、長寿化の進行により、100年以上生きる時代、すなわち100年ライフを過ごすこととなる。新しい人生の節目と転機が出現し、「教育→仕事→引退」という人生から、「マルチステージ」の人生へと様変わりする。それに伴い、引退後の資金問題にとどまらず、スキル、健康、人間関係といった「見えない資産」をどう育んでいくかという問題に直面するというのが著者の見方だ。ロールモデルもほとんど存在しない中で、新しい生き方の実験が活発になることは間違いない。また、生涯を通じて「変身」を続ける覚悟が問われると言ってもよい。

今後どんな時代が訪れ、どんな生き方を模索すればいいのか。その際、どのような有形、無形の資産が重要性を増すのか、どんな人間関係を築いていけばいいのか。企業や政府が取り組むべき課題は何か。本書は、こういったテーマと向き合うための手がかりを、豊富な「人生のケーススタディー」とともに与えてくれる。読み進めるにつれ、「自分は何を大切に生きているのか」「何を人生の土台にしたいのか」と自問せずにはいられないだろう。

これまでの成長至上主義から脱却し、自分らしい人生の道筋を描くための羅針盤として、何度もお読みいただきたい。 (松尾 美里)

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『夜と霧』

著者
ヴィクトール・E・フランクル
出版日
2002-11-06

flier要約者レビュー

六芒星の上に、「119104」という数字が飾られた表紙。読み進めていくと、それが著者の「被収容者番号」であることがわかる。著者フランクルは強制収容所で、心理学者としてでも、医師としてでもなく、「ただの収容者」としての日々を過ごした。本書は、1942年9月に生まれ育ったウィーンを追われ、チェコ・ポーランド、そしてドイツの強制収容所で2年半を過ごした著者が、そこでの経験を心理学的に解明しようと試みた記録である。

第二次世界大戦時のドイツの状況は多くの人々が知るところであるが、強制収容所での体験をここまで生々しく、そして極めて冷静に記した書物はそうないだろう。しかし本書の目的は批判や告発などではなく、「人生とは何か」をあぶりだすことにある。フランクルは、過酷な環境によって損なわれたものではなく、むしろ損なわれなかったものに目を向けた。そして、「どんな状況であっても人生には意味を見出すことができる」と説いたのである。

状況はまったく好転しない、それでも。妻の生死もわからない、それでも。明日、いや今夜にでも死ぬかもしれない、それでも――。繰り返される逆接の先に、現状に打ち負かされない人間の意志と、未来への希望がもたらす力が見えてくるはずだ。

本書に全力で向き合えば、とても受け止めきれない、重苦しい思いを抱えることになるだろう。しかし、たとえそうであったとしても、今この本を読めることは幸運である。困難な状況下に置かれている人、「なぜ生きるのか」と悩んだことのあるすべての人に、心からお薦めしたい1冊だ。 (北山 葵)

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『HARD THINGS』

著者
ベン・ホロウィッツ
出版日
2015-04-17

flier要約者レビュー

この本は圧倒的だ。著者のベン・ホロウィッツの語る経験談は衝撃的な困難のオンパレードで、ベンチャー企業や新規事業に関わる全ての人にとって、読んでいると胃が締め付けられるような心持ちがすることだろう。人ごととして気楽に読むことができないのは、著者が直面した問題の数々は規模の大小の違いはあれ、多くのベンチャー企業が遭遇することになる、現実そのものだからだ。

著者が直面した問題は例えば次のようなものだ。上手くいかないベンチャー企業で従業員として働くことの苦労、家族との関係のきしみ、巨大企業からの攻勢、ベンチャーキャピタルからの助言に従った末の失敗、資金枯渇へのカウントダウン、業績の大幅下方修正、従業員のレイオフ、大型顧客の倒産など。ベンチャー企業を経営するとはなんと過酷な試練なのだろうか。ただ、これらは決して失敗談ではなく、最終的に上手くいった起業家の話である。ベンチャー企業経営は、9割はつらいことで占めるという説もある。それだけ、問題が溢れているものなのだ。

本書にはベン・ホロウィッツの起業家としての回顧録、ベンチャー企業に携わるものに向けた助言、シリコンバレーで最も勢いのあるベンチャーキャピタルとも言えるアンドリーセン・ホロウィッツの創業ストーリーが掲載されている。そのどれも素晴らしく、内容の深いものばかりだが、要約では圧倒的な存在感を誇る、ベン・ホロウィッツの起業家としての経験部分にフォーカスしてまとめている。『HARD THINGS』は、読者の行動に影響を与えることが間違いない、衝撃の本だと言えるだろう。 (大賀 康史)

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『21世紀の資本』

著者
トマ・ピケティ
出版日
2014-12-09

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ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンは本書を「今年、そしておそらくこの10年間で最も重要な経済書」と称した。経済格差に関するトマ・ピケティの鋭い洞察は、最初に出版されたフランスだけにとどまらず、世界中で大きな話題を呼んでいる。そしてついにこの話題の書籍の日本語版が発表されたのである。

かつては「一億総中流」といわれた日本でも、近年では格差が広がったと叫ばれることが増えてきている。本書では経済格差の実態を明らかにするとともに、経済格差を埋めるためにはどうすれば良いのか、具体的な施策を提案している。その理想の実現にはまだまだ遠いかもしれないが、実現に向けた第一ステップは取り組む価値が十分にあるものだ。

700ページを越える大著のため、読むには多少時間が必要かもしれないが、論理構造はストレートで、グラフや分かりやすい統計情報を用いて解説しているため、意外にもあっさり読めてしまうかもしれない。たとえば、既存の経済学では富の不平等度合いをジニ係数という統計概念を用いて説明することが多いのだが、本書では所得階層別の比率(上位10%が国民所得の何割を稼いでいるか、など)という誰にでもわかる形で表現している。

この本を読む読者の多くは所得階層が上位にいると想定されるが、格差が歴史上で最も広がりつつあるという事実を目にして、自身の富だけでなく、社会全体に目を向けるきっかけにもなるに違いない。 (苅田 明史)

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『人を動かす』

著者
D・カーネギー
出版日
2016-01-26

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本書は、出版から80年近く経った今でも世界中で売れ続ける、現代の古典ともいえる名著だ。自己啓発書を読むなら、まずこれを読まねばならないという1冊である。

「人を動かす」ためのさまざまな原則は、著者が長年にわたって集めた資料や、実践に裏付けられている。各章に、偉大な政治家や実業家の行いや、ビジネスや日常の場における具体例がたくさん示されており、原則の理解を容易にしている。それらのエピソードの中には、読者の心を揺さぶるものがいくつもある。例えば、「人を非難しない」という原則についての章に、ある父親が書いた論説の引用がある。子どもを叱ってしまった父親が、深くそのことを悔い、反省する文章だが、これはじつに涙なくして読めない。

実益や向上心のために本書を手にとる方は多いのかもしれないが、本書はそれらを満たしてあまりあるものを与えてくれると保証する。「人を動かす」原則に習熟するということは、小手先の何かを身につけることではない。それは、自らの人格を養い、互いを高め合うためのふるまいを身につけることにつながっていくように思える。

とりもなおさず、本書で学べることは、職場や家族や友人などのあらゆる人間関係に使える、普遍的な真理をついているともいえる。贈り物にする方も少なくないようで、インターネット上にある膨大な数のレビューの中には、部活の運営に悩む高校生の息子さんにプレゼントした、という母親の書き込みも見られた。

本書を読む時間は、感動的で豊かな時間になることだろう。皆さまに心よりおすすめしたい。 (熊倉 沙希子)

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『新訂 孫子』

著者
出版日
2000-04-14

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本書は古代中国の兵法書として名高い一冊で、紀元前から長年にわたり広く読み継がれている、まさに大古典である。戦争における現実認識の重要性と戦略の必要性を伝えるこの本は、現代においては経済の分野で戦うビジネスパーソンのバイブルとなっている。経営者の必読書とされることもしばしばである。

この中で述べられる内容には大きく三つの特徴がある。まず第一に、戦争の方法について書かれた本でありながら、戦争を非効率的であると考えていることが挙げられる。つまり、戦わずに勝つことが最上とされる。そして次に、冷静な状況把握が徹底されている点もポイントである。負けないために何が必要なのかを現実に立脚しながら考えている。最後に、徹底した戦略重視のスタンスが貫かれている。スパイの重要性について述べる段はその典型である。

以上のように、いかに効率的に勝利を引き寄せるかが説かれている本書は、現代においてもまったく古びない価値を持っている。一読すれば、経営戦略の原型のほとんどがここにあることに気付くであろう。この決して分厚いわけではない一冊を読みこなし、自分のものにすることができれば、それだけでいま巷を賑わしている何冊もの本の核心を一挙にものにできるに等しい。

本書は訳文も平易であり、丁寧な注釈もついている。解説書を手に取る前に、ぜひこの原典に挑戦してほしい。きっと想像力を刺激されるに違いない。 (金松 豊)

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『スタンフォードの自分を変える教室』

著者
ケリー・マクゴニガル
出版日
2015-10-10

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意志力(注意力や感情や欲望をコントロールする力)は、先天的なものであり、後天的には変えられない、鍛えることができないものなのであろうか? 著者によれば、意志力は、①禁煙、ダイエット、節約等、「行わない」ための力、②目標に対して努力する等の「行う」ための力、そして③自分が本当に望んでいることを思い出す、望む力から構成される。

学業で成功するかどうかも、優れたリーダーシップを発揮できるかどうかも意志力にかかっていると著者は指摘する。しかし世間一般では、「自分は意志力が弱いから」という言い訳をし、その意志力の弱さを先天的なものと捉える風潮がある。それに対し筆者は、極めて実証的な脳科学の分析を加え、意志力が後天的に強化することができるものであることを語りかける。意志力は、食べ物、住居環境、エクササイズ、睡眠等の物理的なもの、ドーパミンの特性や親しい人物との関係等、知っておけば対処できるものであり、自らの意志で強化することが可能だ。

意志力は、人生の成功のためには、不可欠なものである。その強化のための具体的な理論、実践的な方法を体系的に説明している本書は、精神論に留まる他書とは一線を画した書である。一読をされた上、日常生活に落とし込むことを強く望みたい。 (大賀 康史)

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『完訳 7つの習慣』

著者
スティーブン・R・コヴィー
出版日
2013-08-30

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いわずと知れた世界的な名著であり、自己啓発に関連する書籍として、日本でも最も有名といっていい本の1つである。本書は、『7つの習慣――成功には原則があった!』に読みやすく手入れをした新版だ。

なお、副題は「人格主義の回復」と改訂されている。社交的なイメージの作り方など、表面的なテクニックによって成功しようとする「個性主義」の方法ではなく、誠意・謙虚・誠実・勇気・忍耐など人間の内面にある人格的な部分を磨く「人格主義」でしか真の成功は得られないと著者は説く。そのうえで、人格を磨くための具体的な習慣(行動指針・思考指針)を示すということが改めて強調されている。

近年有名となった『嫌われる勇気』で知られるアドラー心理学の考え方にも近い部分があり(そのことは『嫌われる勇気』の中でも触れられている)、『嫌われる勇気』の考え方に共感した方は、本書の内容にもなじみやすいのではないか。『嫌われる勇気』はより理論的・哲学的な面が強く、本書はより実践的・現実的な面が強いと考えている。

私個人としても、これまで読んだ本の中で、最も良い影響を受けた1冊である。7つの習慣の1つ1つの習慣の言葉を覚えたとしても、時間が経つにつれ、自らの解釈でその意味合いを変えてしまう恐れが強い本だと考えており、ぜひ、定期的に本書を読み返して頂きたい。咀嚼するまでに時間がかかる部分も多いと思われるが、それだけ内容の充実した本である。 (澤田)

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『これからの「正義」の話をしよう』

著者
マイケル サンデル
出版日
2011-11-25

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1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、その1人を殺すべきだろうか? 金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再分配するのは公正なことだろうか? 前の世代が犯した過ちについて、私たちに償いの義務はあるのだろうか?

本書で著者マイケル・サンデル氏はこのように「正義とは何か」について考えさせられる問いを投げかけてくる。これらは全て、正解はないが決断を迫られるものばかりだ。そして私たちの道徳観や倫理観に鋭く訴えてくる。

無論、本書はこうした正解があるのか分からない問いを並べただけの本ではない。政治哲学をこれほど分かりやすく説明してくれる書籍は貴重であろう。アリストテレスからカントやロールズといった古今の哲学者の主張を、様々な問いかけを通じて解明するなかで、単に多数派を重視するとか、自由であることが最重要であるといった考えには欠陥があることが分かるはずだ。ならば私たちが求めるべき正義とは何か。それをどのように政治に活かせばよいのか。哲学という学問は机上の空論では終わらない。

本書はハーバード大学史上空前の履修者数を記録したサンデル氏の超人気講義をもとにしたベストセラーだ。ハイライトでは語りきれていない内容も素晴らしく、また考えさせられるものばかりである。ぜひ本書を手に取ってこの講義にご参加いただきたい。 (苅田 明史)

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