濃厚歴史マンガおすすめ5選!ビギナーでも歴史にハマれる!

更新:2017.3.16 作成:2017.3.16

歴史ビギナーにちょうどいいのが歴史マンガだ。『ヒストリエ』、『ヴィンランド・サーガ』なんかの人気作や、『ベルサイユのばら』みたいな金字塔もある。しかしまだまだ知られざる珠玉の歴史マンガはたくさんある。是非ともおすすめしたい5冊を紹介する。

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本当に面白い珠玉の歴史マンガ

実は歴史は面白い。学校の教科書では年号と出来事と偉人の名前だけで、あとはほんのダイジェストしか教えてくれなかったけれど、歴史の裏側には面白エピソードが満載なのだ。だからといっていきなり歴史専門書というのはハードルが高い。読めばそりゃ面白いだろうけど、どこから食べればいいのかよくわからないのだ。

そんな歴史ビギナーにちょうどいいのが「歴史系マンガ」だ。今だと『ヒストリエ』、『ヴィンランド・サーガ』なんかの人気作があるし、過去には『ベルサイユのばら』みたいな金字塔もある。安彦良和も『虹色のトロツキー』、『王道の狗』などたくさん名作を描いている。

しかしまだまだ知られざる珠玉の歴史マンガはたくさんある。今回は是非とも本棚に常備したいシリーズを5つ紹介する。

ナポレオンを身近に感じられる歴史マンガ

「ナポレオン」と聞いてその名前を知らない人はいない。酒の名前だったり、絵画のモチーフだったり、「余の辞書に不可能はない」なんて名言だったり。でもどんな功績があるのか、どんな経緯でフランス皇帝になったのかと問われるとなかなか答えにくかった。

そんな近くて遠いナポレオン・ボナパルトが一気に身近なキャラになってしまうのが、この長谷川哲也版『ナポレオン』だ。第1シリーズの全15巻が副題『獅子の時代』で、第2シリーズが『覇道進撃』。2017年現在も連載中である。

著者
長谷川 哲也
出版日
2003-10-24

第1巻ではまずアウステルリッツの戦いが描かれるのだが、絵柄が「北斗の拳」のまんまだ。絵柄だけでなくセリフ回しももう原哲夫的でいきなりハートをわしづかみにされてしまう。それもそのはず。作者の長谷川哲也は元は原哲夫のアシスタントだったのだ。

そして物語はボナパルトの幼少期に戻り、士官時代、フランス革命をじっくり描いていく。この時期の最重要キャラ「ロベスピエール」にも注目だ。史上初のテロリスト(恐怖政治家)と言われる彼の思想や行動が、フランス革命を語るのに外せないということもあるが、ロベスピエールがとにかく印象的なのは、別の理由ではないだろうか。 画像検索してみるとその理由はすぐわかる。

その後もイタリア戦線、エジプト遠征と続く戦いを「長谷川マジック」を駆使して大胆に描き切っていく。特に8巻の「ロディ会戦」は圧巻。こりゃ誰だってハマる。戦争の天才ボナパルトの戦いぶりと個性豊かな部下たち。どこからどこまで史実なのか気になってしょうがなくなり、思わず専門書をひも解いてしまうわけ。世界最強の大陸軍(グランダルメ)に刮目せよ。

スイスの独立への闘争を描く歴史マンガ

急に「スイスの歴史を語れ」と言われて、何分もたせられるだろう。5分? どうかな。ウィリアム・テル、自転車部隊、バチカンの衛兵? うーん。3分もヤバいかも。何も知らない。

スイスは「永世中立」であるが、決してぬるま湯に浸かり切ったどこぞの日和見平和主義国家のようなものではない。戦って戦って戦い抜いて手にし、必死で手放さないようにしている「中立」なのだ。

著者
久慈光久
出版日
2010-02-15

あ、スイスの軍事なら5分は話せるかも。でも普通はそんなに知らないよね。

このマンガは、隣国オーストリアからの圧政を受けるスイスの、ある関所『狼の口』を舞台にした独立への闘争の物語だ。時は中世。ウィーンのハプスブルク家から派遣された代官・ヴォルフラムは、冷徹・苛烈・下劣な三拍子揃ったゲスなやり口で、人々を苦しめていた。

序盤はエグさ際立つ単発の物語が続くが、闘争は徐々に加速していく。抑圧からの爆発への落差が素晴らしい作品である。絵柄と内容のギャップも相原コージの名作『ムジナ』に通じるものがあり、強烈なスパイスになっている。そこから白土三平までさかのぼるのは考え過ぎかもしれないが、構図なんかには少し似た傾向はある気がする。

いずれにしても、この作者の描く絵から受ける、心臓をぐばっと噛み潰されるような感覚は、たまらなく良い。2016年11月全8巻にて完結!

メジャーかもしれないけれどおすすめ!

落語なんかで「おやオツでげすな」なんてセリフをよく耳にするが、その「乙」って感覚を最初に編み出したのが、この物語の主人公「古田織部」だ。

と描いてあるのがこのマンガだ。

著者
山田 芳裕
出版日
2005-12-22

『へうげもの』はメジャー作品じゃないかって言われたら確かにアニメ化もしてるし充分メジャーなんだけど、この作品のポテンシャルからしたらそんなんじゃ全然足りてない。俺が言いたいのは、こいつはNHKの再来年とかその次の大河ドラマになってもいいぐらいの重厚ストーリーなんだぜってことだ。

『信長の野望』では武将としてはイマイチぱっとしなかった古田重然なんだけど、茶道や焼物界では重鎮中の重鎮だって後で知ったし、人間いろんな角度があるものだと思い知らされた一作でもある。『へうげもの』をちゃんと「ひょうげもの」と発音する人もいるけど、見たままHEUGEMONOでもいいじゃんとも思う。ストーリー的にはもうすぐ終盤という段階なので、グランドフィナーレがどうなるのか楽しみで仕方ない。

人間ジャンヌ・ダルクを描く

原作の佐藤賢一の作品については、ゲクランの『双頭の鷲』とかウェルキンゲトリクスの『カエサルを撃て』などもあり、大いにお勧めしたいのはやまやまなんだけど、ここでは語りきれないのでもったいないけど割愛する。

著者
["佐藤 賢一", "野口 賢"]
出版日
2004-03-19

窮地にあった中世のフランスを救った英雄ジャンヌ・ダルクが、結局どういう末路を辿ったかは、他にも幾人もの作家によって描かれているのだが、こうもジャンヌ・ダルクを人間として、女として描いたものは他にはないのではないだろうか。また、百年戦争時代のヨーロッパの風俗を手軽に知るという点で強く推したいなと思う作品である。

ストーリーとヴィジュアルを同時に提供してくれるんだから、マンガって本当にすごいよなあと思う。終盤がちょっと駆け足で惜しいところはあるが、本棚に置いておきたい全4巻である。

猛将ハンニバルについて知れる歴史マンガ

ちょっと「ポエニ戦争」について説明をしてください。なんて急に言われたら普通は困る。そこで嬉々として話し出すような輩をぼくは一人しか知らない。そのぐらいレアなケースだ。

しかし「ハンニバル」って知ってる? となると聞いたことがあると答える人はそこそこいるだろう。何割かは『特攻野郎Aチーム』のジョン・スミス大佐のニックネームだって言うだろうけど、その元ネタの方の武将ハンニバル・バルカの物語が、この『アド・アストラ』なのである。

著者
カガノ ミハチ
出版日
2011-10-19

さてそのハンニバル。冒頭からローマ最大の敵と称される猛将として描かれる。つまり、これはハンニバルの成長物語ではないのだ。カルタゴの運命は世界史の教科書にも書かれているのでご存知と思うが、これはストーリー曲線的には少々厳しい。そこで作者はもう一人の主人公を立てた。「小スキピオ」である。

対極が立っているのなら、うまいことハンニバルの人間らしい一面も描けるだろう。いずれにしても名前だけしかしらないハンニバルを詳しく知ることができるマンガはおそらくこれ一つだろう。完結までじっくり編み上げてもらいたい。絵柄には賛否両論あるようだが、ぼくは好き。だからここに書いた。