高い画力で壮大なファンタジーな世界観を描き出し、人気を博している高田裕三。リアルで不思議な物語で読者を惹きつけてやまない彼の、おすすめ漫画をランキング形式で5作品ご紹介します。
1963年生まれ、東京都出身の漫画家、高田裕三。代表作に『碧奇魂ブルーシード』や1993年度講談社漫画賞を受賞した『3×3EYES』などがあります。
高校時代、漫画家を目指して少女漫画を執筆していましたが、当時は少女漫画の絵柄などに関する自由があまり無く、高田裕三の絵は少女漫画には不向きと持ち込みで判断されてしまい、少年漫画方面へ転向していったそう。大学1年の時にデビューを果たしたものの、4年留年し中退することに。
画材に特殊なものは極力使用しないという高田裕三ですが、理由は非常時などに入手が困難となる可能性も考慮してのこと。カラー原稿に安価な水彩絵具を愛用している理由は、どんな店でも大抵手に入るためと語っています。
作風は壮大でスケールの大きなファンタジー作品で定評があり、現実と織り交ぜて描くことで、リアルでいて不思議な世界を生み出す高田裕三。画力も高く、ヒロインも可愛いキャラクターが多いと人気です。
ファンタジー漫画好きにはどれもこれもおすすめしたい、高田裕三のおすすめ漫画5作品をご紹介しますので、ランキングを参考にぜひ読んでみてください。
第5位、『碧奇魂ブルーシード』。読み方は、あおくしみたまブルーシード。あることがきっかけで自分には荒神と呼ばれる謎の怪物を封印する能力があると知った中学生の藤宮紅葉が、運命に迷い、悩みながらも国士管理室のメンバーとして荒神たちとの戦いの身を投じてゆくというストーリーです。
- 著者
- 高田 裕三
- 出版日
- 2010-10-22
神社、巫女、といった和風なテイストに現代の科学や兵器と言ったものがMIXされた『碧奇魂ブルーシード』は、それに伝奇的な要素を絡め、複雑に入り組んだストーリー構成を作り出しています。張り巡らされた謎、伏線によって先を読まずにいられなくなる魅力的な作品です。
普通の少女と思っていた自分の運命を困惑しながらも受け入れ、謎の怪物たちと戦うことになった藤宮紅葉の芯の強さも見所。可愛らしい少女のビジュアル反した心の強さに思わず惹きけられるでしょう。壮大なスケールで描く少女と謎の男、怪物たちの戦いの物語。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?
第4位はイブニングで連載されていた『CAPTAINアリス』。アクシデントの起こる飛行機を予知できるという特殊な能力を持つ宇崎慧の力を活かし、問題を解決してゆくチームガーディアンのメンバーとなった主人公アリスと仲間たちが活躍する航空業界をテーマにしたストーリーです。
- 著者
- 高田裕三
- 出版日
- 2009-10-23
航空業界の現実とフィクションを織り交ぜて描いた『CAPTAINアリス』。漫画には珍しい航空業界をテーマに、更に珍しい女性パイロットを主人公とした視点がおもしろい作品です。
主人公アリスの豊かな表情も魅力。ただ可愛いだけじゃない、操縦中のかっこよさも、不細工顔も、どれもこれも可愛いと感じさせてしまう愛嬌があります。こんな可愛い主人公が想いを寄せる相手がゴリラ顔というのも斬新でおもしろいところです。
張られた伏線もキレイに回収され、スッキリと収束するこの安定感はさすがベテラン漫画家。知名度があまり高くないのが不思議なくらいのハイクオリティです。波乱万丈!アクシデント満載!ドキドキの展開を楽しんでみてください。
第3位は『鸞鳳』。記憶を失い自分を探しながら、覆面をかぶり、正体を隠して浅草を自警する高校生の主人公、千木良悠介が謎の美少女、雨宮都と出会った夜、空から現れ東京を火の海に変えてゆく謎の光る物体との戦いに身を投じてゆくこととなるストーリーです。
- 著者
- 高田 裕三
- 出版日
- 2014-04-23
記憶がないために孤独を感じる毎日を送っていた主人公が、謎の美少女、雨宮都と出会ったことで記憶を取り戻してゆきます。最初は変わった人にしか見えない主人公が抱えていた運命に、そして展開に、思わず驚き興奮すること必至です。
高田裕三らしい、ファンタジーと東京大空襲、戦闘機などの現実とフィクションが絡み合った複雑なストーリーは引き込まれたら最後まで読まずにいられません。ずっと1人で孤独だった主人公が、雨宮都の存在によって恐怖に立ち向かってゆく姿には思わずグッとくることでしょう。
デフォルターとは?謎の光る飛行物体の正体は?孤独な主人公の失われた記憶とは?ぜひご自身の目で、確認してみてください。
第2位、『九十九眠るしずめ』。明治16年、舞台は文明開化の起こりつつある東京。魔物を自分の体に取り込み封印する力を持つ御法実の主人公、倉橋しずめと密偵、乾虎源太は、怪異見廻組として人に寄生する九十九神による不可思議な事件を解決していきます。
- 著者
- 高田 裕三
- 出版日
- 2010-08-12
土方歳三や永倉新八といった実在の歴史上の人物、明治時代という時代背景に、九十九神といった妖などのフィクションを織り交ぜた伝奇ファンタジー作品です。個性的なキャラクター、現実とフィクションの混ざった不思議な世界には、飽きさせる暇もなく、あっという間に引き込まれてしまう魅力があります。
主人公しずめは、ビジュアルは可愛らしい女の子なのですが、一人称がボクの所謂ボクッ娘。明るく元気で可愛らしいしずめがボクと自分を呼ぶのがまた可愛いと人気です。
そのしずめが立ち向かってゆくこととなる、九十九神に寄生された妖のようなものの姿は不気味で、高田裕三の画力の高さがうかがえると同時に、本格的な妖怪退治の物語であることがわかります。妖怪の出てくる作品が好きな方には特におすすめ。そうでなくても楽しめるストーリーとなっています。
第1位は、『3×3EYES』。主人公、三只眼吽迦羅(さんじやうんから)という三つ目の妖怪のパイと、あるトラブルからパイと一心同体の不死人、无(ウー)となった藤井八雲が、人間になるための冒険をする物語です。
- 著者
- 高田 裕三
- 出版日
- 2009-08-11
中国の文化や、インド神話が名前や設定に起用され、日本以外のアジア諸国が舞台となっていることが多い『3×3EYES』。単行本全40巻にもわたるファンタジー超大作で、主人公2人の長きにわたる冒険と戦いが入り組んだストーリーと張り巡らされた伏線によりさらに複雑で魅力的なものになっています。
壮大、の一言に尽きるほどの世界観は、多くの読者を魅了してきました。あどけなさの残るパイと八雲の恋、高田裕三の技量が発揮された伏線、謎、全てにおいてハイクオリティ。次は何が起こるのか、ハラハラする展開、入り組んだ物語がラストに向けて収束してゆく様子は、最後まで読者を惹きつけて離しません。
2人の主人公と一緒に冒険している気分で、楽しんでみてください。
高田裕三のおすすめ漫画ランキングベスト5、いかがでしたでしょうか?この記事が次に読む作品の参考になればと思います。ぜひ、高田裕三の描くファンタジーな世界、楽しんでみてください。