春に読む!オトナの事情を抱えた本

更新:2017.3.21 作成:2017.3.21

「春になると“変な人”が現れるので気をつけましょう」 小学生の頃、先生によく注意されたものです。実際に下校中、セーラー服を着て化粧をしたおじさんなどをクラスの誰かが目撃し、ちょっとした騒ぎになったこともありました(笑)。

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多くの人にとって3月は環境の変化に富んだ不安定な季節だと思います。ボク自身の春は毎年、花粉症に悩まされ鼻水がズルズル絶不調! 会場の入場ゲートの内側にはティッシュが必需品、試合直前まで鼻水をたらしています(笑)。

昔から日本には「桜の下には死体が埋まっている」「桜を見ると人は狂う」など言い伝えがあります。何の因果か分かりませんが、そんな今月、3月にたまたま手に取って読んだ、それぞれ複雑な事情を抱えた本をご紹介します。

ある人様の家庭事情が赤裸々に

著者
こだま
出版日
2017-01-18

「今日はいい天気ですね」だの「明日はお天気が崩れて夕方から雨みたいですよ」だの……お天気の情報交換。子供の頃、オトナ同士がする、この会話の上っ面感に多いなる疑問を感じていました。しかし今となっては、人には人それぞれの事情というものがあって、良識あるオトナはとやかく人様のことを根掘り葉掘り聞いちゃいけないんだということを悟り始めています。

“聞く”という行為がナイフとなって、その人の心をザックリと傷つけてしまうことだってあるし、傷つけている自覚すらないことだってある訳です。この本には、とある人様の家庭事情がエグいほど根掘り葉掘り書かれています。みんな、いろいろ。人生、いろいろ。当たり障りのないオトナの会話が最近では逆に心に染みて、嫌いじゃないと思える年頃になりました。

就活事情を読み解くヒント

著者
常見 陽平
出版日
2011-10-24

泥臭く真っ正面から就職活動と向き合い、前に進むための本質的な就活のヒントが散りばめられた小説です。

新日本プロレスでは去年、初めて「2017年度新卒会社説明会」を行いました。後楽園ホールを貸切り、プロレスの試合も実際に見せる前代未聞の会社説明会ということで一部、ニュースにもなりました。プロレス団体という会社は特殊な業種なので、新卒採用という括りでの人事はかなり珍しいことです。

仕事とは? 人生とは? お金とは? 日本とは? 大学在学中から始まる「就活」というものは外国人からしてみると日本独特のものらしいです。中学生でも高校生でもいい、なるべく早い内に、この本に出会えれば少し人生が変わる気がします。プロレス団体に限らず、就職の仕方は一つではありません。ボク自身も新日本プロレス中途採用ですから。

「うつ」にまつわるお悩み事情

著者
田中 圭一
出版日
2017-01-19

プロレスデビューして、まだ間もない頃。浮かない表情をしていたら先輩レスラーにすぐ見抜かれ「悶々とする気持ちや悩みがあるんなら、道場へ行け。リングで後ろ受け身を取れ、ただひたすらに。そうすれば大概のことは忘れられる」。その教えを今でも忘れたことはありません。それでも前日の試合のダメージ、練習の疲れ……肉体的・精神的疲労のダブルパンチで回復に時間を要し、布団から1日中出られないことがたまにあります。だからこの本に出てくる方々が到底、赤の他人だとボクには思えません。リアルな体験談がマンガ形式で綴られています。

いわれなき誹謗中傷

著者
スマイリーキクチ
出版日
2014-03-27

インターネットに事実無根の書き込みをされ、なんと殺人犯に仕立て上げられてしまった著者の10年間に渡る壮絶な戦いが記された本。匿名で好き勝手発言できてしまうネット社会の怖さ、歪みが浮き彫りになっています。読んでいるだけで、気が滅入ってきます。

一気にネットが普及した2000年代。時代の流れの速さに法律が追い付かず、警察も追い付かず……ネットの誹謗中傷への対応のフォーマットができていないという悲しい現実に直面します。今でこそ中傷や脅迫、犯罪予告などの書き込みは「証拠」となって書いた本人が特定できるといいますが、この本が世に出たという事実だけでも、結果的に多くの人が救われているのではないだろうかと思います。