情報に左右されない、直観力が高まるような本

情報に左右されない、直観力が高まるような本

更新:2021.12.6

日々の生活の中には自分の進むべく道のヒントがたくさん示されていて感じ取るかは自分次第。 「オイラの島に来い!」とよちろう兄貴は僕を誘った。「今回はタイミングが悪くって」と言い訳をしていると、いつもはユルユルなのに少しカッコイイ顔をして「タイミングは自分で掴むんじゃい!」と一喝された。タイミング(チャンス)はばったり出会うことのようだった僕に、はっきりと自覚し掴み取る事を学んだ。 どこからともなくやってくるメッセージ。それはいつだって自然にやってくる。直観力を高める5冊を紹介します。

ブックカルテ リンク

感覚をすます、自然と繋がるメッセージ

オーストラリアにいた頃、ある人から「自分の足を洗った水を畑に撒く事で、自分の身体を癒す作物が育つ。」という話を聞いた。植物と動物は酸素、二酸化炭素、呼吸においても片方の放出した物がもう一方の生きる糧となり、助け合いバランスを取り合っている。足は身体の不純物の良く出る部位で、自分の身体のインフォメーションを植物に伝える事によって、自分の必要な薬のような作物が育つという訳だ。

この話が僕の記憶に強く残っていた。本のジャケットに惹かれ古本屋で手に取った一冊の本。その本の最後に添えられた「地球を持続可能な星に」という項があり、その中にこの話が書かれていてハッとした。何か繋がった感覚を胸にその本を購入し、本の世界にすっと引き込まれた。
著者
ウラジーミル・メグレ
出版日
2012-09-26
幼児期に両親を亡くしシベリアのタイガ(針葉樹林帯)の森の中、独りで育ったアナスタシア。地球のバランスを保つシベリア杉と森を守る、祖父と曾祖父に時折会う以外はほとんどの時間を森の動植物と共に家も持たず、森の恵みを頂き火も使わず、今で言うローフードで育ってきた彼女。元実業家で、ある意味対極に位置していた著者がアナスタシアと出会って生活を共にする。自然の声を聞き、直観力を高めていく中、著者が書き綴ったアナスタシアから受け取ったメッセージ。

臨死体験から見えた未来への答え

「あと一週間の命」そう宣告され、迎えた一週間目の朝。迫りくる「死」という現実の重み。今日という日を精一杯生きて、本当に自分の歩みたい人生を歩んできただろうか?その時、一体何を思うのだろう…。唯一、国内で死後蘇生したことが医師のカルテに記録されている、臨死体験者としても有名な木内鶴彦さん。臨死体験の中、肉体を持たない意識だけの存在になり、空間や時間の制約を受けず過去や未来へと旅に出た木内さんは、もともと天体観測が大好きだったこともあり、宇宙の始まり、月の誕生などを見てきた。

色々な経験から、「この地球において人は何のために存在しているのか」という人類の大きなテーマの問いかけの答えとして、「地球のバランスを管理する者」という考えに至った。臨死体験や宇宙の話というと何か胡散臭さを感じる人もいるかもしれないが、木内さんの話はスピリチュアルと科学との狭間のようなとても良いバランス感覚を感じずにはいられない。
著者
木内鶴彦
出版日
2015-08-24
蘇生後、自分の意識が経験したことを現実の世界でも立証し、世の中の訳に立つ様々な活動を行う。その一つに2008年、日本をはじめ各国において認可されたゴミ処理システムがある。それは天文家ならではの発想で、巨大な反射鏡により太陽光を集光し真空透明容器に入れた廃棄物等に照射することで処理を行う。

太陽光により処理するため燃料などがかからず、真空の容器で光は熱ではなく振動のため、ゴミは燃えるのではなく炭化し純粋な炭素となる。その時に水素と水とメタンが発生し、有毒ガスも出ずに地球の環境を守り、さらに資源に変えることまでできる。そんな夢のようなゴミ処理システムはすでに考案され産業での利用が期待されている。

音のもつ力、見えないものを信じる力

普段、何気なく使っていたりする言葉だが、その言葉に宿る力、言霊の音(波動)の持つ力や作用を感じる人は多いのではないだろうか。人や物の名前一つとってみても、何かその響きやリズムの中にそのキャラクターが反映されているのを感じたり、ある音楽がまるで心の薬のように癒してくれたり元気を沸き起こしたりする。

そんな時、目には見えないが音の持つ力を感じずにはいられない。目に見える物だけをただとらえるのではなく、予感や直観を感じた時それを言葉で表現し他者に伝えるのはなかなか難しい作業だが、この本は深い洞察のもと、見えないものを信じる力を心の奥深くへと語りかける。
著者
ハズラト・イナーヤト ハーン
出版日
ハズラト・イナーヤト・ハーンは、音楽家の両親のもとに北インドで生まれ、祖父や父から優れた音楽教育を受けて育った。音楽家、宗教家、哲学者、神秘家などに大きな影響を受けた彼は、師から「スーフィーの教えと音楽で東洋と西洋の霊的な橋渡しをせよ。」とメッセージを授かり、アメリカやヨーロッパで音楽活動や講義を行い、1927年に44歳の短い生涯を閉じたものも今尚、彼の教えやスーフィー・センターは世界各国に存在し、多くの人々の精神的光となっている。

また、訳者の土取利之さんはフリージャズ、民族音楽などのパーカッショニスト・音楽家としても有名で旧石器時代、縄文時代、弥生時代の日本の音楽の研究と演奏を深め、縄文鼓を復元・演奏している。

偶然は必然、流れを変える方法

ニュージーランドにいた頃、山の田舎に住んでいる音楽家の家にお世話になり、次のステイ先を近辺の山で探していたら偶然知り合った鍼の先生であり、ヨガも教えている女性に出会った。『音の神秘』の著者、ハズラト・イナーヤト・ハーンのスーフィー・センターの運営もしているという。それから日本に帰ると同じモロッコの伝統音楽Gnawaをやっている友人ができた。聞けば、土取さんの弟子だったという。

繋がり出会うべく人と出会えた感覚のもとには、いろんな学びがある。“偶然”ではなく“必然”そんな経験はないだろうか…。本にもまたそのような出会いがある。この本はそこから展開していく家族、他者、風景などから感じ交換している自分達を取り巻く氣(エネルギー)の流れを、いかに感じポジティブな流れに乗せていくかを綴ったフィクションストーリー。
著者
ジェームズ レッドフィールド
出版日
暫くの間、疑いや不安を脇において置くと、偶然のような必然的出会いや事柄が次々と起きてきて望んだ現実が自分のものになる。そんな事を教えてくれている著者も、この本を自分の貯金をはたいて出版社を作り、本屋を渡り歩き置いてもらえるように頼んで、結果ベストセラー本とまでなったのだが、その道中、数々の偶然のような必然的出会いがあったに違いないだろう…。

僕はこの本を読んでいた当時、モロッコのエッサウィラという街に暮らしGnawaの勉強をしていた。本の世界を離れ現実の世界のはずなのに自分の生活がまるで何か夢の冒険物語のようなわくわくした感覚の中、日々を送っていた。

グランドファーザー(偉大なる祖父)

自分自身で努力し得た経験による知識よりも、ありとあらゆる情報の中から拾ってきた知識によって語られる世の中に触れた時、少し冷めたような感覚を覚え寂しさを感じる時がある…。毎日を何となく過ごしてしまっている人には驚きの内容かもしれないが、誰かのようになりたかったんじゃない。

本当の自分の人生を歩んでいこう!どんなビジョンを持っていますか?心の奥へそう語られているようで、ネイティブ・アメリカンの大地に根差した伝統的な生き方を書いた本の中でも、特におすすめの一冊です。
著者
トム ブラウン・ジュニア
出版日
2008-02-07
グランドファーザーとは偉大なる祖父という意味で、ネイティブ・アメリカンの間で長老達の中でも秀でた賢者に対して一族から贈られる称号だ。本書はグランドファーザーでありシャーマンでもあったストーキング・ウルフから、7歳の頃より10年程教えを受けたトム・ブラウンの著書である。トム・ブラウンはグランドファーザーから学んだ技術によって、実際に行方不明者や犯罪者を探し出すトラッカーとしても有名でトラッカースクールを創設し、ワークショップなども行っている。

僕個人の感覚だが、本のジャケットと出版社の名前が少しスピリチュアル色が強すぎ、少々取っ付きにくかった。しかし、ニューヨークに30年以上住んでいる大好きな友人からのおすすめで手渡された時、ある種の興奮とともに一気に読み終えることができた。

本当に人生は旅や冒険のようだと感じる。ふとした時にやってくる予感や直観を信じて自分自身の力で切り開いてゆく。そんな道を歩んでいくためのヒント。こんな風に感じていたのは僕だけじゃなかったんだ。というような閃きと安心感を与えてくれる、そんな出会いのある本を選びました。

この記事が含まれる特集

  • 本と音楽

    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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