野村美月のおすすめ作品ランキングベスト5!劇場アニメ化作品も楽しめる!

更新:2017.4.3

伏線と回収が鮮やかな野村美月。劇場アニメとなった作品も執筆しています。ストーリー性も豊かで、魅力あふれる登場人物たちの掛け合いも楽しい野村美月のおすすめ作品をランキング形式で5作品紹介します。

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野村美月とは

野村美月は、2002年に『赤城山卓球場に歌声は響く』でデビューをしました。同作は、2001年にファミ通エンタテインメント大賞(現・えんため大賞)小説部門最優秀賞を受賞した作品でもあります。

ライトノベル系列のレーベルから作品を発表が多い作家です。2010年には、劇場アニメとして『劇場版“文学少女”』が公開されました。2015年には、一般文芸レーベルから「ひまわりさん」シリーズが刊行されています。

優しい文体により、心温まる世界観を築き上げる作風が特徴です。また、伏線の張り方やその回収がしっかりとされており、作品としての面白さを引き立てます。シリーズものの作品では、シリーズを通して散りばめられる要素が綺麗にまとまっていることも魅力の一つではないでしょうか。

5位 庶民出身の国王が作り上げるハレム「楽園への清く正しき道程」シリーズ

仕立屋として暮らす主人公・ルドヴィーク。そんな彼が国王として即位します。病により王族が次々に亡くなり、後継者であった王子たちまで亡くなったため、前王のご落胤であった、ルドヴィークに白羽の矢が立ったのです。

国にとっても切羽詰まった状況であるため、即位早々ルドヴィークは、家臣から結婚を提案されます。ずっと庶民として生活してきたルドヴィークは、戸惑いつつも他国の姫との結婚に向け猛勉強を開始します。

地盤固めとして王妃として迎え入れた他国の姫から初対面でキモイと言われるほど拒絶される状況から始まる“ファンタジー・ハーレム(予定)コメディ”。望めば楽園の主となれるが、ルドヴィークのものとなるのは1番目から6番目までで7番目は手に入らないという予言を受けたルドヴィークは、楽園を築くことができるのでしょうか。

著者
野村 美月
出版日
2015-11-30

シリーズ1作目『楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?』にて登場する王妃は、ルドヴィークが手に入れる6人に含まれるのか気になりますよね。手に入らない7人目は誰なのかについても。シリーズを通してしっかりと描かれていますので全巻読みたくなること間違いなしです。

ルドヴィークがそれぞれの少女と愛し愛される関係を築き上げていく様は、初々しく時にコミカル。ヒロインたちを大切に想って行動するルドヴィークの姿は、素敵です。ちゃんと国王として成長していくというのもポイントが高いのではないでしょうか。また、キーパーソンとなる王妃の心情の変化も見逃せません。最初は拒絶したルドヴィークに対する感情の変化と王妃の初恋相手への想いの変化が丁寧に描かれています。

4位 演劇を通じて成長していく「吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる」シリーズ

強豪校でバスケットボールの練習に打ち込む主人公・詩也。しかし、通り魔に襲われたことで命を落としかけます。そこに現れた吸血鬼の少女・雫により、一命を取りとめたものの、自身も吸血鬼になってしまいました。

吸血鬼となったことで飛び抜けた身体能力を手にした詩也は、バスケを続けられなくなってしまいます。自分の変化に対する葛藤から逃げるように転校した詩也。そこで、綾音という美少女と出会い、演劇部に誘われます。

著者
野村美月
出版日
2014-05-30

自分の意志とは関係なく、永遠の命を手にしてしまった詩也がどんな風に生きていこうとするのかに注目です。大好きだったバスケへの想いと手に入れてしまった能力との葛藤。綾音に惹かれていくものの血を求めてしまう吸血鬼としての本能。詩也は、吸血鬼として避けられない問題にもがきます。どのように向き合い、吸血鬼としての自分に折り合いをつけていくのか丁寧に描かれるため、読者は詩也に自然と感情が寄り添うのではないでしょうか。

演劇を通して変化していく詩也と綾音の関係以外にもシリーズを通して注目したいポイントは多くあります。話が進むうちに演技が上達していく詩也を感じられる描写や詩也を助けると同時に吸血鬼にした雫の秘密、さらにはプロローグに登場する少女は誰なのかなどなど。一つ一つのなぞは、しっかりと回収されるので、あっという間に全巻を読破できるのではないでしょうか。

3位 『源氏物語』をベースに描く物語「ヒカルが地球にいたころ…… 」シリーズ

高校入学直前に事故に遭い大型連休前にやっと登校できた是光。しかし、強面なことと生まれつきの赤い髪のせいで周囲から不良と誤解され遠巻きにされます。そんな彼に気さくに声をかけてくれたのが、学園きっての美少年・ヒカル。お互い友達が欲しかったため、本格的に親交を深め始めた矢先にヒカルが他界してしまいます。

葬式に顔を出した是光の前に現れたのは、幽霊となったヒカルでした。是光に取りついたヒカルには叶えてほしい願いがありました。それは、生前に親交のあった女性たちと交わした約束を果たすこと。

著者
野村 美月
出版日
2011-05-30

外見とそれに由来する評判、さらに是光自身の人付き合いに対する苦手意識もあるため、中々上手くことが運びません。しかし、そんな是光ですがいざという時にはヒカルを引っ張る決断力を発揮します。最初はぎこちなかった是光とヒカルの関係が親友へと変化していく様子は、感慨深いものがあるのではないでしょうか。そして、忘れてはいけないのがヒロインたちの存在です。それぞれに問題を抱え、一筋縄ではいかない彼女たちの変化も見逃せません。『源氏物語』を現代ものとして落とし込んだ作品だけに、ラブコメ要素が満載です。

ヒロインたちの悩みを解決するために各巻で奔走するのですが、実はシリーズを通して一つの謎があります。それは、ヒカルの死です。つまり、ラブコメ要素が十分でありながら、ヒカルの死の真相を追うミステリーという側面も持ち合わせている作品であるといえます。

2位 ライトノベルと向き合う『下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。』

ライトノベル新人賞の下読みを行っている男子高校生・青は、応募原稿の中にクラスメイトの作品を見つけます。小説としての形式が滅茶苦茶なその作品を投稿していたのはクラスのクールビューティー・氷雪。ギャップに戸惑う青は、ひょんなことから氷雪のアドバイザーとなります。

下読みの経験が豊富な青は、賞を取りやすい作品のコツを知っているため、それを教えていきます。自然と二人で過ごす時間は長くなり、次第に距離も縮まっていく青春ストーリーです。

著者
野村 美月
出版日
2015-06-29

野村美月の作品の中でも屈指の行動力を発揮するのが、青です。守秘義務のこともあり葛藤しつつもヒロインと接触しようと積極的に行動するヒーローは、野村美月の作品の中では珍しいのではないでしょうか。ただし、氷雪自身は内気であるために、読者が思うように進まない二人の関係にもどかしい思いをするかもしれません。

また、ラブストーリーでありながら、二人で作品の作成に向き合う様子から読者自身が物語と向き合うことのできるお話でもあります。

1位 文学小説がモチーフとなる「”文学少女”」シリーズ

「君子危うきに近寄らず」がモットーの男子高校生・心葉。過去のトラウマから他人と関わらないようにしていた心葉でしたが、ひょんなことから文芸部に引っ張り込まれます。引っ張り込んだのは、本を食べてしまうほど愛している文学少女・透子でした。

物語を文字通り紙ごと食べる透子のおやつ係として、三題噺を書く毎日を送る心葉は、マイペースな透子に連れまわされる形で様々な人と関わりを持っていくことになります。他人と関わることをやめた心葉の変化を主軸に描きながら、透子についても掘り下げ、シリーズを通して完成する作品です。

著者
野村 美月
出版日
2006-04-28

各巻にモチーフとなる文学小説が登場します。それらに類似したちょっとした事件により進行してく物語。引用が多くあるものの、読みにくさを感じない構成力があります。この作品自体を楽しむ一方で、モチーフとなった小説を読みたくなること間違いなしです。そして、モチーフの小説を知った上で読むとまた違った印象を受けるかもしれません。敷居の高さを感じてしまう文学小説も上手に絡められ、日ごろから様々な作品を読む人以外のあまり読書に馴染みのない人にとっても楽しめる作品ではないでしょうか。

シリアスな展開も多い作品ではあります。しかし、軽快さも持ち合わせているため、読後はほっこりとした気分を味わうことができます。ハッピーエンドではないかもしれないけれど、すっきりとした終わりを迎えるのは野村美月の作品の特徴でもあるかもしれません。また、心葉の一人称で進行する物語の合間に挿入される語りの正体が誰なのか推測する楽しみもあります。

読み手によって楽しめるポイントが異なるのが「“文学少女”」シリーズの魅力です。

読書に馴染みのない人でも手軽に読めるが、読み応えのある作品の数々。小説をモチーフとした作品も多く、読書家にとっても目が離せない要素がたくさんあります。シリーズものは、巻数が多いからと敬遠するひとでも、シリーズを通してしっかりとした構成がされている野村美月の作品はあっという間に読めるのではないでしょうか。

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