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ミュシャが育ったチェコってどんなところ?◯◯から知るチェコ

更新:2020.11.29 作成:2017.4.4

3月8日より国立新美術館で『ミュシャ展』が始まりました。故郷であるチェコや、自身のルーツであるスラヴ民族のアイデンティティをテーマにした《スラヴ叙事詩》は展覧会の目玉です。今回は、そんなミュシャが育ったチェコにまつわる書籍をご紹介します。

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3月8日より国立新美術館で『ミュシャ展』が始まりました。アール・ヌーヴォーを代表する芸術家の一人であるアルフォンス・ミュシャ(チェコ語発音だとムハ)は、現在のチェコ(オーストリア=ハンガリー帝国領モラヴィア)に生まれ、サラ・ベルナール主演の舞台「ジスモンダ」のポスターを手掛けたことで一躍有名になりました。故郷であるチェコや、自身のルーツであるスラヴ民族のアイデンティティをテーマにした《スラヴ叙事詩》は展覧会の目玉です。今回は、そんなミュシャが育ったチェコにまつわる書籍をご紹介します。

チェコの歴史から知る

著者
薩摩 秀登
出版日
意外と馴染みの薄い東欧の歴史。世界史の教科書でもそこまで大きく取り上げられることがなかったと記憶しています。しかし、この本はアプローチの仕方がユニークで、チェコの歴史のなかで重要な人物や事件から歴史を見るという方法を採用しています。

チェコという国自体が非常に複雑な歴史をたどっているため、通史をたどろうとすると大変苦労します。ですが、チェコの中世からの歴史をある種ドラマ化(この本のタイトルの冒頭にも《物語》とついているので)しているため、歴史に詳しくなくてもスラスラと読み進めることができます。初見で通史をたどるのがちょっとつらいという方は、ぜひこちらを一読してみてください。

チェコの身体観から知る

著者
養老 孟司
出版日
2016-11-28
個人的にチェコの身体観には非常に興味がありました。そう考えるようになったのは、チェコの首都プラハから東へ70キロほどの町にあるセドレツ納骨堂(チェコ語でコストニツェ・セドレツ)の存在を知ってからです。

約4万人分の人骨が保管され、そのうちの約1万人分の人骨を使って装飾が施された内部は、恐怖よりも畏怖の念の方を強く感じた記憶があります。チェコ以外にも中欧の身体観を死者の観点から見ることができ、国や宗教が違えば身体や死者への眼差しが異なるということを知ることができる一冊です。

チェコの文化から知る

著者
出版日
2013-08-21
チェコの街中を歩いていると、ショウウィンドウにディスプレイされた操り人形や人形劇の看板を目にすることがしばしばあります。かつてオーストリア・ハプスブルク帝国の支配下にあったチェコは、ドイツ語の使用を強制されていました。そのなかで唯一チェコ語の使用を認められていたのが人形劇でした。

チェコ人のアイデンティティのよりどころとして人形劇があり、それを継承する形で人形を使ったアニメーションもたくさん作られました。例えばイジー・トルンカやヤン・シュヴァンンクマイエル、イジー・バルタらを筆頭に、ユニークでユーモアのあるアニメーションが今でも世界各国で人気を集めています。そんなチェコ・アニメーションの歴史と、アニメーターの言説をたどることができる一冊です。

私自身、3年前にチェコに訪れる機会がありました。そのさいに少しでもチェコについて知っておかねばと思い、手に取った書籍を中心に紹介しました。チェコの首都プラハは、通称「魔都」ともいわれており、確かに何とも形容しがたい魅力が詰まっていました。ミュシャ展に行く予定がある方は、そんな魔都で生きたミュシャの感性を歴史や身体観、文化から概観してから観賞してみてはいかがでしょうか?面白い発見があるかもしれませんよ。