仕事をしながらもっとお金が欲しい、と考えた時に副業や投資を考える人も多いでしょう。しかし、株は失敗するとマイナスが大きそうというイメージがあるのも確か。こちらでは、初心者でもわかりやすい、株入門書的漫画をご紹介いたします。
株式の仕組みはなんとなく理解はしているものの、細かい知識としてはさっぱり、という人も多いでしょう。失敗談ばかり耳にすると、足がすくむもの。知識もないし、余計に自分とは縁遠いものだと距離を置きがちです。
本書は、株知識ゼロの女子高生が、学校の授業を通して株を学んでいくという筋書き。全編が漫画で構成されているため、入り込みやすく読みやすいのも特徴です。
- 著者
- ホイチョイ・プロダクションズ
- 出版日
- 2009-03-27
文字通り女子高生が学んでいくという設定で進んでいくため、知識ゼロでも最初から置いていかれる心配はありません。初心者向けで漫画だから、そんなに内容が濃くないんでしょ、と侮ることなかれ。およそ300ページという厚さですが、基礎知識から用語の解説、応用編として企業買収まで広く、深く知識が得られるようになっています。
しかも、ただ株の知識を紹介するだけでなく、過去話題となった事件や時事ネタを例として提示し、どうしてこうなったか、というところまで解説。ただの知識が現実の出来事と重なることで、より身に付きやすくなりました。
漫画以外にも図やグラフを用いた視覚的な解説で、徹底的にわかりやすさと情報量にこだわった本作。情報量が多すぎて覚えられない、という方でも漫画なので読み返しがしやすいところもポイントのひとつ。急いで株を学びたい方にも、ゆっくり知識を蓄えたい方にもおすすめの1冊です。
株式の知識を得ようとする人の多くは、自身で投資をすることを視野に入れているかと思います。知識を得た後に何をするか。もちろん、自身のお金で投資をするわけですが、仕組みはわかってもどれを買えばいいのか、大いに迷うことでしょう。
日本人ならだれでも知っている、優秀な人材が揃う大学のひとつと言えば東京大学。数多あるサークルの中のひとつに、株式の投資と、金融に携わる人と一般の人をつなぐ仲介役として活動する、株式投資クラブがあります。
- 著者
- ["東京大学株式投資クラブAgents", "河村 万理"]
- 出版日
- 2015-04-21
東京大学株式投資クラブAgentsは、2003年の設立以降、金融のプロの講演会を企画、株式投資の勉強会やメディアへの発信など、精力的に活動をしているサークル。常に最新の知識を得るよう努力し、投資について研究し続ける彼らが執筆したのが本書です。
日本で一番優秀な頭脳を持っている、と言っても過言ではない東大生とはいえ、所詮学生じゃないか、と侮ってはいけません。初心者向けの内容とはいえ、重要なポイントを絞って紹介。本当に必要な知識は何なのか、一目で理解できる構造になっています。
より実践的な内容が記載されており、例えばチャートの見方や、どの銘柄を選べばいいのか、という銘柄選びのコツまで紹介。大きな損をする危険性のある取引をすすめないという、一貫した姿勢に安心感が高まります。
漫画とコラム形式が基本ですが、漫画部分はきちんとストーリーが組まれており、株の知識以外の楽しみがあるのが面白いところ。最強の頭脳集団が提示する、安心安全の実践で活用できる知識満載の本作、まずは堅実な投資を、と考えている株初心者におすすめの1冊です。
日本では、何をするにも18歳もしくは20歳からという制約がある、というイメージがあります。車は18歳、お酒は20歳、選挙は引き下げられて18歳。では、株取引は、いったい何歳からできるのでしょうか。
正解は未成年可。高校生どころか小学生も、保護者の同意さえあれば、投資を行うことができる証券会社も存在します。実際に小学生投資家も存在することを考えれば、『インベスターZ』も無茶な設定ではなくなるのかもしれません。
- 著者
- 三田 紀房
- 出版日
- 2013-09-20
全国屈指の成績優秀校である道塾学園は、私立の中高一貫男子校。北海道札幌市に位置し、炭鉱開発や漁業で財を成した豪商、藤田金七によって創設されました。豪商が運営していたからか、開校以来授業料は無料。それは現代でも変わらず続けられています。
道塾学園に全教科満点という、驚異的な成績で入学した財前孝史。野球部に入ろうとしていたところ、野球部に案内すると言った謎の先輩に、行内図書館の地下室へ案内されます。そこで、麻雀に興じる生徒たち。彼らは、学園の運営費を投資で捻出している、「投資部」のメンバーでした。
中高生が学校の運営費を投資で賄う、という異例の設定が目を引く本作。どこかバトル漫画のような雰囲気を醸し出しています。投資部という部活動だけに、部員たちはかなりの曲者揃い。その中でも、圧倒的な強さでの勝利にこだわる孝史に、スポ根漫画の精神を感じ取ることができます。
ミドリムシの研究や商品の開発、販売を行うユーグレナを設立した出雲充や、実業家の堀江貴文といった現実の人間も登場するのが面白いところ。漫画とはいえ、証券会社社員が監修しているため、内容はかなり本格的です。巨額を動かす中高生たちの戦い、投資の世界に読者を引きずり込む、情熱の渦に引きずり込まれるでしょう。
アメリカでは、貧困にあえぎ、最底辺の生活をしていたものが、大金をつかんで成功することを、アメリカンドリームと称します。世界最大の投資株式会社のCEO兼会長を務めるウォーレン・バフェットもその1人。
本書は、世界1の投資家と言われる、ウォーレン・バフェットの生い立ちから成功するまでのサクセスストーリー、自身の株式への考えや投資するときのこだわりなどが、漫画で紹介されています。
- 著者
- 森生 文乃
- 出版日
- 2007-02-21
大恐慌の最中に生まれ、貧しい幼少時代を過ごしたバフェット。さぞお金に執着し、豪勢な生活をしているのだろうと思いきや、自身は年10万ドル程の給料で、質素に暮らしているとのこと。慈善団体にも多額の寄付をするなど、通常イメージするお金持ちからはほど遠い姿をした大富豪なのです。
株は売られすぎた時に買い、長期間保有するといった、バフェット流の投資術も語られていますが、実践的な部分よりも、バフェットという人物の魅力にぐいぐい引き込まれていきます。さすがは「オマハの賢人」と慕われ、バフェットに会いたいがために、彼の会社に投資をする人物までいるという人物。素朴な人柄に、親しみも湧きます。
成功ストーリーではありますが、スケールが大きすぎるので、自身の投資の際の参考にするというよりは、人生の導きの書といった要素のある本作。お金に執着しすぎる必要はないのかも、と肩の力を抜くことができる1冊です。
鉄道や刀剣、相撲など、女子ファンが少なそうな分野に熱狂する女性たちを、「○○女子」と表現することがあります。女子が進出していない分野はほぼないといわれる現代、やはり株式に熱中している女性というのも、一定数存在します。
本書は、株に熱中するOLのあずさとはるかが主人公。株主優待で生活することを夢見て、日々投資に励む姿をコミカルに描いています。作者の雄山スズコも、投資家兼漫画家という異色経歴の持ち主。作者の実体験か、と思われるようなエピソードも交えながら、ハイテンションに進んでいきます。
- 著者
- 雄山 スズコ
- 出版日
- 2013-11-26
日々上がり下がりする日経平均に一喜一憂、政府の金融政策や海外の金融恐慌に右往左往する姿などは、世界規模でダイレクトに影響を受ける、株式の世界ならではの表現。日本のOLと世界ががっちり繋がっているという、妙な錯覚も覚えてしまいます。
投資家あるある、といったネタで笑いながら、日常に株式投資があるとこんな感じなのか、と想像しながら読み進めることができます。株投資が出来るかできないかというよりも、恋のように相手に振り回されるのは少し楽しいのかもしれない、と思わせてくれる作品です。
株式投資という言葉だけで、何となく距離を開けてしまいたくなる力があります。しかし、知識を蓄えてさえいれば、より安全に道を歩くことができます。とりあえず、わかりやすいところから始めたい、という方には漫画という形式はピッタリ。楽しく株を学ぶことができる作品揃いです。