長く読み続けていきたい本【住岡梨奈】
もしも、いつか大切な思い出を思い出すことが出来なくなってしまっても、知ろうとすること、気づくこと、感じること、伝えることを忘れたくない。忘れないために、心を豊かにしていたい。そんな思いで選んだ“長く読み続けていきたい本”をご紹介します!

きっと物事はシンプル、心もシンプルでいよう

著者
谷川 俊太郎
出版日
1980-09-01
“子どもにもわかる言葉で真実の世界をうたう”がモットーの「JUNIOR POEM SERIES」から谷川俊太郎さんの詩集を選びました。

私はわかりやすい言葉ほど、そこに深い意味があるのではないかと勘ぐってしまうことが多いのですが、長新太さんのさし絵を見て、「もっと気楽に読もう」と思い直しました。長新太さんの絵を見ると思わず顔がほころんでしまいます。すると、谷川さんの言葉もひとつひとつ心にストンと落ちてくるようでした。

どうも大人になってから、自分自身の経験や思想を元に言葉の真実を片一方から見てしまいがちです。この詩集はさし絵とともに私の固定概念を打破してくれました。きっと自分が思っているよりも物事はシンプルで、心もシンプルでいることに沿えば何でも素直に受け止められるのだろうと感じました。素直は楽、素直は楽しい!

愛があることの意味

著者
エンリケ・バリオス
出版日
2005-08-05
少年ペドゥリートとアミと名乗る宇宙人の出会いから始まる物語です。アミは自分が乗ってきた円盤にペドゥリートを同乗させ、地球以外の惑星を見学させます。その体験によりペドゥリートは“愛の度数”の存在を知り、地球は野蛮で人々の“愛の度数”が低く、“愛”においてはまだ未開拓の土地であることを教わります。アミの「所有欲はエゴイズムだ。君には愛がない!」という言葉には心が痛みました。

「愛さえあればお金はいらない」とはよく聞く文言ですが、アミとペドゥリートの会話を聞いているうちに本当にそうかもしれないと思いました。

誰かにやさしくされた時、人はやさしい気持ちになりますよね。そのやさしさをまた違う誰かに与えて繋げていって欲しい。そう教えられた気がします。どんな時でも胸に潜むやさしさを光らせていたいなと思いました。

最後のページで気づかされた

著者
マーガレット・ワイズ ブラウン
出版日
まずはじめにお伝えしたいのは、この絵本が最初にアメリカで出版されたのは1949年だということ。半世紀以上の時を経て、2001年に日本にやってきたのだそうです。そして、この本をくれたのは私が大好きなライブペインティングパフォーマー・絵描きである近藤康平さんだということ。

あらゆる多くの人に愛されたであろうこの絵本をあの素敵な人にもらったのだから、これは素晴らしい絵本に決まっている!と正直興奮してしまいました。そのあと一旦落ち着いてから音読しました。

スプーンやりんご、風などがそれぞれに思う自分にとって“たいせつなこと”が書かれています。

私にとって大切なことって何だろう、私とは何だろう……と読みながら考えていると、最後のページに辿り着いた時「ああ、そうか。そうだった!」と気づかされました。私にとって“たいせつなこと”は歌を歌っていることでした。きっとあなたにとって“たいせつなこと”も見つかるはず。
少し疲れたなと思った時、そばにいてほしい絵本です。

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    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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