もしも、いつか大切な思い出を思い出すことが出来なくなってしまっても、知ろうとすること、気づくこと、感じること、伝えることを忘れたくない。忘れないために、心を豊かにしていたい。そんな思いで選んだ“長く読み続けていきたい本”をご紹介します!
きっと物事はシンプル、心もシンプルでいよう
“子どもにもわかる言葉で真実の世界をうたう”がモットーの「JUNIOR POEM SERIES」から谷川俊太郎さんの詩集を選びました。
私はわかりやすい言葉ほど、そこに深い意味があるのではないかと勘ぐってしまうことが多いのですが、長新太さんのさし絵を見て、「もっと気楽に読もう」と思い直しました。長新太さんの絵を見ると思わず顔がほころんでしまいます。すると、谷川さんの言葉もひとつひとつ心にストンと落ちてくるようでした。
どうも大人になってから、自分自身の経験や思想を元に言葉の真実を片一方から見てしまいがちです。この詩集はさし絵とともに私の固定概念を打破してくれました。きっと自分が思っているよりも物事はシンプルで、心もシンプルでいることに沿えば何でも素直に受け止められるのだろうと感じました。素直は楽、素直は楽しい!
愛があることの意味
少年ペドゥリートとアミと名乗る宇宙人の出会いから始まる物語です。アミは自分が乗ってきた円盤にペドゥリートを同乗させ、地球以外の惑星を見学させます。その体験によりペドゥリートは“愛の度数”の存在を知り、地球は野蛮で人々の“愛の度数”が低く、“愛”においてはまだ未開拓の土地であることを教わります。アミの「所有欲はエゴイズムだ。君には愛がない!」という言葉には心が痛みました。
「愛さえあればお金はいらない」とはよく聞く文言ですが、アミとペドゥリートの会話を聞いているうちに本当にそうかもしれないと思いました。
誰かにやさしくされた時、人はやさしい気持ちになりますよね。そのやさしさをまた違う誰かに与えて繋げていって欲しい。そう教えられた気がします。どんな時でも胸に潜むやさしさを光らせていたいなと思いました。