私たちの生活は多くの「もの」に囲まれていますが、敢えてそれを減らしていくという選択を選ぶ人が増えています。今回は私たちにそんな新しい価値観を教えてくれる5冊の本を選びました。
『小さいものと豊かに暮らす』の作者はドミニック・ローホー。フランス生まれの著述家です。彼女は生活の基盤をパリと京都の2カ所に置いており、フランスと日本を往復する生活をしています。そんな彼女のシンプルライフの秘密が持ち物の写真と共に紹介されているのがこの本です。
- 著者
- ドミニック・ローホー
- 出版日
- 2012-12-21
ローホー・ドミニックはシンプルライフのルールを3つに定めています。それは「とっても軽いこと」「小さいこと」「使いやすいこと」の3つ。家の中のものやお出掛け道具、おもてなし道具など生活の中の様々な「もの」を厳選した彼女の生活は、シンプルなのにとてもお洒落なもので溢れています。ものを選ぶ時のアドバイスも「バッグの中に入れておくもののリスト いいバッグは中身込みで400〜600グラムの心地よい重さ」と実に具体的なので、もの選びに自信がない人でも安心です。
持ち物を軽くすることとは即ち、ものを買うときに「それは自分の生活を精神的に豊かに出来るものか」という基準で選ぶことだと思います。今までものを買うときに基準にしていた「安いから」「お洒落だから」「流行っているから」といった色々な価値観。本書はその基準に新しい「心を豊かに出来るから」という価値観を加えてくれます。自分のものをひとつひとつ丁寧に選ぶことで自分の生活をじっくり見直してみよう、そう思わせてくれるのも本書の魅力のひとつと言えるでしょう。
ページの所々に散りばめられている、作者が京都で集めたこだわりの「もの」の数々。人目を惹くセンスの良い品々にシンプルライフへの憧れがじわじわと刺激されること間違いなしです。たくさんの物を大きな鞄に入れて持ち歩いているあなた。「お財布どこだっけ」といつも鞄をガサゴソと探しているあなた。もしかしたらその鞄には「そんなに必要ないもの」が詰め込まれているかも知れません。本書はそんなあなたの持ち物も心も身軽にしてくれる一冊だと思います。
大人気ブログ「living small」のAkiの初の著書である本書。女性管理職として働きながら自己流のシンプルライフを華麗に実現する彼女の生活の知恵がぎゅっと詰まっています。1DKで夫と子どもと3人で暮らす彼女の生活は徹底した「シンプル化」によって実現しているのです。
- 著者
- Aki
- 出版日
- 2016-10-25
彼女が記すのは「家事は家電に頼る」「コートは3着以上持たない」「常備薬は持たない」などのシンプルで合理的かつ明確なルール。さらに、家事をモジュール化して簡潔に、スケジュール化して時間の管理を、PDCAサイクルで無駄のない実行を……まさに仕事術を生活に上手く応用した極上のアイデアの数々です。ミニマリストを志す人には今すぐ実践したいシンプルライフの指南書でしょう。
もしかしたら「そこまでする必要があるのだろうか」と感じる人もいるかも知れません。その答えも本書を読むことで見つけることが出来ると思います。家事やモノ選びを簡素化して「手放す」ことで手に入れる事が出来るのは楽で豊かな毎日です。生活環境を整えたり、時には時間をお金で買うことによって「家族の時間」や「手間や悩みの少ない豊かな時間」を過ごす事が出来るのです。仕事も家庭も余裕を持って豊かに暮らす幸せなシンプルライフを感じる取る事が出来ると思います。
本書の中では生活用品だけでなくファッションについても触れられています。作者自らがモデルとなりビジネス用の服の着こなしを紹介している部分はファン必見。同じ着こなしを真似するのもよし、ヒントにして自分なりにアレンジするのも楽しいでしょう。
仕事に家庭に大忙しの人に向けたシンプルで豊かな生活を作り上げる為の一冊です。この本を読めば、ちょっとした工夫で生活がガラリと変わることを実感出来ると思います。
あえてせまい家を選んだ理由は一体何だったのか?本書は「あえて」せまい家を選んだ8家族の、その家を選んだ理由や暮らしの工夫に迫る一冊です。紹介する家族は夫婦2人暮らしから子供のいる5人暮らしまで。部屋の広さは30平方メートルから60平方メートルまで。せまい家で幸せに暮らす「くらし」の秘密に迫っています。
- 著者
- 加藤 郷子
- 出版日
- 2016-12-07
本書の斬新な提案は「家」に住むのではなく「地域」に住むというもの。朝ごはんは会社の近くのお店で済ませたり、図書館を家の本棚代わりにしたり、と地域の環境を最大限に活かしたライフスタイルが紹介されているのも見所。実際の暮らしの中で感じることや、それぞれの家庭の家の写真も掲載されていますのでミニマリストの生活の雰囲気も掴みやすいと思います。
本書はそれぞれの家族がどのような人生を求めていて、どんなことに豊かさを見出しているのか、に大きく焦点が当てられていますので家は広ければ広いほど良いという当たり前に思われていた価値観を変えるきっかけにもなると思います。自分で家事を管理できる範囲の大きさで充分、という彼らの考え方は都会で暮らす人にとっては家に対する価値観を大きく変えることの出来る役立つヒントになるでしょう。
引越しを考えている人、家を買う予定のある人、将来どんな場所で暮らしていくのか決めかねている人、そんな人たちに読んでもらいたい一冊です。「暮らしに価値を見出して、あえてせまい家を選ぶ」という新しい価値観はきっとあなたの家選びの固定観念を根底から覆してくれることでしょう。
「自分にとってなんの支えともならないような無益な交友関係は整理してしまいましょう」(『シンプルに生きる』より引用)
こんな人間関係をシンプルにするヒントが随所に散りばめられている『シンプルに生きる』。シンプルに生きることで得られる豊かさをやさしく教えてくれるミニマリスト入門書に相応しい一冊です。
- 著者
- ドミニック ローホー
- 出版日
本書で書かれているのは、あたりまえのことだけど見逃しているかもしれない大切なことです。その多くは禅的な思想や知恵をもとにしたヒント。それはものを少なくしましょうというアドバイスだったり、空腹を感じたときに食べましょう、というアドバイスだったり。頭では分かっているつもりでも、どれだけのひとが実行できているでしょうか?
この本は、ものに囲まれて時間に追われているうちに、見失ってしまいがちな基本的な大切なことを、見つめ直すきっかけを与えてくれます。
ものを少なくすれば片付けなくて良い。その分時間が増えて自分を見つめる時間も増える。そうする事で精神的にも豊かになる、という風にもの選びの指南書的な要素だけでなく、精神的な豊かさについて掘り下げた哲学書的な要素も盛り込まれています。ミニマリストになってシンプルに暮らすことはあくまで手段であり、目的は自分自身を見つめなおして本当の自分を見つけることなのだというメッセージが込められているのです。
いろいろなものに囲まれて過ごしている人や、人間関係に疲れを感じた人に読んでもらいたいです。読後は片付けの意欲が湧いてくるだけでなく、自分の生活をじっくり見直そうという気持ちが生まれてきます。柔らかな文体で書かれた本書はきっとあなたの生活を変える大切な一冊になるでしょう。
家庭からよい社会を作るという願いをもって歩む雑誌、『かぞくのじかん 2009年9月号』。この回のテーマは「お金をかけずに豊かに暮らす」です。衣食住から食生活、子どもとの幸せな瞬間の記録までさまざまな「お金をかけない幸せ」が掲載されています。
かぞくのじかん 2009年09月号
雑誌の中には「お金をかけずに豊かに暮らす50の習慣」が載っています。「『足りない』ではなく『これだけ使える』という感覚をもつ」、「家事も仕事もとことんやってみる」などの50の習慣があり隣に記載されているページに進むとその詳細が見れるようになっています。子どもの動きやすくて着心地のよいシンプルな定番服などの特集は子育て世代には必見です。
見ているだけでなんだか幸せな気分になれる雑誌です。今すぐできる簡単なヒントがたくさんあり、自分の生活の衣食住をきちんと見直して丁寧に生きよう、という決意を振り立たせてくれるでしょう。掲載されている写真も幸せな笑顔の瞬間を切り取ったものばかりなので眺めているだけで心が豊かになります。
雑誌の終わりには「最近、家族で大笑いした子どものひとこと」教えてください、というコーナーがあります。「ママと一緒にうまれたかったよー」「大きくなっても子どもでいたい」「ママの脂肪はいつ直るの?!」など豊かな子どもの言葉も楽しむことができます。
1冊で豊かな優しい気持ちになれる雑誌。シンプルライフに興味のある人や、張り詰めた気持ちを解したい人などにおすすめしたい1冊です。
自分に価値を見出して幸せに暮らす、そんか生き方がスタンダードになる日もそう遠くはないかも知れません。今回はそんなシンプルに生きるというテーマに沿った5冊をご紹介しました。最後までお読み頂いてありがとうございました。