ミステリー小説は、好きな方は大好き、そうでない方はなかなか読まない、という風に人によって好き嫌いのあるジャンルだと思います。その中で今回は、定番中の定番ミステリー小説や、ミステリーに触れる機会の少ない方でも読みやすい作品を紹介します。ぜひ、通勤、通学時間のお供にミステリは如何ですか?
十角館の殺人
ミステリー小説といえば、この本!と言っても過言ではないこの作品。ミステリー好きなら誰もが一度は読んだことがあるのではないでしょうか。この本は正直、ミステリーが好きであればあるほど、罠に引っかかってしまうような本ですが、初心者の方にもとてもオススメです。
お勧めできる理由は明確です。この本は読み手が、「わかりやすく騙される」のです。ミステリーの醍醐味である、「やられた!」という感覚がわかりやすく味わえるからです。ある人物のある会話の中のたった一言で、ここまでミステリー小説独特の敗北感を一気に味わえてしまうと、逆にスカッとするような気分になります。
一度体験してみたら、たくさんの方がこの魅力に気付き、どっぷりとハマってしまうのではないか、と考えただけでワクワクしてしまうほどです。紹介していたら私も読みたくなってきたので、この辺で切り上げさせて頂きます。
謎解きはディナーのあとで
この小説は、ミステリーというよりはコメディ小説に近いような気がします。ミステリーが苦手な方の中に、好きになれない理由の多くに「重い、暗い」があります。ただ、この本をミステリーと呼ぶのなら、ミステリーの常識を覆している本だと思います。かたくるしいと感じる方もいらっしゃると思いますが、この本はミステリー独特の重たさがまったくなく、気軽に読める……というのが最大の魅力かと思います。
ですが、ミステリー小説としても十分楽しめるボリュームで、とてもバラエティに富んだ内容となっています。一つひとつの事件が一話完結となっているため、真相が最後まで分からないモヤモヤ感が苦手と言った方にもオススメです。
そして、物語に出てくる人物のキャラクターの濃さもこの本の面白さの一つでもあります。それぞれ魅力的な人物であるからこそ、ユーモア溢れる人物であるからこそ、この小説のいい意味での「軽さ」が実現出来ているのではないかと感じます。この小説、この世の本の中で、中学校生活中、一番多く読み返したかもしれません。