アラサー女子の心をわし掴みにしてそのまま握りつぶしてくる系の恋愛漫画『東京タラレバ娘』。今回はドラマ化もされて大人気の本作のあらすじ、魅力をご紹介!8巻のネタバレがあるのでご注意ください。 好評の実写ドラマが『東京タラレバ娘2020』として2020年夏に帰ってきます!ドラマ放送前に魅力をあらためておさらいしておきましょう。
1964年東京オリンピックの時に建てられた事務所でフリーの脚本家として働く倫子。33歳を迎えようとしていますが独身で彼氏なし。学生時代からの友人、香と小雪と飲んだくれるのが習慣になっています。
- 著者
- 東村 アキコ
- 出版日
- 2014-09-12
いい感じと思ってた元彼の早坂に事実上振られたことを酒のつまみに、いつも通り3人で、今よりキレイになっ「たら」、このまま美容を頑張「れば」いい相手が現れるんだ、とヤケクソ気味に盛り上がります。しかしその会話を聞いていた美少年が彼女たちを看破するのです。
「ちょっとおねーさん達 いいかげんうるさいよこないだから(中略)
何の根拠もないタラレバ話でよくそんなに盛り上がれるもんだよな…(中略)
まぁいいよ そうやって一生女同士でタラレバつまみに酒飲んでろよ!
このタラレバ女!!」
この美少年KEYのツッコミとタラレバ娘3人の独白、そして幻覚のキャラクター、タラちゃんとレバちゃんの言葉がリアルすぎて痛い、大人の恋愛漫画です。幸せにならないこと確定な恋愛をしている登場人物ばかりで、倫子も一見普通のようですが、実は少女漫画体質。恋愛漫画のような夢を捨てきれずにこの歳まできてしまったのです。そんな彼女達のリアルな恋愛の様子をそれぞれご紹介します。ネタバレを含むのでご注意ください。
- 著者
- 東村 アキコ
- 出版日
- 2015-05-13
10年前、売れないバンドマンの涼と付き合っていた香。不安定な日々が続き、つい心移りで医者と浮気をしたことをきっかけに彼とは破局。それから何人かと付き合ってきましたが、しっくりくる人はいませんでした。
そんな時に、メジャーデビューして売れっ子になった涼と再会。やっと安定した生活を好きな人と送れるかと思いきや、彼に彼女がいることが分かります。衝撃を受ける香の前に、タラちゃんとレバちゃんが現れます。散々彼女にきついことを言ったあと、こう締めくくります。
「お前の言ってる『安定』って何タラ?当ててやろうか
金と名声タラ
結局おまえは男を社会的地位で判断する女なんだっタラ」
そしてあの頃「売れないバンドマン」として捨てた彼との未来はもう戻らず、手に入らない存在になったことを知るのです。タラレバキャラ、かわいい見た目の割に毒舌すぎます。
そしてある日、流れで涼の家に上がりこんでしまい、関係が再燃してしまうのです。しかし彼には他にも女がおり、二番手ですらないことを知ります。しかもKEYにさらっと告げられてそれを知る香。しょっぱいです。
- 著者
- 東村 アキコ
- 出版日
- 2015-08-12
ひょんなことから店で知り合ったサラリーマン丸井に一目惚れした小雪。ある日店が終わった後にふたりで飲みに行きますが、ここで衝撃の事実を告げられます。
「僕結婚してますけどいいですか?
でも嫁とは別居中です 嘘つく気も隠す気もありません
でも小雪さんが嫌なら諦めます」
香と倫子を見ながらふたりのようにはならないと考えていた彼女ですが、「正直に言うだけこの人は誠実だ」と自分に自分で言い訳し、そのままホテルに入っていくのです。酔っ払ってる彼女の頭上にタラちゃんとレバちゃんが現れます。
「おまえみたいな女が結局一番危ないんだタラ」
「そうレバ自分のことしっかりした女だと思い込んでる女」
「おまえみたいな女を何て言うか教えてやろうか?
サバサバしたフリして本当は誰よりも生臭い 〆鯖女タラ!」
ふたりの言葉にうまいね、と冷静に心の中で答えながらも、彼女はそのまま彼とホテルに入っていくのです。確かに一番やばい女、小雪です。
- 著者
- 東村 アキコ
- 出版日
- 2015-12-11
1話で元彼早坂に事実上振られた倫子。そのあとに流れでKEYとセックスしてしまいましたが、そのまま特に何もなく、気にしないようにしながら仕事をこなして日々をどうにかやり過ごしていました。
そのままあきらめろと自分に言い聞かせるように、映画バーを営む好条件の男性と付き合うことに。しかし自分の要求を押し付けてくる彼と、ここまで生きてきて妥協ができない倫子とはうまくいかず、破局。やっぱりKEYが好きだと香と小雪に気づかされるのですが、彼からも振られてしまいます。
そのタイミングで早坂とアシスタントのマミが別れたことを聞き、そのまま流れでキスしてしまうふたり。しかも早坂はそのまま流れに流されるのではなく、酔いが醒めてからまた連絡すると約束するのです。素晴らしい誠実男子、早坂。
それから倫子は早坂さんといる楽さに安心感をおぼえ、真面目で平和なお付き合いが始まります。交際は順調で、何と彼は一緒に住む物件を探そうと言ってくるのです。倫子は即OKし、このまま幸せエンドかと思いきや、KEYの知られざる過去が明らかになるのです。
KEYの亡くなってしまった妻が倫子に激似だということが判明した7巻。それゆえに彼は知らず知らずのうちに倫子に惹かれているようだということをマミから聞いた香と小雪は、3人で倫子の家へと向かいます。そしてそのままみんなでKEYがいる伊豆に向かうのです。
KEYのもとへ向かう時の車中のシーンでは、倫子の揺れる心にハラハラさせられます。突然知らされたKEYの過去、しばらく見なかったタラレバの再来、早坂からの連絡、車から降ろしてくれない香と小雪。混乱したまま彼女はそのままKEYのもとに連れられていきます。
- 著者
- 東村 アキコ
- 出版日
- 2017-04-13
そしてふたりきりになるKEYと倫子。「あんたわたしのこと好きなの?」と聞かれ、黙ってしまうKEY。妻のことが忘れられないけれど、倫子にも惹かれているのです。倫子と香、小雪のことを散々タラレバ娘だと罵ってきた彼の方こそ、過去に未練を残していたことを倫子は指摘します。
「このタラレバ男!!!」
そう言ってKEYから逃げている時に来た早坂からのメール。倫子は嘘をつくのですが、うしろめたい感情が襲ってきます。大人の女のいやらしさをリアルに描いたシーンです。劇的な展開を望みながらも、冷静に状況を判断して現実を壊さないようにバランスをとって恋に溺れている彼女。平気で嘘をつけるようになった、という虚しい言葉は読者の女性にも突き刺さってくるのではないでしょうか。
追いかけてきて彼女から携帯を奪い、キスしてくるKEY。そのまま流れに身を委ねながらも倫子は考えます。
「心の中に別な女性が居座り続けている男を
この状況ですら好きだとは言ってくれない男を
本当に好きになってもいいの?」
人生の走馬灯を見ながらも、現実を分かっていながらも、やっぱり彼が自分を好きだと言ってくれることを夢見ているのです。
上記までが8巻の大まかな内容です。主人公の、そして全女子の永遠のテーマである「安定か理想か」という展開に山場が訪れました。倫子の心理描写が丁寧に描かれた最新巻です。
結局KEYとくっつくのか、と思われるような展開ですが、熱から醒めた時に倫子は違う道を道を選択するのではないでしょうか。東村アキコは王道の少女漫画が好きなことで有名ですが、やはりこの漫画はテンプレでまとめるような作品ではないと思われます。果たしてどんな展開になるのでしょうか?
2017年に放送されて好評だった実写ドラマが『東京タラレバ娘2020』として2020年夏にスペシャルドラマで帰ってきます。
ドラマも実際に3年の時が経った2020年の東京が舞台です。香は結婚し、小雪は自分のお店を持つための準備を始め、結婚するために歩き出した倫子とそれぞれの道を進め始めた3人がそれぞれの「幸せ」手に入れるために奮闘する姿に注目です。
倫子役の吉高由里子はインタビューで「今回も、楽しく、可愛く、ハッピーな気持ちになるドラマになると思うので、3年たった3人娘たちを…もう娘とは言えないかもしれないけれど(笑)、見守っていただけたらうれしいです!」と語っています。
タラレバ娘3人の詳細なインタビューや東村アキコ先生のコメントは、東京タラレバ娘|日本テレビをご覧ください。
東村アキコのおすすめ作品を紹介した<東村アキコのおすすめ漫画作品14選!『東京タラレバ娘』などヒット連発!>の記事もあわせてご覧ください。