スティーブン・ジェラード、ルイス・スアレス、アンドレア・ピルロ、ネイマール、ズラタン・イブラヒモビッチ。天才サッカープレイヤーの自伝から学べることがきっとあります。
金、名声、タイトル、これらを求め移籍を繰り返す昨今のサッカー界。ひとりの選手に注ぎ込まれる移籍金が100億を超えることを考慮すると、ひとつのクラブに生涯を費やすということが珍しくなっていることもたやすく理解できます。
しかし、人々が”アンフィールドの英雄”と呼ぶスティーブン・ジェラードだけは違いました。チームメイトがタイトルを求め、アンフィールドを去っていく中、クラブへのロイヤリティ、愛、信念に従い、28年間プレーし続けたジェラードのプレーには情熱が宿っていました。その気迫あふれるプレーは世界を魅了し、チームを鼓舞し、多くのファンに夢を与えました。
当時世界のトップ・プレーヤーを有し、黄金期だったACミランとのチャンピンズ・リーグ決勝でゴールを決め、チームを優勝に導いたあの闘志、愛するものを守るために戦うキャプテンシー、そして世界中でジェラードだけが成し遂げたあの数々の功績は、次の世代にも語られることは間違いないでしょう。
You’ll Never Walk Alone. 生涯をクラブに捧げた男の熱い物語がここにあります。
- 著者
- スティーヴン ジェラード
- 出版日
- 2016-04-01
リバプール、そしてイングランド代表でキャプテンを務めたジェラードのキャプテンシーを紹介します!
8歳からリバプールに所属し、誰よりもリバプールについて理解しているジェラードは、そのアツすぎるハートがゆえにマンチュスター・ユナイテッド戦では投入後38秒でレッドカードをもらい退場してしまったことがあるほど。
しかし、若い選手にとって模範になる選手になるだけでなく、若手を守る存在であることも知られています。17歳と107日のデビューしたラヒーム・スターリングはジェラードのキャプテンシーについてこう語っています。
「彼は僕にとてもよくしてくれたんだ。いつも気にしてくれていて、当時は経験ある相手選手から常にとても激しいタックルを受けていたんだけど、僕にタックルをお見舞いした選手には、ジェラードがいつも仕返しに行って、僕を守ってくれていたんだ。」
常に仲間を守るために行動し、チームを助ける。これが偉大なるキャプテンと呼ばれる理由では無いでしょうか?
リバプール史上最高のストライカーとして愛され、2013-2014年シーズンには祈願のプレミア・リーグ優勝まであと一歩のところまでクラブを牽引したルイス・スアレス。
しかし、彼は街に出て英雄扱いされることはありませんでした。彼はイギリス、そして世界中からこう呼ばれました。
「噛みつき男」
「ダイバー」
「レイシスト(人種差別者)」
メディアは彼を異常者、悪党として扱いました。しかし、これら数々の出来事にもいくつかの側面があります。スアレスを知るものは彼のことを「温厚で家族思いのやつ」と口を揃えて言いますが、真実はどうなのでしょうか?
スアレスの言い分、隠れた真実がここにあります!
- 著者
- ルイス・スアレス
- 出版日
- 2015-03-12
スアレスの噛みつき事件について少し。
キャリアの中で計3度噛みつきを行なっているスアレスですが、ワールド・カップのイタリア戦でキエッリーニに噛み付いた時は言い逃れのできない無様なものでした。2回目となるチェルシー戦でのイバノビッチへの噛みつきは10試合の出場停止処分にとどまるも、3度目の際には4ヶ月に渡ってあらゆるサッカー活動が禁止されてしまいました。
当時のサッカー界で最も話題を呼んだものであったため、サッカー業界以外からも様々なコメントが寄せられました。
あのプロボクサーのマイク・タイソンもこの事件に対してコメントしているので紹介します。
「俺は理解できるぜ。突発的に起こり得ることだ。静脈の血がわきたつような大会での、瞬間の出来事だろう。理性がききにくくなる。自分じゃない何かになってしまうことがあるのさ」
批判的なコメントが寄せられる中、理解を示すコメントは現役時代に噛みつき経験のあるマイク・タイソンだけだったでしょう。
この事件に関するスアレスの見解はこの本をお読みください!
チェスのように数手先までを見据える戦術感。優雅でテクニックに優れており、過去にも未来にも唯一無二のレジスタとして活躍したアンドレア・ピルロ。
彼にボールが集まるとそれは攻撃の開始を意味していました。
彼の知的な面はサッカーセンスとして、だけでなく一人の人間としても興味深いものがあり、この本は一人の人間としてのピルロが詰まった本となっています。
葛藤や成功の秘話、彼の哲学は一読の価値ありです!
- 著者
- ["アンドレア・ピルロ", "アレッサンドロ・アルチャート"]
- 出版日
- 2014-02-20
ピルロのイメージといえば、物静かな表現者といったイメージがありますが、実はゲーム好きといった意外な一面もあります。
2006年にイタリアがワールド・カップを制しましたが、実は試合の前までプレイ・ステーションをミランの同僚とプレーしていたと言います。
このように知られざる一面の多い、謎めいたピルロですが、この本を読めば意外な一面も知ることができるようになるでしょう!
世界最高の選手に贈られる最も名誉な賞”バロンドール”。過去10年程、それは2人の選手”クリスティアーノ・ロナウド”と”リオネル・メッシ”に独占されてきました。
しかし、この男はその均衡を破るのに最も近いプレーヤー、そして新たな時代を率いる神童として最も期待されている選手です。
世界中に多くのファンを持つネイマールですが、彼の歩んできた道を知るものは多くありません。世界最高峰の選手までに上り詰めた不屈の精神力、夢への異常なまでの執念などを培い、今にいたるまでの過程には、数々のドラマがありました。
サッカーに関わるものだけでなく、多くの人に夢と希望を与える本になっています。
- 著者
- ["ネイマール", "ネイマール・ジュニア", "マウロ・ベティング", "イヴァン・モレー"]
- 出版日
- 2014-03-13
ここではネイマール父についてご紹介!
サッカー界には数々の名選手の二世選手がいますが、ネイマールもそのひとり。ネイマールの父はオペラリオという地方の小さなクラブに所属していた無名の選手でした。そのためブラジル国内でも彼のことを知るものはおらず、存在感にかけていたと言います。
この平凡なサッカー選手がどうやって世界トップクラスの選手を育てあげたのか。この本にはその答えが載っています。
夢を追いかけるもの、そしてそれをサポートするものどちらにも読んでもらいたい1冊です。
サッカーも効率化し、メディアの徹底的な監視がされるようになりました。昔は多くいたクレイジー、もしくは絶対的なキャラクターを有するサッカー選手も彼が最後。現代に残る恐竜として多くの人に親しまれているスウェーデンのストライカー”ズラタン・イブラヒモビッチ”。
名言集で本が書けてしまうほどのカリスマ性に加え、ピッチで結果を出し続ける彼の自伝は、自身のキャラクターが示すように、サッカー選手の自伝の中で最も刺激的な本であることは間違い無いでしょう。
- 著者
- ["ズラタン・イブラヒモビッチ", "ダビド・ラーゲルクランツ"]
- 出版日
- 2012-12-01
自身のことを”神”だというほどの絶対的な自信、絶対的なアイデンティティ、信念。悪党と呼ばれながらも、自分の芯を貫く姿勢には敵サポーターも尊敬の念を送るほど。
逸話や名言の多いイブラヒモビッチに関しては、どれか一つの話を選んでご紹介するのはとても難しいです。
そのため、近年の活躍についてご紹介。2016年に35歳という年齢でマンチェスター・ユナイテッドにやってきたイブラ。35歳という年齢は本来衰えが顕著に見られ、引退を考える歳ですが、イブラは自身のことを”俺様はベンジャミン・バトン(※)のよう”だと賞賛しました。
いまだ衰えない怪物的な得点力は、この歳で世界最高のリーグに挑むのを懐疑的だった多くの人を黙らし、常に向上を続ける姿には多くの尊敬の念が集まっています。是非、本を手にとって、イブラの魅力に浸ってください。
※スコット・フィッツジェラルド原作、ブラッド・ピット主演の映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』から。主人公ベンジャミン・バトンは80歳の状態で生まれ、年を取るごとに若返っていく。