岡崎二郎おすすめ漫画ランキングベスト5!数々の名作SF短編集を描く漫画家

更新:2021.12.19

SF短編集の名手として名高い漫画家、岡崎二郎。数々の名作を世に送り出し、根強いファンも多い漫画家です。今回は彼の描く世界観を堪能できる5作品をご紹介します。

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SF短編漫画の名手、岡崎二郎

数々の名作SF作品を生み出してきた漫画家の岡崎二郎。科学や歴史、生物学など、幅広く豊富な知識を持っており、それを活かして描く漫画が人気です。

彼の描く作品はSFの不思議な世界観でありながら、いつもどこか現実世界について感じ取れるようなリアルさも持ち合わせているのです。例えば設定はSF的であっても、文明の発達による自然破壊に対する警鐘ともとれるテーマで読者に考えさせ、また興味を持つきっかけとなるような作品が多くあります。

世に出ている警鐘的な作品はどこかラストに暗い印象を与えるものが多い中、岡崎二郎の作品は全てではありませんが、比較的ハッピーエンドが多いことも特徴。そこが読みやすいという点が魅力といえるでしょう。

まだインターネットやパソコンの普及していない時代からすでに、機械に頼り依存する世界について言及するシーンが作中登場するなど、岡崎二郎の先見の明には思わず驚嘆することでしょう。

5位:岡崎二郎が描く、自然から人間へのメッセージ

5位は『緑の黙示録』。主人公の山之辺美由は6歳の頃、自宅に生えている大木、ひのきじいさんと話しをする方法を父から教わります。高校生になった美由は実際に植物と会話ができるようになるのですが、植物たちの人間への声は決して友好的なものではなかったのです。それは自分勝手な人間たちに対する警告で……。

著者
岡崎 二郎
出版日
2003-03-20

植物をはじめとする、豊かな自然がなければ生きられないはずの人間が、文明の発達と共にそれを軽視し始めます。そして、人間にとってのみ都合の良い、まさに自分勝手な世界が作られていることに植物たちが恨みを持つのです。その声を聴くことのできる美由を通し、地球の自然について深く考えるきっかけとなる作品でしょう。

警告の書と称される『緑の黙示録』から、作者の自分勝手な人間を問題視する思い、そして上手く共存していく方法はないのだろうかという思いが伝わってきます。

徐々に破壊されていく自然、反比例するように進化を続ける文明……。読み終わった後、単におもしろかった!とは思わず、深く思考を巡らせることになるはずです。文明の発達した現代社会に生きる人間として、一度は読んでおきたい1作といえるでしょう。

4位:バーチャル世界を通して生物について知る!

4位は『国立博物館物語』。上野に設立される予定の新東京博物館では、人工知能「スーパーE」により白亜紀後期の恐竜が存在していた世界を精密に再現する研究が進められていました。完成すれば多くの人々がその時代をバーチャル体験することが可能に。しかし現段階で体験できるのは機械との相性の問題で主人公の森高弥生のみ。多くの人々が体験できるよう、弥生は1人恐竜のいるバーチャル世界へ入ります。

著者
岡崎 二郎
出版日

1話で完結するオムニバス形式で物語が進み、完結します。そのためサクサクと読みやすいことも魅力です。SF短編の名手と評される漫画家、岡崎二郎によって描かれた、生物学をメインに学ぶことができる学習SF漫画として高い評価を得ています。

主人公の弥生のバーチャル世界での体験や、博物館以外での経験も通して生物の不思議、素晴らしさ、進化とは何なのか、そういったことを楽しく感じることのできる生物学的知識が満載。きっと、もっと地球に存在する生命体について知りたくなります。自然科学に興味を持つきっかけになりえる作品です。

3位:平面をテーマに繰り広げられる奇想天外な物語

3位は『大平面の小さな罪』。世界の全てに存在する「平面」を管理しているという平面管理員会。そこの行動局員であるセーナと出会った広告代理店に勤める宇田川は、彼女の力を使って2人で会社を立ち上げ、協力してお金を稼ぐように。セーナと宇田川の奇想天外な日々を描いた作品です。

著者
岡崎 二郎
出版日
2010-06-15

最初はセーラとお金を稼ぐため協力する宇田川との話ですが、次第に平面管理委員会の面々も登場し、人間の世界でそれぞれに事件を起こします。騙されて絵の贋作を本物とすり替えてしまったり、詐欺師に協力してしまったり……。どれもオムニバス形式で進むのでさっぱりと読みやすく、それでいて一本のストーリーとしてラストに向けて飽きさせることなく進みます。

まだパソコンやインターネットが当たり前に普及していなかった時代に描かれている作品なのですが、それに依存していく社会についても描かれており、実際パソコンや人工知能といったテクノロジーを駆使している現代となっては、岡崎二郎の先を見通す力に驚嘆せざるを得ません。

2位:宇宙で学ぶ不思議の数々!

2位は『宇宙家族ノベヤマ』。家族を顧みず仕事ばかりの日々を送る野辺山雄一は、ある日突然、内閣官房長官から宇宙へ行くように伝えられます。科学者たちの受信した宇宙電波によると、宇宙へ行く資格のあるDNAを持つ者がなんと野辺山家の息子・翔太だったのです。そうして宇宙で野辺山家の再生と、異星人たちとの出会いの物語が始まります。

著者
岡崎 二郎
出版日
2007-02-28

宇宙へ行くことになった野辺山家を描いたSF作品ですが、家族、生命体、文明、様々な問題が浮かび上がり考えさせられる哲学的な作品でもあります。

今まで家族と向き合うことをしなかったと気づいた野辺山雄一の、親として、一人間としてのあり方など、そういった点にも触れられていているので、SFなストーリーから提示される問題はとても現実的で現代社会にも通じる部分があるのです。そういったポイントから、SFをあまり読まない方にもおすすめできます。

哲学的で宇宙規模のストーリーは大人でも満足できる内容ですが、絵のタッチが丸みのある可愛らしい印象ですので、お子様にもおすすめ!ぜひ楽しんでみてください。

1位:SF漫画好きなら必読の岡崎二郎作品!

1位は『アフター0〔著者再編集版〕』。SF短編の名手、岡崎二郎が描いてきた傑作短編を収録している作品です。その中から「種を蒔く男」をご紹介します。

星が大好きでよくプラネタリウムに通っている主人公がいつも見かける、どこか悲しそうにアナウンスと違う方向を見ている男。気になって声をかけた主人公は、意気投合して食事の席で男が人類とその文明を育てる、「種を蒔く」仕事をしているのだと知ります。たとえ話だろうと思っていた主人公でしたが……。

著者
岡崎 二郎
出版日
2002-07-30

「種を蒔く男」は、主人公が出会ったちょっと不思議な那由他という男の話です。人類が誕生し、文明がどうやって作られたか、そういったものをテーマにしたストーリー。短い話の中に無駄がなく、謎だったシーンはラストのために描かれていたのか!と物語が1つに繋がる様子はさすがSF短編の名手。思わず次々と読みたくなってしまいますよ。

基本1話完結の短い話ばかりなのですが、少しの不思議とSF要素が満載の読み応えばっちりの作品です。作者である岡崎二郎の宇宙について、生命体について、そのほかにも様々な科学的知識の豊富さが随所に見てとれるほど盛り込まれており、古臭さを感じさせない魅力があります。

ストーリーものもオムニバスもどれもおすすめしたいのですが、やはり岡崎二郎と言えばSF短編!1話は短いながらも緻密に計算されている設定、ストーリー、展開が楽しめる『アフター0』をぜひ読んで頂きたいです。

心温まる話も、少し切なさの残る話も、とにかくジャンルが豊富で読者を飽きさせません。読んで頂ければ堂々の1位という順位にきっと納得して頂けるはず!気軽に楽しんでください。

いかがでしたでしょうか。どれもこれも不思議や知識が詰まった作品ばかりですので、お子様から大人まで、幅広い年代におすすめのものばかりです!

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