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5分で読める!スキマ時間にすっきりおさまるオススメ短編集

更新:2020.11.25 作成:2016.3.3

電車に乗ってるとき、飲食店で注文したものが来るのを待つとき、仕事の微妙な休憩時間、スマホいじってると一瞬で終わりますよね。私もそうなんですけど。ゲーム持ってきてても夢中になって乗り過ごすの怖いし、小説を読み始めるとキリの悪いところで時間になったりするし。そんなジレンマを解決する、1~2駅の間に一遍読み終わる一口サイズの短編集の中で、特に面白いと思ったものを紹介します。

36編の悪魔たち

著者
星 新一
出版日
1975-07-29
日本SF御三家と呼ばれるうちの一人、ガチガチじゃないので親しみやすいSF作品で老若男女問わず愛され続ける星新一の、「悪魔」をテーマにしたショートショート集。様々な時代や場所を舞台にして、少し皮肉交じりに社会の闇やそこに潜む悪魔たちの存在を描き出している。

文明の進歩で人々が失ってゆくものや、意図せず得てしまったもの。星新一のSFの世界にあるのは、ロボットとかテクノロジーとかワクワクする聞こえのいい言葉だけではない。夢だけではSFは語れないという事を彼は知っていた。

でも決して落ち込むような内容のものではないので安心して読んでいただきたい。クスッと笑ってちょっとヒヤッとできる。

軽快なリズムのブラックジョーク34編

著者
筒井 康隆
出版日
1980-10-28
ブラックなショートショートといえば筒井康隆のこの一冊も強くオススメしたい。ユーモアと狂気を1:1で鍋にぶち込んで強火で煮込んだような一冊。一遍読み終わってから登場人物たちのその後を想像すると冷や汗が出るものばかり。

作者特有のリズム感のある文体で書かれているので読みやすい上、どれもこれも最後の数行でサラッと地獄を作ってしれっと終わるので、マンネリして途中で読み飽きることはきっとないだろう。

個人で気に特に好きなのは、浮気相手を次々毒殺する妻と、地層研究科のその夫との顛末を描いた「セクション」。

何でもないものをいとおしく感じる60編

著者
江國 香織
出版日
私たちの日常には数えきれないほどの「とるにたらないもの」が存在する。今この文章を書いている机の上にもたくさん散らばっている。そのひとつひとつを丁寧に見ることはなかなかしないまま、なくしてしまったり古くなって捨てたりして、やがて記憶からも消えてゆく。

この本を読むと、そのひとつひとつがなんだか懐かしく、いとおしくなってくる。レモンしぼり器、石けん、旅行鞄、おばさんのスカーフから書斎の匂いまで。作者の日常にある「とるにたらない」けど欠かせないものたちへの愛と思い出を淡々と綴ったエッセイ集。

物だけではなく、においや気持ちや空気についても書かれているのが面白く、ところどころほんのり共感できる。私も輪ゴムの箱見ると中に手入れて落ち着く。