どつぼ超然
町田康さんが好きです。私が見落としていた作品を本屋で見つけたので即買いしました。本当は別の本を探していたのに……(笑)。
読み始めて1分後には「おもしろい!」と断言。超然主義を貫くと誓った主人公が、如何にして“超然”を実現するか試行錯誤する様子や、死に場所を探して彷徨う様子が描かれています。主人公は途中から一人称として自分を“余”と呼ぶようになるのですが、その真剣なアホさとか凄くおもしろい。余の気まぐれな心理状態をそのまま書き殴り続けたような作品です。オススメ。
ピンクとグレー
ミュージシャンであると同時に作家としても活動されている加藤さん。先日、とあるキッカケでこの本を探しに行き、二軒目の本屋でゲット。映画化もされてかなり話題になっている作品です。その足で喫茶店へ向かい読み始めましたが、読み切るまで席から動けませんでした。芸能界を舞台に、二人の青年の人生が交差する様が描かれています。
親友が成功していくのを側で見ているしかない主人公の複雑な心境も簡潔な文体でテンポよく入ってきます。「圧巻のラストシーン」と宣伝されていた最後の場面は、本当に素晴らしかった。私自身の執筆活動にも喝を入れられたようで、読んで良かったと思いました。
幻想耽美
いくら買ってもキリが無いし、もういい加減、画集やアートブックを買うのは控えようと思った矢先にまた買ってしまった。アンダーグラウンドアートを集めた作品集です。先頭に山本タカトさんの作品が載っていたものだから……買うしか!
以前『エロティックジャポン』という本をジャケ買いした時に、その美しい装丁の絵を描いたのが山本タカトさんだと知り、以後気になり続けていたので。
影のある芸術作品には、どうしても心惹かれてしまいます。恐ろしいもの、気持ち悪いもの、知らないもの、ミステリアスなものたちを追いかけていく中で、自分の作曲活動にヒラメキを貰うこともあります。画集衝動買いの癖もしばらく止められなさそうです。