続いてポールの登場。ポール・マッカートニーと言えばリンダ、である。67年5月にビートルズの『サージェント・ペパーズ~』完成記念パーティで再会してから2年後に二人は結婚。ビートルズ解散後、ウイングスを結成したポールは素人のリンダをバンドに引き入れ、リンダが98年に56歳で亡くなるまで、長年連れ添った。60年代にリンダは、ローリング・ストーンズやザ・フー、キンクス、ドアーズ、ジミ・ヘンドリックスなどを撮影する“カメラウーマン”でもあったので、その腕を活かし、76年に最初の写真集『Linda's Pictures: A Collection of Photographs』を刊行。その後もポールがらみの写真集を多数発表している。
MATEY FOR EIGHTY
1979年12月01日
Linda McCartney 撮影
MPL Communications
そうした中で、ふつうなら、上記の写真集か『Photographs』(82年)、『Linda McCartney's Sixties』(92年)、『Light from Within: Photojournals』(2001年)をまず挙げるところだが、ここでは79年に出た本書を紹介することにした。理由はいくつかある。まず、ビートルズ専門店『Get Back』が82年12月8日に高田馬場にオープンしたその初日に“ジャケ買い”したものだということ(4260円は安くはなかったけど)。息子ジェイムズ(当時2歳)と一緒に写る、アルバム『マッカートニー』の裏ジャケを思い起こさせる体裁も良かった。何より、写真付きのカレンダーという体裁が素晴らしかった。この手のシリーズは78年以前にもあり、中でも76年度版『Linda's Pix For Seventy Six』(ジョンとリンゴも登場)はウイングス・ファン必携だ