時に静かに、時にアグレッシブに!いつの時代も、アウトドアレジャーの王道であり続ける「釣り」。本記事ではそんな「釣り」の魅力がたんまり詰まった名作釣り漫画5作を紹介したいと思います!
『釣りバカ日誌』は、万年ヒラの冴えないサラリーマンの主人公、ハマちゃんこと浜崎伝助と、彼の良き釣り友達にしてハマちゃんの勤める会社社長、スーさんこと鈴木一之助の二人が中心になって繰り広げる、釣りにまつわる様々なトラブルや人情劇を面白おかしく描いた作品です。
ドラマ化、映画化、さらにはアニメ化まで果たした釣り漫画の有名作ですね。原作は1979年から継続して「ビッグコミックオリジナル」(小学館)にて連載中という、大変な長寿漫画でもあるのです。
- 著者
- やまさき 十三
- 出版日
本作は釣りをきっかけとした人間ドラマが物語の中心となります。ハマちゃんとスーさんの出会いにしても釣りがきっかけとなっていますし、知り合った釣人が取引先のお偉いさんで、それがきっかけで商談が成立するなど、読んでいて痛快な気分になれます。『釣りバカ日誌』は、世代を超えた普遍的な面白さを持った作品と言えますね。
また本作最大の見どころといえば、ハマちゃんとスーさんのドタバタ交じりの友情劇です。年齢、立場は全く違えど、親友と言えるほど仲がいい二人。趣味を同じくする友達っていいもんだなぁと、しみじみ再認識できる作品でもありますね。
『釣り屋ナガレ』は、釣りで旅費を稼ぎながら日本中を放浪する中学生の「釣り屋」、流氷馬(ながれ ひょうま)が、全国各地の人々との交流と、先々で遭遇する事件を釣りを絡めて解決する姿を描いた一大釣りロマン漫画です。
本作は「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて、2008年6号に読み切りが掲載された後、同年35号から正式んに連載開始、一時の休載を挟んで2011年7号まで連載されました。また、コミックスが全11巻発売されています。
- 著者
- 竹下 けんじろう
- 出版日
- 2009-03-06
一般的に釣り漫画というと、凄い竿を振り回し、凄い技術を駆使して、どでかい魚を釣り上げる!といった展開を想像しがちになりますが、今作ではそういった派手描写はほとんど見られません。主人公氷馬は、竿を使った釣りだけでなく、時としてゴミを利用した釣りを行うなど、とても現実的な描写が目立ちます。
しかし、現実的に描かれる釣り描写では、躍動感あふれ、釣りを心から楽しむ主人公が描かれており、釣りを知らない人間でも楽しさが伝わってくるようです。
本作のストーリーは、「命」や「友情」に重きを置いたややシリアスなものが多いのですが、爽やかな作風であるため必要以上に重くなり過ぎず、とても読みやすいのが良点ですね。
最後に、本作で忘れてならないのはやたらと飛び交うお色気描写です!作中登場する少女らが全裸になるのは当たり前、気づけば少年まで全裸になったりする始末……本作で「釣る」のは、なにも魚だけではないという事でしょうか……?
『釣りチチ・渚』は、神奈川県・江の島高等学校の不良にして凄腕の釣り師、「釣りチチ・渚」と呼ばれる主人公深海渚(しんかいなぎさ)と、彼女が所属する弱小サークル「釣り部」が湘南の自然を舞台に繰り広げる釣り漫画です。本作における1巻の終盤からは、釣り部の全国大会「釣り甲子園」での渚らの奮闘が描かれており、これが物語の主軸となっています。
本作は「月刊サンデーGX」(小学館)で2009年4月号から2012年3月号まで連載され、コミックスが全5巻発売されています。
- 著者
- 佐藤 まさき
- 出版日
- 2009-11-19
一見タイトル通りのお色気描写にばかり目が行きそうな作品ですが、そこはやはり釣り漫画。餌付けや竿の振り方から、魚に関する豆知識、湘南の釣り場紹介など、タイトルからは想像できない(失礼?)、至って真面目な釣り描写が魅力です。ですから、釣りの初心者や知識が無い人でも楽しめる作品であります。
また本作の大きな特色としては、釣り漫画であると同時に部活モノの側面を持っているという点が挙げられます。序盤の終わりから始まる「釣り甲子園」では、全国各地の強豪釣り部が登場し、渚らと激闘を繰り広げます。釣りドル・通天閣茜率いる関西西高等学校、謎の少女・堺神耶擁する明倫館高等学校、全国大会優勝常連の強豪、富士ヶ浜高等学校など、一癖ある個性豊かな登場高校が物語に彩りを添えます。
釣り漫画でありながら部活モノであるという本作では、釣りに情熱を注ぐ登場人物らがとても生き生きと描かれており、見てる方も釣りがやりたくなること請け合いです。
釣り、巨乳、部活……多くの要素を一度に楽しみたい、欲張りな人には必見の釣り漫画と言えましょう!
『釣りキチ三平』は、魚釣りが大好きな凄腕の「釣りキチ」、三平三平(みひらさんぺい)少年が日本中、さらには世界中を巡り、様々な魚釣りに挑戦していく姿を描いた長編釣り漫画です。
本作は1973年から1983年まで「週刊少年マガジン」(講談社)にて長編を、「月間少年マガジン」(同)にて短編を同時連載するというスタイルで発表され、コミックスは全65巻が発売されている大長編漫画となっています。
風景や魚の優れた写実的描写から、「自然派漫画」の代表格としての側面も持った作品でもありますね。
- 著者
- 矢口 高雄
- 出版日
- 2000-07-12
本作が名作たるゆえんは、他の追随を許さぬ圧倒的な「リアリティ」です。「伝説の魚」「幻の怪魚」といった架空の存在を除き、現実に登場する魚についてはほとんど作者自身が実際に釣り上げた経験がある事から、写実的な釣り描写には定評があります。また、本作の釣りスポットの多くは実在のポイントであるという事も、リアリティ向上に一役買っています。
また、釣りについても昔ながらのヘラブナ釣りから海釣り、連載当時は日本で珍しかったフライ・フィッシングなど多岐にわたる他、時には漁や狩猟など、自然環境問題がテーマとなる回もあるなど、釣りに関して取り上げていないジャンルは無いのではないかと思えるほどバラエティ豊かな展開が最大の魅力です。これが全65巻の長寿作品となりえた理由でしょう。
かなり古い作品ですが、その魅力は今も色褪せることはありません。釣り好きならば一度は読んでおくべきバイブル的作品と言えるでしょう!
最後に余談ですが、作品の主人公である三平三平(みひらさんぺい)君は設定上11歳とされています。しかし、学校に通っている描写はほぼ皆無。彼は一体いつ学校に通っていたのか、そしてまともに卒業できたのでしょうか……?
『はじめての釣り』は学研まんが入門シリーズの一作で、今回紹介する中でもタイトル通り「釣り入門」に特化した一冊です。
釣りには興味があるけど、何から始めたらいいかわからない!どんな道具を用意したらいいのか、どんな技術が必要なのか……こんな具合に、釣りを始めるにあたって何かと敷居が高く感じますが、そんな時は本作を一読しましょう!これらの疑問が解消できること間違いありません。
- 著者
- ["上地 優歩", "高橋 大河"]
- 出版日
- 2016-06-07
本作では釣りの基本として竿や浮き、おもり等の道具の準備方法、仕掛けやえさの用意から始まり、防波堤釣りや川釣り、更には船釣りの方法までもが紹介されています。また漫画だけでなく、丁寧な説明が写真と共に豊富に紹介されており、ビジュアル性も満点です。
子供向けの入門編としてはもちろん、お子さんと一緒に釣りを始めたいという親御さんにもおすすめの一作です。これを機に家族そろって釣りライフを満喫、というのも面白いですね!!
以上、古今東西よりおすすめの釣り漫画5作を紹介いたしました。釣り好きのあなたも、これから釣りを始めたいというあなたも、これらを読んで釣りに出かけてみてはいかがでしょうか?