思いつつ、嘆きつつ、走りつつ、
私の3rdシングル「Hello Yellow!」の作詞をしてくれたクミコンさん。初めてお会いした時、目を見て一言二言話しただけで、すべて見透かされたような感覚になったことを覚えています。
このエッセイ集は、クミコンさんのエネルギーの源とユーモアの塊だなと思います。詩に対する思い、学生時代のこと、音楽のことなどが書いてあり、「こんなことがあってね」とお茶を飲みながら直接話を聞かせてもらっているような本です。
読んでみて、自分を支えてくれている人たちのことや身の回りの大切にしていることについて考えました。もっともっと赴くままに素直でいようと思わせてくれる作品です
原宿百景
以前、雑誌『SWITCH』で連載されていたエッセイが単行本化されたものです。単行本では原宿三十三景が載っています。
小泉今日子さんと共に刻まれた原宿の景色が、自分がイメージしていた原宿とはまったく違うことに驚きました。“今現在”が、未来には古き良き時代と呼ばれるようになる可能性が大いにあるのではないかと感じました。出版当時44歳のキョンキョンだって、苦手だと思っていた原宿だってこんなに美しいのだから。
どんなにしわくちゃな未来が待っていようと、私は年を重ねるのが楽しみで仕方がありません。
帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。
このタイトルを見てすぐに浮かんだのは、ハナレグミの『帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』というアルバム。私はこのアルバムが大好き。
こちらは、料理研究家の日常とレシピを垣間見ることのできるエッセイ集です。書店でタイトルに目を惹かれて本を開いてみたものの、立ち読みするものではないなと思い、買って家で読みました。でも、本当を言うとプロローグを少し立ち読みしました(笑)。その一節に“ひとはなんで、悲しい時でもたべものを食べられるんだろう。”とあって、私は本を閉じたのです。やはりじっくり静かに読むべきものでした。
人はどんな時でもお腹がすくし、食べることは生きることと等しい。心のこもった料理は人と人を繋げる力があります。いつか高山さんにお会いしてみたいと思いました。ひとつひとつの出来事に寄り添うような料理、魅力的です。