一瞬を大切に生きる、強く美しき女性たちの本

一瞬を大切に生きる、強く美しき女性たちの本

更新:2021.12.13

足跡は、歩けば後ろについて来るもの。生きていれば、その日々は物語になる。その主人公はいつだって自分自身であることに、人々は気づいているのでしょうか。世界は自分を中心に回っている、とかそういうお話ではありません。一日一日をどんな風に作り出すかは、一秒毎に起こりうる出来事に身を置かれた私次第だなと常々思うのです。予行練習のない人生、一秒たりともサボれない。 今回選んだ本は、一日一日、一秒一秒を大切に生きているんだなと感じた、私が思う強く美しき女性たちの本です。

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思いつつ、嘆きつつ、走りつつ、

著者
高橋 久美子
出版日
2013-02-20
私の3rdシングル「Hello Yellow!」の作詞をしてくれたクミコンさん。初めてお会いした時、目を見て一言二言話しただけで、すべて見透かされたような感覚になったことを覚えています。

このエッセイ集は、クミコンさんのエネルギーの源とユーモアの塊だなと思います。詩に対する思い、学生時代のこと、音楽のことなどが書いてあり、「こんなことがあってね」とお茶を飲みながら直接話を聞かせてもらっているような本です。

読んでみて、自分を支えてくれている人たちのことや身の回りの大切にしていることについて考えました。もっともっと赴くままに素直でいようと思わせてくれる作品です

原宿百景

著者
小泉今日子
出版日
2010-07-23
以前、雑誌『SWITCH』で連載されていたエッセイが単行本化されたものです。単行本では原宿三十三景が載っています。

小泉今日子さんと共に刻まれた原宿の景色が、自分がイメージしていた原宿とはまったく違うことに驚きました。“今現在”が、未来には古き良き時代と呼ばれるようになる可能性が大いにあるのではないかと感じました。出版当時44歳のキョンキョンだって、苦手だと思っていた原宿だってこんなに美しいのだから。

どんなにしわくちゃな未来が待っていようと、私は年を重ねるのが楽しみで仕方がありません。

帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。

著者
高山 なおみ
出版日
2009-04-10
このタイトルを見てすぐに浮かんだのは、ハナレグミの『帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』というアルバム。私はこのアルバムが大好き。

こちらは、料理研究家の日常とレシピを垣間見ることのできるエッセイ集です。書店でタイトルに目を惹かれて本を開いてみたものの、立ち読みするものではないなと思い、買って家で読みました。でも、本当を言うとプロローグを少し立ち読みしました(笑)。その一節に“ひとはなんで、悲しい時でもたべものを食べられるんだろう。”とあって、私は本を閉じたのです。やはりじっくり静かに読むべきものでした。

人はどんな時でもお腹がすくし、食べることは生きることと等しい。心のこもった料理は人と人を繋げる力があります。いつか高山さんにお会いしてみたいと思いました。ひとつひとつの出来事に寄り添うような料理、魅力的です。

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    バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。

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