言葉遊びを楽しめる、おすすめの絵本5選!ひらがなを学ぶきっかけに

更新:2017.5.19

文字を覚えることはその後の勉強の第一歩。できればその第一歩を子どもの興味を引き出す方法で踏み出し、学ぶことの楽しさも伝えてあげたいですよね。今回は、子どもが自分で文字に興味を持てる様、言葉や文字の持つ面白さを存分に描いた絵本をご紹介します。

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美味しい食べ物が盛りだくさん!目にも楽しい絵本

子どもが大好きなしりとり遊びの絵本。でも、ただのしりとりではありません。しりとりに使っていいのは食べ物の名前だけ。しかも「あ」から始まりいくつかの食べ物を経て、最後は「い」で終わる食べ物へ。そして次のページは「い」から始まる食べ物で始まり「う」で終わる食べ物に続いていく……。なんと50音全ての文字へと続いていくのです。しかも50音が終わったら、今度は全ての濁音、半濁音へと続きます。

「ん」が付いてしまうと、しりとりの番犬が「ん」を捕りにくるのですが、こんなに多くの言葉が出てくる中で「ん」が付くのは何とたった7回!こんなに食べ物の名前を探すだけでも大変なのに、更にしりとりにしてしまうなんて……。完成度の高さに驚かされます。

中にはいかめしやむぎせんべいなどのマニアックな物から、ヘルシーサラダやヤシの実など、これはありなの!?と思う物まで登場しますが、突っ込みどころがある部分もこの絵本の楽しみの一つになっているんです。

著者
さいとう しのぶ
出版日

食べ物を擬人化した、可愛らしい絵が活躍するしりとりの世界。しりとり遊びの楽しさだけではなく、食べ物達がみんなでバスに乗ってピクニックに行き、公園で遊ぶ様子。学校に行って勉強をして給食を食べて体操をする様子など、ページをまたいで展開していく物語も面白く、いくつもの楽しみ方ができる絵本です。

食べ物達の物語を楽しみながら文字に興味を持ち、そのうちにしりとりのルールも覚えていく。発達や興味に合わせて長く楽しむことができますよ。

最後のページには「しりとりしましょ!」の楽譜も載っていますので、家族や友達同士で歌いながら遊ぶのも楽しいですね。

短い言葉とそれに合った絵で物語を作り上げる、ストーリーも楽しめる一冊

リズミカルで子どもの頭にすっと入ってくる言葉とユーモラスで温かな絵のタッチが人気の五味太郎が描く、子どもの為の言葉絵本です。

主人公は一匹のさる。「さる・くる」から始まるお話は、さるが木を見上げる「さる・みる」、木を蹴って実を落とす「さる・ける」、落ちてくる実を捕る「さる・とる」、捕った実を他の動物に売る「さる・うる」と続きます。

うさぎの持っている竹馬と実を物々交換したさる。前を歩いていたつると竹馬に乗りながら競争することになりました。つるとの競争に必死なさるのちょっと残念な結末とは……。

著者
五味 太郎
出版日

「さる・~る」という名詞と動詞で完成する文章が14個も書かれたこの作品。短い言葉の繰り返しですが、その一言一言に愛らしい絵が描かれ、全てが物語としてつながっています。その計算された言葉とストーリーとの連動は、さすが五味太郎と感心してしまうほど。

物をもらうことを「える」、競うことを「せる」など子どもには少し難しい言葉も出てきますが、絵が描かれているので文章で説明されるよりもむしろ分かりやすいようです。一つひとつの言葉によって、さるの表情が変わる様子も可愛らしく、予想外の結末には大人もつい笑ってしまいます。

同じ「さる・るるる」シリーズとして『さる・るるる―ONE MORE』『さる・るるる・る 』『さる・るるるspecial』も発売されていますので『さる・るるる』にはまったらぜひ読んでみてくださいね。

言葉の面白さを存分に引き出した一冊

一度見たら忘れられない絵のタッチと子どものツボを得たストーリーが人気の中川ひろたかが描く、言葉遊び絵本です。

題名の通り、「こんにちワニ」で始まるこの絵本。左のページから右のページへと言葉が続いていくのですが、その後に必ず笑える一言とこれまた笑える絵が描かれています。「どうもすみま」に続くのは「せんぷうき」。扇風機がお辞儀をしている絵が描かれています。ポン酢を持ったお母さんが「じゃんけんポン酢」と言えば醤油を持ったお父さんが「あいこでしょうゆ」と答え……。とにかく笑わずにはいられません。

言葉の楽しさを感じる第一歩の絵本としてピッタリの作品です。

著者
中川 ひろたか
出版日

一見するとダジャレ集のような絵本ですが子どもの面白いツボを押さえていて、とにかく子どもが楽しんで読めること間違いなしです。そして「そう来るか」という予想外の言葉の繋がりもあるので大人も楽しめます。つまり親子で笑ってしまう絵本なのですよね。

ユーモア溢れる言葉と絵のコラボレーションで、言葉の持つ面白さが存分に引き出された一冊。ぜひ親子で楽しんでみてください。
 

50音を独特の世界で描いた、何度も読み返したくなる一冊

詩人としても広く知られる、谷川俊太郎が描く一味違う50音の世界です。

へのへのもへじの表紙からも、普通の言葉絵本ではないなと読み取れるこの絵本。開いてみるとなんとも色鮮やかで、言葉をアートの一部のように描いた独特な世界が広がっています。

初めは少しおとなし目の「あいうーえーお」。色とりどりの円が綺麗に描かれています。そして衝撃的な「かきくけっこ」。言葉では表現しきれないのですがとにかくアートです。その後も、はじける様な花火が描かれた「ぱっぴっぷっぺっぽっぽっぽ」、様々な渦巻きが描かれた「らららりらるられらろ」など不思議な言葉たちが、妙にしっくりとくる色鮮やかなイラストと共に登場します。

こんな風に50音に色や形があったら面白いだろうなと想像力が刺激される一冊です。

著者
谷川 俊太郎
出版日
2009-06-10

短い言葉の中に絵とシンクロする面白さがあり、何度読んでも新しい発見がある絵本です。

日本語は本当はこんなに面白くこんなにアートで、文字の響きや形をもっともっと楽しむことができるのですよね。50音をただ覚えるだけでは勿体ないと作者に言われているような気持ちになります。

「ことばのえほん2」という題名の通り、谷川俊太郎が描く言葉絵本としては2作目の作品となります。興味を持った方は、1の『ぴよぴよ』、3の『あっはっは』もぜひ親子で楽しんでみてくださいね。それぞれ違った面白さがありますよ。

身体を使って文字を表現、真似してみたらより楽しめるかも!?

身体を使って文字を表現する人文字。その人文字をコントや人形劇そしてダンスパフォーマンスなど幅広く活躍するダンス集団コンドルズが、身体を張って表現した写真を掲載した写真絵本です。

身体を直角に曲げて現した「く」から始まるこの絵本。写真と共に、文字の作り方がリズミカルな言葉で描かれています。文章の中には一文字だけ色の違う文字が……。これが次に人文字で表す文字となります。

文章と共に作られる人文字は全部で10個。一人で作る文字だけではなく二人、三人でそして四人で作る文字まで。その姿はもはや芸術です。最後のページにはなんと、50音全てを人文字で表した50音表が掲載されていて、そのクオリティの高さに感心させられます。

著者
近藤 良平
出版日
2015-11-04

人文字を作る出演者の皆さんが、本当に楽しそうに挑戦していて見ていて楽しさが伝わってくる絵本です。実際は高度な身体の動きやバランスの保ち方が必要で、なかなか難しいとは思いますが、簡単な文字でしたら子どもにもできるかもしれませんね。身体を使って文字を覚える、なかなか斬新です。

リズミカルな文章もすらすら読めて耳に残ります。色の違う文字が次のテーマになるという工夫も面白いですね。

子どもと一緒に感心したり、笑ったり……。新しい文字の楽しみ方が見つかるはずですよ。

言葉や文字への興味を引き出す絵本をご紹介しました。日本語の持つ面白さを様々な形で表現した作品は、目で見て身体で体験して声に出して、楽しみ方は無限大です。短い言葉の中に秘められた面白さをぜひ親子で感じてみてくださいね。きっと、文字を覚える良いきっかけになるはずですよ。