イヤミスとは、読んだ後にイヤ~な気持ちになるミステリーのこと。怖いもの見たさとはよく言ったものだが、後味の悪さが止められないと人気のジャンルだ。作者の悪趣味である裁判の傍聴にも相通ずるものがある。人の皮一枚下の中身を見たい、というのは誰しもが常に抱える願望だが、それは不体裁であったり未知の恐怖を包含するほどに、不気味な引力を持ってしまうのだ。
愛こそが人間の究極の目標であるのなら、そのためには何を犠牲にしても構わない……自らの手で殺めた女性との行為を、美しく切ない究極の愛の儀式だと気づいた男。次第にエスカレートし、陵辱と惨殺を繰り返す。
- 著者
- 我孫子 武丸
- 出版日
- 1996-11-14
同じ殺人事件の、一方は加害者、もう一方は被害者の独白。 そこそこ豊かな家庭で育ち、末っ子で甘やかされた穏やかな男と、貧しい家に生まれ育ち、会社でも家庭でも居場所のない男。兄弟以上の絆で結ばれていた2人の間に、軋轢など生じるはずがなかったのだが……。
- 著者
- 乃南 アサ
- 出版日
保険金目当てで家族に手をかけてゆく母親。巧妙な殺人計画、殺人教唆、資産収奪ののち、末娘だけが生き残った。徐々に見えてくる事件の真相は、読者を鮮やかに裏切っていく。
- 著者
- 深木 章子
- 出版日
- 2014-04-15