本当はずっと信じてたい、ドラゴンにまつわる本

更新:2016.4.2

私の中二病全盛期は小学5~6年生の時だったんだけど、その時自分は伝説のドラゴン使いであるという設定を勝手に作っていた。死にたい。それくらいドラゴンが好きだった。たくさん調べてたくさん描いた。きっと私以外にも子供時代にドラゴンの存在を信じ、思いを馳せていた人々は少なくないだろう。今回は私がその頃気に入って何度も読んでいた本・漫画の中で最近もう一度読み返し、特によかったものを紹介する。

ブックカルテ リンク

少女と竜の長い旅路

著者
キャロル・ウイルキンソン
出版日
2006-09-15

舞台は中国、漢王朝。宮廷の龍を世話する奴隷の少女「ピン」は、残り一匹となった宮廷龍「ダンザ」の声を唯一聞ける存在になる。タンザは龍を殺すドラゴンハンターの標的になり、その手から逃れるべくピンを背に乗せ、二人は「蓬莱島」を目指し長い旅に出る。初めて読んだハードカバーの本。

ネズミのフアしか友達がいなかった奴隷のピンは、ダンザと心を通わせ、「気」も使えるようになり、次第にセリフも柔らかくなってゆく。

長い旅の中にはたくさんの登場人物も出てくるのに、なんだかこの物語の中で色がついているのは少女と龍だけのような気がするのはなぜだろう。物語を一貫して「死」のにおいと冷たさ、そして恐ろしさと紙一重の美が充満している。最後の章では雨上がりのようにひんやりとした爽やかさに包まれることができる。

ぜひ時間をかけてじっくり読んで欲しい一冊。

新しすぎたファンタジー系ラブコメ

著者
松本 夏実
出版日

『ヴァンパイア・KISS』『夢色パティシエール』等で知られる松本夏実先生の、個人的最高傑作はもう絶対これ。

ひょんな事から体にドラゴンが取りついてしまった拳法の達人・仙堂桃花が、同じ高校に通う呪術と占いの達人・煌竜牙と共に妖怪や幽霊と戦う話。もうすでに「は?」って感じだとは思うんだけど、これが本当に面白い。

設定詰め込みすぎなように見えてそれがちゃんとスッと入ってくるように一話一話がすっきりまとまっている。もちろんちゃんと笑える。

そしてこの漫画の一番の見どころは何と言っても、松本先生の描くいきものの美しさである。何度も登場する龍はもちろん、魚や鳥もさわりたくなるような美しさがある。細かくごちゃごちゃしていないのに愛の濃さと深さがひしひし伝わる。2000年代特有のノリとだいぶぶっ飛んだ設定が入り乱れているカオスさ、全8巻。

私は桃花に憧れて中学校で拳法部に入った。罪深い。

すべてのドラゴン愛好家に向けた、魔法の専門書

著者
出版日

もうこれが一冊あれば、ドラゴンと接するにあたって怖いものはない。ドラゴンの種類や乗り方、呼び出すための呪文まで書いてある。どれもこれもめちゃくちゃ細かく書いてある。もうドラゴンが存在する世界の本をそのまま現世に引っ張ってきてほんとうにそのまま出版しているような感じ。

これほど少年少女の心を掻き立て、家族がだれも家にいないことを確認して呪文を叫びたくなる気持ちにさせる本はそう多くはない。

もちろん少年少女だけではなく、ドラゴンが好きな大人たちにも強くお勧めしたい。特に絵を描く方々にとっては結構いい資料になるだろう。種類ごとの特徴や骨格・筋肉構造からライフサイクルまでカラーイラスト付きでたっぷりと書いてあるし、うろこや翼膜のサンプルも触れるように貼り付けてある。

極めつけは魔法の粉のサンプル。いったい何人の子供たちがこれをビニールから取り出し、部屋にばらまき、お母さんに怒られただろう。

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