おばけは怖い?いえいえ怖いおばけばかりではありません。可愛くて愛嬌たっぷりのおばけは子どもの人気者です。今回は、可愛らしいおばけが登場する絵本をご紹介します。ワクワクするおばけの世界をぜひ覗いてみてくださいね。
日本中の子ども達に知られる童謡「おばけなんてないさ」。1966年にNHKの番組「みんなのうた」で放送され有名になった童謡です。子どもの頃に歌ったことがある方も多いのではないでしょうか?
長くに渡って子ども達に愛され続ける名曲のストーリーを、温かな貼り絵で表現し何とも楽しい絵本に仕上げたのは、「おばけのえほん」シリーズや赤ちゃん絵本を多く手掛ける、せなけいこ。歌の世界が生き生きと描かれています。
描かれているのは童謡の5番までのストーリー。1番、2番は聞いたことがあっても最後までは知らないという方もいるかもしれませんね。初めは怖がっていた男の子も陽気に歌うおばけにつられ、笑顔で友達に。冷蔵庫に入って震えているおばけや、男の子と手をつなぐおばけはユーモラスで可愛くて、怖さも吹き飛んでしまいます。
でも、登場する男の子はやっぱりちょっとおばけが怖いみたい。この絵本を読んだ皆さんは、おばけが怖くなくなったでしょうか?
- 著者
- ["槇 みのり", "峯 陽"]
- 出版日
子どもにとって、おばけは怖い存在。しかしそんな気持ちを吹き飛ばしてくれるのがこの童謡です。おばけを冷蔵庫に入れてしまったり、友達になって一緒におやつを食べたり……。ユニークなおばけがたくさん登場します。せなけいこならではの貼り絵で描いたおばけたちが、更に温かさを感じさせてくれますよ。
最後のページには童謡「おばけなんてないさ」の楽譜も掲載されていますので、ぜひ歌いながら読んでみてくださいね。おばけが怖くなったらこの絵本のおばけを思い出して、大きな声で歌えばきっと怖さも吹き飛ばしてくれるはずです。
演奏が大好きなおばけ達の陽気で愉快なお話です。
主人公は、ハーモニカが好きなちいさなおばけ。ある日ハーモニカを吹いていると、楽器が得意なたくさんのおばけ達が一緒に合奏をしようと訪ねてきます。バイオリンが得意な木のおばけにオーボエが得意な水のおばけ、ギターが得意なサボテンおばけにハープが得意なおばけぐも。みんな揃って合奏していると、また新しい仲間が加わったようですよ。
おばけ達の合奏が本当に聞こえて来るような、ワクワクした気持ちにさせてくれること間違いなしです。
- 著者
- たむら しげる
- 出版日
- 2004-05-20
何ともユーモラスで可愛いおばけ達。そして鳴らす楽器の音がまた楽しくて、読んでいるうちに自然とリズムを刻みながら身体が動いていることに気が付きます。
そしてついには、おばけだけではなく動物も虫達も集まってきます。みんなで踊る賑やかで楽しそうなダンスパーティー。ぜひ参加してみたいものです。
おばけの怖さを忘れさせてくれる、素敵なおばけ達に癒されますよ。
優しいイラストと、切なくも温かいストーリーが子どものみならず大人の心にも響く名作です。
主人公は美味しいケーキを作って、みんなをビックリさせることが好きなちょっと変わったおばけ。夕方になり、ケーキをたくさん作るととケーキ屋さんを開店させます。
早速やってきたのは、小さな女の子。なんだか不機嫌そうな顔をしています。美味しいケーキを食べればきっと笑顔になるはずと、ワクワクしながらケーキを差し出しますが、女の子は美味しいケーキにちっとも驚いてくれません。美味しいけれど、パパが作るケーキと同じくらいと言うのです。女の子のパパにライバル心を抱いたおばけは、月に一度ケーキを食べに来てくれるようにお願いをします。毎月とっておきのケーキを作って女の子を待つおばけ。でも女の子の答えはいつも同じです。
時には女の子と一緒にケーキを作り、たくさんおしゃべりをしながら楽しい時間を過ごすうちに、女の子は毎日お店に遊びに来るようになっていました。そして長い年月が経ったある日、女の子はおばけに告げます。明日、結婚して遠い町へ引っ越すので、もうここには来られないと……。
女の子との楽しかった日々を思い出しながら、女の子への最後のケーキを作るおばけ。おばけの思いとケーキは女の子に届くのでしょうか?多くの人の心を震わせたラストで明かされる秘密とは……。
- 著者
- SAKAE
- 出版日
- 2013-12-21
可愛らしいおばけと女の子のキャラクター、水彩絵の具で描いた淡く色鮮やかな背景が優しい雰囲気を醸し出し、見ているだけで幸せな気持ちにさせてくれます。そしておばけが作るケーキがどれも本当においしそうで、目にも楽しい作品です。
初めは不機嫌そうな様子だった女の子がおばけとの関りの中で笑顔を見せる姿、そしてラストで明かされる女の子が抱えていた秘密。その全てが胸に迫り、大人にも人気の作品であることも納得です。
ぜひ、親子で感動の物語に浸ってみてくださいね。
フランス人作家ジャック・デュケノワが描く「なかよしおばけ」シリーズの一冊であるこの作品。愉快なおばけ達が見せてくれるおちゃめな姿は多くの子ども達を虜にしています。
登場するのは、7人のおばけ達。古いお城で晩餐会をすることになりました。ホスト役はお料理上手なおばけのアンリ。カクテルにスープ、お魚にサラダにチーズと美味しい料理が続き皆は大満足です。食べる度に身体が食べた物の色や形になってしまうのはご愛嬌。
そしてメインディッシュの特別メニュー。何が材料か分からない料理だけれど、とても美味しいようです。でも食べるうちに、身体が透明に。ついには全く見えなくなってしまいましたよ。
おばけ達が元に戻るおばけならではの方法とは?
- 著者
- ジャック デュケノワ
- 出版日
怖さからはかけ離れた、何とも可愛らしくユーモアたっぷりのお話です。
色とりどりのカクテルを飲むと、おばけも色とりどりの綺麗な色になり、サラダを食べると黄緑色の葉っぱのように、チーズを食べると黄色で穴あきの体に……。それでも当たり前のように食べ進めるお化け達の様子が面白くてついつい笑ってしまいます。
そして透明になってしまっても、息を合わせて丁寧に片づけをするおばけ達。姿こそ見えませんが仲の良い様子が見えるように感じますよ。元に戻る方法は、さすがフランスの作品と感心するくらいおしゃれです。
こんなおばけのパーティーなら、ぜひ参加してみたいですね。
ドラキュラにミイラ男、座敷童に砂かけばばあ、ろくろっ首に一反木綿。世界各国、日本各地のおばけや妖怪達がなんと72種類も登場する、おばけや妖怪好きにはたまらない作品です。
案内役はちょうちんおばけ。たくさんのおばけや妖怪は長い列を作って並んでいます。皆とても楽しみにしているようですよ。しかし、大人しく待っているだけではありません。小豆とぎと砂かけばばあはけんかをしていますし、風神は皆が飛ばされそうになるほどの風を起こしてしまうし……。
そしてやっとたどり着いた、待ちに待った行列の先。おばけや妖怪達を待っているお楽しみとは?
- 著者
- オームラトモコ
- 出版日
- 2012-06-16
これでもかというほど登場するおばけや妖怪達。一般的に良く知られているおばけもいれば、マニアックで初めて聞く人が多いのでは?というおばけもいます。その全てがユーモラスで、特徴をよく描いているにも関らず愛嬌があって、ちっとも怖くありません。こんなおばけ達になら出会ってみたいですね。
そして、行列の先でのお楽しみ。皆の幸せそうな表情に心が和みます。私たちが知らないだけで、おばけや妖怪はこんな風に皆で楽しく暮らしているのかもしれないと思わせてくれる作品です。
最後のページには、登場したおばけ達の名前と説明書きが載っています。全部読めばおばけ、妖怪博士になれるかもしれませんね。
可愛くてユニークなおばけ達が登場する絵本をご紹介しました。どれも、おばけが怖いと思っている子ども達の恐怖心を吹き飛ばしてしまう様な作品ばかりです。愛嬌たっぷりのおばけの面白さに笑い、優しさに溢れる物語に涙しながら怖さとはまた違うおばけの魅力に触れてみてくださいね。きっと不思議な世界を覗いている様な気持ちに浸れるはずですよ。