何でもかんでも全力で嫌がる1、2歳頃のイヤイヤ期の子供たち。嫌だと言われて最も厄介なものは、お風呂など生活習慣に関するしつけではないでしょうか。そのようなイヤイヤ期の子供たちの心が和らぎ、きっとお風呂に入りたくなる5冊をご紹介します。
主人公のまこちゃんはお風呂が大好き。いつもあひるのプッカを連れてお風呂に入ります。
ある日いつも通りお風呂で洗っていると、なんと湯船の底からカメが!海や川と間違えて迷いこんだらしいカメを筆頭に後から後からどんどん動物がやってきて……。
遊びだすペンギン、曲芸の得意なオットセイ、次々と動物が増え、まこちゃん家のお風呂は大騒ぎ。みんなで仲良くお風呂に入るのです。
- 著者
- 松岡 享子
- 出版日
- 1982-04-30
遊びだす動物がいたり、きれい好きで体の洗浄を頼む動物が登場したり。体をきれいにするという目的と共に、お風呂が楽しい場所であることを伝えるのにピッタリな絵本です。
お気に入りのおもちゃと入浴するといったよくある日常から、動物たちがお風呂に続々と入ってくるという完全にあり得ない世界へと物語が進んでいきます。夢のような話に、大人でもワクワクしますよ。水が嫌、洗われるのが面倒で嫌、など様々な理由でお風呂を嫌がるイヤイヤ期の子供たちも、「もしかしたら自分の家のお風呂にも……」とお風呂にチャレンジできるかもしれませんね。
動物たちはおかあさんの声を聞いて姿を消してしまいます。湯上りタオルを持って待っていてくれるおかあさんの胸に飛び込んで終わるラストはとてもほっこりとした読み心地が味わえるでしょう。
『いないいないばあ』『おさじさん』など世代を超えて支持されている「松谷みよ子あかちゃんの本」シリーズの一作です。
タオルと石鹸を持ちお風呂に向かうあひるちゃん。あひるちゃんを追いかけるように急いでお風呂の支度をします。さあ、一人で仕度できるかな?
- 著者
- 松谷 みよ子
- 出版日
- 1970-05-05
単純で分かりやすいストーリーと、「いいとこ いいとこ」「はやく はやく」などテンポの良い繰り返し言葉で子どもの興味を惹きつけます。柔らかい言葉遣いの会話で物語が構成されていますので、お風呂に入ることだけでなく、本の読み聞かせまでもイヤイヤというお子さんの耳にも入りやすいでしょう。
登場人物のあひるちゃんはお風呂おもちゃの定番、そして最後に登場するきゅーぴーさん(髪の毛をひとまとめにしてツンとたてる)は子供たちが真似しやすいものです。「うちのお風呂でもあひるちゃんが呼んでるよ」「○○ちゃんもきゅーぴーさん」などとお風呂に入りながら真似してみるのも楽しいですね。
「子育てが大変でなかなか絵本を買いに行く時間もない」「読み聞かせの時間がなかなか取れない」「家で仕事をしている間、1人で絵本を読めるようになってほしい」。絵本をたくさん読んで欲しいとは思いつつ、なかなかそんな環境を整えるのも難しいですよね。
絵本アプリ「みいみ」は、さまざまな絵本を「親の声」や「子どもの声」で吹き替えすることができるアプリ。1ヶ月は無料で使うこともできるので、この機会に試してみてはいかがでしょうか?
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ちょっとやんちゃなくまくんが主人公の「くまくんの絵本」シリーズの一作です。
どろんこになったくまくん。イヤイヤしながらもママに連れられてお風呂に行くとパパが入浴中です。シャワーで流して、パパに洗ってもらって、一緒に湯船に浸かります。お礼にくまくんはパパのお背中も洗ってあげました。
湯上りのミルクもパパと一緒だと美味しく感じるのです。
- 著者
- 渡辺 茂男
- 出版日
- 1986-09-25
くまくんはやんちゃで、イヤイヤ期真っ只中を感じさせる男の子。くまくんはお風呂に入る際にママから逃げまわりますが、くまくんのママはニコニコしながら「まてまて」と追いかけて、パパのいるお風呂へと向かわせるのです。
実は「くまくんの絵本」シリーズの中で、くまくんのママはくまくんが何をしてもニコニコしています。そんなくまくんのママを見てハッとした方も多いかもしれません。
イヤイヤ期の子どもはくまくんのようにちょっと逃げてみたいだけ、ちょっとイヤと反抗してみたいだけという場合もあるでしょう。しかし毎日毎日子どもにイヤイヤ言われると、大人はどうしてもイライラしてしまいがちです。イヤイヤという子どもに穏やかに優しく付き合ってあげることで、くまくん親子のようにスムーズに事が運ぶこともあるかもしれませんね。
この物語を通じてイヤイヤ期の子供たちはお風呂にスムーズに入れるように、大人は少しの余裕をもってイヤイヤ言う子供たちと向き合えるようになるといいですね。
「ブルーナのおふろえほん」シリーズ1作目、文字のない絵本です。
ミッフィー特有のはっきりした線と積極的に用いた原色の組み合わせが、赤ちゃんからイヤイヤ期と幅広い年齢の子供の興味を引きます。お湯をかけて温度を変化させることにより絵が変わりますので、子どもの好奇心をさらに掻き立て、イヤイヤどころかお風呂の時間が待ち遠しくなる1冊です。
- 著者
- ディック ブルーナ
- 出版日
- 2001-01-19
生まれて間もない赤ちゃん期から多くの家庭で親しまれている「ミッフィー」は、イヤイヤ期の子供たちにも馴染み深いキャラクターです。ミッフィーが大好きなお子さんも多いことでしょう。
またこの本はビニール素材でお風呂に持ち込めるだけでなく、お風呂内で使用することにより絵柄が浮き出る仕組みになっています。イヤイヤ期の子どもは知恵もたくさんついてきますので、絵柄が浮き出るのはなぜなのか、どうしたら浮き出るのかを知りたいという好奇心が掻き立てられることでしょう。
お風呂に入るだけでなく、親が洗う時間を確保するのもひと苦労のイヤイヤ期。この本を使って、湯船でちびっこ博士の実験教室を開いてはいかがですか?
ペネロペをかたどった面白い形状の絵本はお風呂に持って入ることもできる優れものです。
ペネロペは一人でお風呂に入ります。頭を洗ったり、体を洗ったり、隅から隅までごしごしと。洗い残しがないように、足の指まで忘れません。最後はお風呂に「また明日」とご挨拶。
さぁ、あなたもペネロペと一緒にお風呂に入りましょう!
- 著者
- アン グットマン
- 出版日
- 2008-08-07
ビニール素材でできたお風呂に持ち込める絵本の中でも、ストーリー性があり、イヤイヤ期終盤の子どもには程よい読み応えがあるでしょう。しっかりとした文章がついていますので、湯船を嫌がるお子さんには湯船につかりながらの読み聞かせにもおすすめです。
物語の中でペネロペは1人でお風呂に入り、1人で体の隅から隅まで洗っています。お風呂で絵本を見ながらペネロペと同じように洗っても良いですね。また子どもには見落としがちな細かい部分まで忘れずに洗っていますので、安心して真似をさせることができるでしょう。
最後にペネロペは「また明日」とお風呂に挨拶をします。ペネロペと一緒にお風呂に「また明日」と告げることで、お風呂を習慣付けることにもつながるでしょう。
日常生活を送らせることにひと苦労のイヤイヤ期において、お風呂というなかなか欲求では感じ取りづらい生活習慣を身につけさせることは、特に苦労を強いられるものですね。
お風呂の中での非日常にワクワクできる本、親と一緒に入ることが楽しい本、本自体を一緒にお風呂に持ち込むことができる本など、それぞれに様々な工夫がされていますので、多方面からのアプローチで心惹かれるお気に入りの本を見つけてみて下さいね。本の力を使ってお風呂を嫌がるイヤイヤ期を親子で楽しく乗り切りましょう!