青年漫画と言えば主人公が男性の作品が多いですが、実は魅力ある女性主人公の作品もあるのです。今回はその中でもかっこいい女性キャラクターが主人公の作品を5作品あげてみました。
人々の平穏を脅かす魔物「妖魔」を討伐する存在、それが半人半妖の女戦士「クレイモア」です。
人々に畏怖されながらもクレイモアとして妖魔を倒しながら旅をする謎多き主人公クレア。そしてそんな彼女に助けられた少年ラキとクレアが共に旅をしながらクレアの目的、そしてクレイモアを造った組織の目的が次第に明らかになっていきます。
- 著者
- 八木 教広
- 出版日
一見ぶっきらぼうで人と人とのつながりを求めないような態度をとり、独断専行も目立つ主人公クレア。しかし、行動の真意はすべて被害を最小限に抑える、というただ一つの目的のためにあります。その態度は周囲に伝わりにくいため、助けたのに感謝されないこともありますがそんな不器用な生き方にかっこよさを感じるでしょう。
物語が進んでいくと、彼女がどうしてクレイモアになったのか、彼女の目的はなんなのかといった彼女の魅力がどんどん掘り下げられていき、人間らしさも描かれていきます。このどんどん明かされていく彼女の人間らしさと物語当初にあったクールさが非常にバランスよく描かれているのがこの作品の魅力です。
台湾で「グラス・ハート」と呼ばれる凄腕の殺し屋の少女「シャンイン」がいました。そんな凄腕の殺し屋の彼女もたび重なる暗殺命令に苦しんでおり、苦しみから解放されるために飛び降り自殺を試みます。死にたかった彼女ですが、彼女が所属していた暗殺組織によって心臓移植手術され、一命を取り留めてしまいます。目を覚ました彼女は、何かに導かれるように台湾から日本へ渡ることにしました。
80年代に連載されていた『シティーハンター』のその後にあたる作品です。とはいえ、一種のパラレルワールドとして描かれているため、『シティーハンター』の登場人物が出てくるものの未読でも問題はありません。
- 著者
- 北条 司
- 出版日
- 2002-03-08
主人公シャンインの心臓移植のドナーは前作の主人公の妻である香であることが物語早々に判明します。幼い頃から殺し屋として育てられ、一般常識というものが全くと言っていいほどなかったシャンインが自らの心の中にいる香との対話と通じて成長していきます。そんなシャンインの変化は、妻が亡くなってから変わってしまった前作主人公のリョウにも影響を与えていくことに。
作中では超絶美人・完璧超人でかっこよく描かれているシャンインですが、腕は立つがコメディ分の多いリョウと対比させることでイヤミの少ない魅力的なキャラクターに昇華しています。
風林火山の名のもとに戦国大名として名を馳せた武田信玄や天下統一まであと1歩のところまで迫った織田信長など数々の武将が多くひしめき合う戦国時代。そんな戦国時代において武神毘沙門天の化身として活躍した上杉謙信という武将をご存知でしょうか。名声を上げた武将はすべからく男、というイメージがあるなか、上杉謙信は実は女性だったという説があります。
この作品は上杉謙信が女性であるという説前提の元、女性でありながら武将として育てられた上杉謙信が描かれています。作者は『海月姫』、『東京タラレバ娘』など数多くの作品が実写化された漫画家東村アキコです。
- 著者
- 東村 アキコ
- 出版日
- 2015-09-11
夢枕に毘沙門天が現れたから女子だけど武将として育てる、という生まれながらにしてむちゃくちゃな運命となった長尾景虎、後の上杉謙信の物語です。
過酷な運命を背負っているものの、そんなことは微塵も感じさせず天真爛漫に武将として育っていく謙信。そんな中で、自分が男ではなく女なことに悩み、苦しむこともあります。しかし、そんな苦悩も持ち前のバイタリティで運命に抗っていく姿が、ほかの戦国武将にない魅力としてかっこよく描かれています。また、武将としては全く向いていない謙信の兄晴景の存在も、女武将謙信の魅力を引き立てるスパイスと感じるでしょう。
空条徐倫が主人公の第6部の作品です。ジョジョの奇妙な冒険の第5部までのキャラクターも登場しますが、ストーリーは単独で理解できるようになっているので、いきなりこの作品を読んでも問題ありません。
轢き逃げの罪をかぶせられ、無実でありながら徐倫がどうして刑務所に収監されてしまったのか、刑務所内で出会った仲間達とその事実を暴いていく中で様々な真実が明かされていくストーリーとなっています。
- 著者
- 荒木 飛呂彦
- 出版日
刑務所に収監されている理由は無実の罪となっているものの、バイクの窃盗など決して品行方正ではない主人公徐倫。しかし、初登場時に刑務官にマスターベーションを見られたことを赤裸々に告白するなどちょっと下品ながら明るい魅力あるキャラクターに描かれています。
ジョジョの奇妙な冒険でお馴染みのスタンド能力に振り回されつつも、持ち前の明るさとガッツで徐々に使いこなしていく姿に爽快さを感じることでしょう。また、父である承太郎に対する気持ちの変化も物語の面白いところで、思わず徐倫頑張れ、と応援したくなる気持ちにさせてくれます。
日本を代表するアニメ作品を多く創り出しているスタジオジブリの生みの親、宮崎駿原作の作品です。
舞台は文明が崩壊し、王蟲をはじめとした現実では考えられないような異質な生態系がはびこる世界。文明が破壊されていても人類同士の抗争はいつまでも続いています。そんな中、16歳の少女ナウシカがどうして文明が崩壊されてしまったのか、そして人と自然はどのようにして共存していけばいいのか、という謎に迫っていくストーリーです。
『風の谷のナウシカ』といえば映画が有名ですが、映画と漫画ではストーリーが少し異なる部分にも注目です。
原作版のナウシカについて詳しく知りたいという方はこちらの記事がおすすめです。
漫画『風の谷のナウシカ』5分でわかる原作の魅力!映画版より面白い?【全巻ネタバレあり】
- 著者
- 宮崎 駿
- 出版日
ジブリ作品のヒロインの人気ランキングを見ても、常に高い位置を保っているのが本作の主人公ナウシカです。
作品が登場してから数十年以上経っても色あせないその美人で可愛いビジュアルが人気の要因と言えるでしょう。しかし、一番の魅力は芯が強くとても純粋な部分ではないでしょうか。どう考えても話の通じなさそうな王蟲に対して、自らの身を犠牲にしながらもわかりあおうとする姿。そのピュア100%とも言える純粋さとその強さには、純粋さを忘れてしまった大人に特に響くことでしょう。
いかがでしたでしょうか。それぞれ過酷な運命にたち向かうかわいい女主人公たちの活躍をぜひ読んでみてください。