最高にアツいおすすめスポーツ青年漫画5選!大人がハマる!

更新:2017.5.29

皆さんは何か、とことん熱中出来るものをお持ちでしょうか?熱く滾るものがあれば、人生が豊かになります。今回は最高に熱い大人向けスポーツ漫画5作品をご紹介しましょう。

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【野球】独創的な実践野球哲学!『ラストイニング』

主人公の鳩ヶ谷圭輔(はとがやけいすけ)は、かつて名門野球部で支柱的役割を担うも夢破れ、今では彼は詐欺まがいのセールストークで営業成績を上げていました。ところが鳩ヶ谷の会社が薬事法違反並びに詐欺容疑で家宅捜索され、責任を被らされた彼は勾留されてしまいます。

そんな鳩ヶ谷の面会にやってきた狭山滋明が保釈人を買って出ます。狭山は鳩ヶ谷が所属していた彩珠(さいたま)学院高校の当時の野球部監督にして、現校長。野球部は現在、取り潰しが予定されており、その撤回には来夏までに甲子園出場の実績が必要なのでした。狭山は鳩ヶ谷の能力を見込んで、彼に新生野球部の監督を依頼しに来たのです。

著者
["中原 裕", "神尾 龍"]
出版日
2004-04-30

本作は2004年から「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた神尾龍原作、中原裕作画の作品。

普通、高校野球を題材とした漫画は選手が主人公に設定されることが大半です。“高校”野球なのでそれが当たり前。しかし本作は、高校野球を題材していながら、破天荒な監督目線でストーリーが描かれます。従って、ストーリー上で重きが置かれるのは従来型のスポ根などではなく、高校野球の常識に縛られない、ある種の経営哲学にも似た実践的な手法です。

高校球児憧れの舞台、甲子園。そこに行けるのはどんなチームでしょうか? 100%勝てる常勝校なら余裕でしょうが、現実的にそんなことは不可能。どんな強豪校でも負ける可能性はあります。100%でないなら、そこに隙がある。例えば100回中1回だけ負けるチームに対して、その1回で勝ちを収め、それを積み重ねれば弱小校でも甲子園に行ける……。

劇中で鳩ヶ谷はおおよそこのようなことを語り、甲子園出場を請け負います。非常に語りが達者な主人公。インチキ商品を高額で売りつける会社で成績優秀、かつ詐欺容疑がかけられるほどだったので、頭の回転と口の上手さは折り紙付きです。元々は有望な選手だったことも合わさって、鳩ヶ谷の理論は机上の空論には思えません。

本番の大舞台で白星を上げられるなら、普段の負けなど問題にならないのです。

この他にも、チーム内で性格と力量ごとに選手を分類するなど、鳩ヶ谷は弱小野球部に独特の指導を行います。特性が異なる人材を混在させるより効率が良いためです。

このような成果主義的、実践的な場面だけでなく、キャラの成長にもフォーカスが当てられます。監督を引き受けた鳩ヶ谷からして、当初はビジネスライクでした。ところが彼もかつて甲子園を目指し挫折した経験が、心の奥底でくすぶっているんです。

あの日、あの時、駄目だったことを今度こそ。若き選手と過ごすうちにそれが再燃し、やがて結束した選手とチーム一丸となって上を目指す展開には心打たれます。

【サッカー】あの輝きよ、もう一度!サッカー人生の再挑戦!『U-31』

2002年、日韓共催W杯に湧く日本。そんな中、東京ヴィクトリーのJリーガー、河野敦彦は代表選手に選ばれずにふてくされていました。20代前半、アトランタ五輪で「マイアミの軌跡」ともてはやされたのも今は昔。現在の27歳となった河野に見る影はありません。ついには所属クラブから戦力外通告を受ける始末。

その河野へオファーを出すチームがありました。半ば強引に辞めた古巣、ジェム市原。移籍時のわだかまり、弱小クラブに戻ることを彼のプライドが許しません。しかし、かつての五輪代表時代のビデオを見て、自分を見つめ直す河野。そして意地とプライドを捨て、ジェム市原での再起を決意します。目指すは彼が31歳となる、次のドイツW杯日本代表。

著者
吉原 基貴
出版日
2003-11-19

本作は2002年から「モーニング」で不定期連載されていた綱本将也原作、吉原基貴作画の作品。栄光の輝きを失った男が、自信とプライドを取り戻すサッカー漫画です。

本作の特徴はなんと言っても、持てる者の苦悩でしょう。そこで描かれるのは、向上心以外には何もないという「持てない者の挑戦」ではなく、地位も名誉も経験もある「持てる者の再挑戦」です。

主人公の河野は五輪代表選手で活躍した、言わば成功者です。現在は現役選手として落ち目になっているものの、すでにサッカー選手として名を残し、金も持っています。引退したところでスポーツキャスター、解説者、あるいはサッカークラブの監督やトレーナーなど、働き口に困ることはありません。

それにも関わらず、河野は現役選手として再度の五輪出場を目指します。それは彼が、どこまでもサッカー選手であるからです。成功者である彼にとって、再挑戦するのは栄光を取り戻したいというただそれだけ。それだけに、かえって河野の思いは純粋な動機として際立ちます。

本作の設定やエピソードは実在のチーム、人物の出来事を元に構成されています。見る人が見れば、どのエピソードが誰のものかわかるかもしれません。そういった点を楽しみながら読むのもポイントです。

展開のリアルさについても特筆に値します。サッカー界における高齢選手の境遇、その描写。そしてただのご都合主義に終始しない、きっちんとしたゲームメイク。元日本代表監督オシムをモチーフにしたシニーシャ・クラリィ監督の采配には唸らせられるでしょう。

あくまで現実的に描かれる、サッカー選手の「夢」の行方はどうなるのでしょうか。

【バスケ】自分に挑戦し続ける者達の物語。『リアル』

粗暴な少年、野宮朋美(のみやともみ)。バスケに打ち込んでいた彼は、部員との確執から退部。落ち目の彼は、ナンパした女の子をバイク事故に巻き込み、下半身不随の怪我を負わせてしまいます。それをきっかけに、高校3年生にして学校を退学。

加害者責任を感じる野宮は、怪我させた女の子、山下夏美の元を足繁く訪れます。野宮は夏美を車椅子で連れ出して散歩する途中、体育館でバスケ練習をしている少年と出会いました。その少年もまた車椅子でした。

忘れかけていたバスケの熱が戻って、野宮は思わず車椅子の少年、戸川清春と対戦を始めます。自ら車椅子に乗り、対等の条件にして。必死でプレーする2人に影響されたのか、野宮の見ている前で夏美が初めて笑いました。

これは、若者達が自分にとって大事なものを取り戻していく物語。

著者
井上 雄彦
出版日
2002-09-18

本作は1999年から「週刊ヤングジャンプ」で連載中の井上雄彦の作品。『スラムダンク』でバスケ漫画のジャンルを切り拓いた井上が挑む、車椅子バスケ漫画です。

障害者を描くことは、大小様々な配慮が働くためか、暗黙のうちにタブー視されているように思えます。迂闊な表現をすれば差別に繋がるという向きがあるからでしょう。しかし、その発想、姿勢自体が差別である、と言えないでしょうか。

本作では特に下半身に障害を負い、車椅子生活を送る人々にスポットを当て、車椅子バスケットを通して彼らの「リアル」を描写しています。

自ら望んで短距離の世界に飛び込むも、骨肉腫を発症して右膝関節から下を切断した戸川。自分ではなく他人を下半身不随にさせてしまったことで、肉体ではなく精神に傷付いた野宮。そして野宮の同級生かつ同じバスケ部員で、交通事故により下半身不随となってしまった高橋久信。

英語では身体障害者の方を「Physically Challenged」と呼びます。「身体的(障害という)困難に挑戦する人」という意味です。決して自分で望んだことではないにしろ、現実としてその困難から目を逸らすことは出来ません。戸川、野宮、高橋の3人は、まさにその困難に挑む者達です。

「俺は何をめざすのかすらまだ見つかってねーや。(中略)俺の道であることに変わりはねえ。俺のゴールにどうやってつながるかは知らねえが、いつかつながることだけは確かだ」(『リアル』より引用)

怪我を負い、体が不自由になっても、それでも動きたい。バスケをしたい――その情熱が彼らを突き動かし、挑戦させていくのです。そのためのリハビリや練習は、誇張ではないリアルな描写。

障害がテーマの1つになっているため、どうしても設定は暗いものになってしまいます。しかし、実際の多くの人々がそうであるように、彼らは現実を受け入れて前向きに生きます。通常のバスケと同じか、それ以上に熱く激しい車椅子バスケの世界。熱く、激しく、諦めない心がひしひしと感じられます。

【バレー】精神論への提言!勝つために必要なバレーボール!『神様のバレー』

主人公の阿月総一(あづきそういち)は、バレーボール実業団Vリーグチーム「日村化成ガンマンズ」のアナリスト。敵チームを分析し、相手の嫌がるプレイを指示する天才です。

彼は自分が全日本代表を率いれば世界制覇も可能だと自負しており、それを知った日村化成の会長は彼にある賭けを提示しました。それは万年1回戦敗退の中学生チームのコーチに就き、全国制覇を成せるかどうかというもの。もしそれが出来たなら、全日本男子代表の監督の座を約束すると。

かくして阿月の幸大学園中学校バレー部コーチに就任が決定。バレー部は元全日本女子候補だった鷲野孝子が監督しており、選手も基本は出来ていました。ただ、阿月はたった数時間の練習を見ただけで部に欠けているものを見抜きます。阿月は早速、自分の思惑通りに弱小チームの改革に乗り出し……。

著者
["西崎 泰正", "渡辺 ツルヤ"]
出版日
2013-06-15

本作は2012年から「週刊漫画TIMES」で不定期連載中の渡辺ツルヤ原作、西崎泰正作画の作品。バレーボールをモチーフにしていますが、選手よりも裏方をフィーチャーした漫画です。

「アナリスト」とは耳慣れないポジションかと思います。ニュースなどで経済アナリスト、軍事アナリストなどを見かけることがあるくらいでしょうか。平たく言えばデータを分析、解説する職業です。バレーボールにおいては時に監督よりも重要視されるポジション。現代バレーボールでは正確な情報分析と指示が何よりも大事とされています。

阿月は自他共に認める「嫌なやつ」ですが、その性質を遺憾なく発揮して相手チームの嫌がるプレイを指示します。結果、チームを勝利へと導く敏腕アナリスト。

かつて日本が男子バレーボール世界一だった頃がありました。1972年、ミュンヘン五輪での堂々金メダル。しかし現在の日本の男子バレーボールは、代表レベルでもあまりパッとしません。

阿月はそれを、世界強豪に倣った上品なバレーと吐き捨てます。日本にはヨーロッパのような蓄積技術も、南米のような身体能力もありません。必要なのは狡猾な作戦、プレイだと言います。

幸大学園就任後に阿月はそれを実践します。中学生相手なので、本人達には思惑は隠して、ですが。バレー部の監督である鷲野は、日本バレーを絵に描いたような精神論者。代表候補に選ばれただけあって実力は折り紙付きでも、戦術、戦略はまるで駄目でした。

改革に乗り出した阿月は精神論を否定し、実践的な戦略を与えて、選手に向上心とやる気を授けます。そして阿月は言い放ちました。部員達に、自分を「神」と呼べ、と。

果たして幸大学園バレー部は万年敗退チームの汚名を返上し、全国制覇へと羽ばたくことが出来るのでしょうか?

【ダンス】バレエに愛され、バレエを宿命付けられた1人の天才『昴』

小学3年生の宮本すばるは、活動的なことを除けば普通の小学生でした。彼女の双子の弟、和馬は幼くして脳腫瘍で入院。すばるは記憶障害の進行する和馬のため、毎日の出来事を躍りで表現し、彼に伝えていました。

すばるはひょんなことから級友の呉羽真奈(くれはまな)の母親がバレエ教室を開いていることを知り、体験します。そんな彼女とは裏腹に、和馬の容態は悪化。すばるは和馬のために「ジゼル」の踊りをマスターしますが、時すでに遅く……。

和馬を喪い、前後不覚になったすばるは場末のキャバレー「バレ・ガルニエ」に迷い込みました。その支配人、日比野五十鈴はかつて東洋一と言われた天才バレリーナでした。日比野はすばるの並外れた才能を見抜き、彼女にバレエを教え始めます。

著者
曽田 正人
出版日

本作は2000年から「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた曽田正人の作品。一時中断した後、2007年からは『MOON -昴 ソリチュード スタンディング-』と改題して2011年に完結しました。

本作では徹底して「すばる」という1人の天才を描き出しています。一度踊り始めれば、どんな観客をも魅了する天性の才能。しかし、その内側の精神は未熟で脆く、気まぐれでわがまま放題です。感情の起伏が激しく、気に入らなければ当たり散らすという、一種の精神破綻者のようですらあります。

あるいは天才とは、本来そういったものなのかも知れません。常人とはかけ離れた才能を持つがゆえに孤独で、自身の才能だけをよすがとするゆえに独善。そんな天才の感性を凡人が理解することは出来ないでしょう。

弟の死以来、家族からも距離を置くすばるにとって、日比野はバレエの師匠であり第2の母親です。その日比野によってすばるは徹底的にバレエを指導されました。

天性の身体能力に、日比野の基礎技術。やがてすばるの才能は日本を出て、世界へ羽ばたきます。日本という狭い世界から、プロダンサーの国、アメリカへ。そしてその広い世界ですら、すばるの異常性が際立ちます。彼女に並ぶ才能は、世界屈指のバレリーナのプリシラ・ロバーツぐらいでした。

これほどの才能を持っていても、すばるはほぼ全編にわたって孤独です。そしてすばる自らバレエから離れようとしても、決して離れられない運命。バレエとはすばるの生きる人生そのものでありながら、同時に彼女を苛む生き地獄でもあります。

劇中でも引用されますが、ルドレフ・ヌレエというダンサーが「私がバレエを選んだのではない。バレエが私を選んだのだ」と言ったそうです。まさしくすばるもそのように宿命付けられた少女。

苛烈に生きるすばるのバレエ人生には、どのような未来が待ち受けているのでしょうか。彼女の孤独を癒やす理解者は現れるのでしょうか。

いかがでしたか? スポーツ漫画は多々あれど、大人向けとなるとただ熱いだけではなく、少々エスプリが効いた作品が多いようです。これを機にスポーツの新たな視点が開けたなら、触発されて自分でやってみるというのも良いのではないでしょうか。

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