怪盗キッドを語るなら外せない!漫画『まじっく快斗』を完全考察、キャラ紹介

更新:2021.12.7

不定期連載ながら息が長い作品『まじっく快斗』。作者である青山剛昌自身に殊に愛され、読者の支持も熱いこの作品の人気の秘密はどこにあるのでしょう。コミカルな舞台にあってキザでクールでスタイリッシュな白き怪盗の物語の魅力に迫ります。

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漫画『まじっく快斗』をネタバレ考察 神出鬼没で華麗な大泥棒!その名は怪盗キッド!

著者
青山 剛昌
出版日

1987年に『週刊少年サンデー』に初登場した『まじっく快斗』は作者・青山剛昌のはじめての連載作品です。ほかの作品の連載のために連載が一時中断されましたが、その後不定期連載のかたちで復活。『週刊少年サンデー』掲載作のうち、最も連載期間が長い作品となりました。

青山剛昌には『YAIBA』、『名探偵コナン』とヒット作がありますが、その連載をしながらも描き続けられている『まじっく快斗』は、初の連載作であることもあって思い入れの強い作品であるようです。

白いシルクハットに白いスーツ、白いマントで夜の闇に浮かぶ稀代の大泥棒、怪盗キッドは類い稀れなる頭脳とマジックを駆使し、狙った獲物を華麗に盗み出します。「月下の奇術師」と呼ばれる怪盗の物語を考察してみましょう。


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漫画『まじっく快斗』ネタバレ考察1 怪盗キッド「復活」の経緯

漫画『まじっく快斗』ネタバレ考察1:怪盗キッド「復活」の経緯
出典:『まじっく快斗』1巻

マジックが得意な高校生・黒羽快斗はふとしたきっかけで自分の部屋に隠し部屋に通じる扉を見つけます。それこそがいまは亡き快斗の父で世界的なマジシャン、黒羽盗一最後のマジックだったのです。

隠し部屋の中には白いシルクハットと白いマントが残されていました。世間を騒がせる世紀の大泥棒・怪盗キッドの衣装です。怪盗キッドは盗一が亡くなった8年前から姿を消していました。しかしニュースでは今日、怪盗キッドからの予告状があったと……。

怪盗キッドの衣装を身につけて予告状が示す場所へと快斗は赴きます。そこで出会った怪盗キッドはかつて盗一の付き人をしていた寺井黄之助でした。寺井は快斗に、盗一は8年前にステージ中の事故で亡くなったことになっているが、実は殺害されたのだと告白します。快斗は自らが怪盗キッドとなって、父を殺害した人物を探しはじめます。

そんな中、怪盗キッドとして活動する自分を「黒羽盗一」と呼んで生命を狙う組織と快斗は遭遇します。彼等は不老不死が得られるという秘宝「パンドラ」を手に入れようと暗躍していました。父を殺害したに違いないその組織よりも早くパンドラを見つけ出し、粉々に砕くと快斗は決意するのでした。

出典:『まじっく快斗』1巻

これが現在活躍する二代目怪盗キッド誕生の経緯です。父の仇を追い、仇が求めるものを先んじて破壊するため、怪盗キッドは困難な盗みにたびたび挑みます。

犯行予告状を送りつけ、狙った獲物はあざやかな手口で華麗に盗み出す怪盗キッドは、変幻自在に姿を変えて、神出鬼没にどこにでも現れ、どこからでもうそのように姿を消します。魔法のような技を使い、一人で何人もの声色を使って場を攪乱します。18年前のパリにはじめて現れ、8年前まで動きを見せていましたが、それ以降は鳴りを潜めていました。

8年経って再び動きはじめた怪盗キッドは実は二代目、大胆不敵でクールでキザな紳士です。折りたたみ式のハンググライダーで夜空を舞い、トランプを発射するトランプ銃でピンチを打開し、数々のあざやかなマジックで警察や探偵を翻弄します。ついた通り名は「平成のルパン」、「月下の奇術師」。

快斗の同級生で幼馴染みの中森青子の父、中森銀三警部は8年前から追い続ける怪盗キッド専属の刑事。警視総監の息子で高校生探偵の白馬探はロンドン帰りの切れ者。そして「眼鏡のボウズ」江戸川コナンは手強い名探偵。こういった面々と快斗は知力を尽くして相対します。彼等とは敵対する者同士のはずですが、それぞれにどこか友情のようなものを感じている様子も窺えます。

手強い敵手たちと対峙しながら、二代目怪盗キッド=快斗は宝石を盗んでは返しています。なぜなら、快斗が狙うのはパンドラただひとつ。パンドラではないものはどれほど価値ある宝石でも必要ないからです。

ビッグジュエルを狙い、そのために謎の組織によって殺害された初代怪盗キッド=父・盗一の無念を晴らし、不老不死の秘宝を得ようという組織の野望を砕くため、二代目怪盗キッド・快斗の白い影は今夜も闇に浮かぶのです。

漫画『まじっく快斗』ネタバレ考察2 キッドを取り巻く登場人物

漫画『まじっく快斗』ネタバレ考察2:怪盗キッドとキッドを巡る人々
出典:『まじっく快斗』4巻

快斗扮する怪盗キッドが活躍する本作。クールでキザな怪盗が出没する世界で生活する人々はどんな個性を持つ人たちなのでしょうか。一人ずつ見てみましょう。

【黒羽快斗】やんちゃな天才主人公!

黒羽快斗
出典:『まじっく快斗』5巻

本作の主人公。普段はマジック好きのちょっとやんちゃな高校生。その実体は日ごと夜ごとに警察を翻弄する神出鬼没の大泥棒・二代目怪盗キッド。世界的なマジシャンであり、初代怪盗キッドである黒羽盗一を父に、かつて「昭和の女二十面相」怪盗淑女として活躍した黒羽千影を母に持ちます。

父・盗一からマジックとその心得を教わり、マジックの腕はラスベガスでもすぐにステージに上がれると、現在は海外で生活する母・千景から評価されるほどです。

「客に接する時そこは決闘の場、決しておごらず侮らず、相手の心を見透かし、その肢体の先に全神経を集中して持てる技を尽くし、なおかつ笑顔と気品を損なわず、いつ何時たりともポーカーフェイスを忘れるな」という盗一の教えを守ってことに望みますが、まだ17歳の少年ゆえの未熟さも時折垣間見えます。

IQ400の天才で人並み外れた推理力を持ちますが、あくまで自分は泥棒であるというアイデンティティを持ち、探偵稼業には興味がない様子です。客演の『名探偵コナン』第16巻File.7「消滅」では江戸川コナンに対して「怪盗はあざやかに獲物を盗み出す創造的な芸術家だが、探偵はその跡を見て難癖つけるただの批評家に過ぎないんだぜ?」と発言しています。

【中森青子】快斗のことが気になる幼馴染

中森青子
出典:『まじっく快斗』5巻

快斗の幼馴染みで同級生。クラスも同じです。父は中森銀三警部。

中森警部が怪盗キッド専属刑事であるにも関わらずキッドを捕らえたことがなく、毎度辛酸をなめさせられていることから、父を苦労させる者として反キッドの立場を貫いています。怪盗キッドの正体が快斗であることには気づいていません。

快斗とはお互いに気になる存在でありながら、お互いに鈍感な部分があって、特に青子は自分の気持ちになかなか気づけずにいます。

【中森銀三】打倒キッド!警視庁捜査二課の刑事

中森銀三
出典:『まじっく快斗』3巻

青子の父で自称「怪盗キッド専属」刑事。初代の頃から怪盗キッドを追っていて、キッド逮捕のためならほかの事件をないがしろにもしてしまいます。

娘の幼馴染みである快斗のことをよく知ってはいますが、先代から怪盗キッドを追い続けているため、まだ高校生の快斗が怪盗キッドの正体だとは思っていないようです。

キッド確保のために常に怪気炎をあげていますが、いつも確保できずに口惜しい思いをしています。しかし、よそから探偵や刑事がやってきてキッドを追い詰めようとしたときなどは、キッドが捕まることなく姿を消すとうれしそうな表情を覗かせることもあります。

【黒羽盗一】父であり師匠、そして初代怪盗キッド!

黒羽盗一
出典:『まじっく快斗』5巻

快斗の父で、初代怪盗キッドでもあります。世界的なマジシャンであり、快斗が最も尊敬する「世界一の」マジシャンです。弱冠20歳と若くしてマジシャンのオリンピックとも言うべきFISMマジック世界大会グランプリを獲得したという実力者。

怪盗キッドとして18年前から活動をはじめ、何らかの理由でビッグジュエルに近づいていた様子です。そのために8年前にステージ中の事故を装って暗殺されてしまいました。しかし、生前に自宅に隠し部屋を設け、怪盗キッドの衣装を保管し、快斗へのメッセージを残していました。これを見つけたことにより、快斗は二代目怪盗キッドとなるのです。

【白馬探】キザな高校生探偵

白馬探
出典:『まじっく快斗』4巻

警視総監を父に持つ高校生探偵。快斗や青子と同級生です。イギリスから転校してきましたが、のちに再度イギリスに渡ります。

単行本第4巻「ダーク・ナイト」では帰国していますが、これは『名探偵コナン』第55巻FILE.4~FILE.7「集められた名探偵!」事件で黄昏の館に招待されたのと同じ時期です。

怪盗キッドに劣らぬキザな性格。時間には細かいようで、年に0,001秒しか狂わないというきわめて正確な懐中時計を愛用していて、それを用いる姿がさらにキザさを演出しています。

怪盗キッド出現現場で毛髪を発見し、それをDNA鑑定することで、キッドの正体が快斗であることを確信しますが、捕まえたいのはあくまで「怪盗キッド」であって高校生の黒羽快斗ではないとして、キッドとして現れたとき以外は普通の同級生として快斗に接しています。

中森警部と同様、自分以外の者にキッドが捕まることをよく思っておらず、難敵が現れたときには快斗に助言することも。

【小泉紅子】キッドを虜にしたい魔女!?

小泉紅子
出典:『まじっく快斗』4巻

快斗の同級生であり、赤魔術を操る魔女。邪神ルシュファーを盟約により現世に呼び出して使役しますが、第5巻「日輪の後光」では快斗の居場所を告げ、対価を求めるルシュファーに「情報不足で盟約不履行」を言い渡して追い返しています。

世界中の男性を虜にしようとしますが、世界で唯一怪盗キッドだけはそうならないため、執着しています。キッドの正体を知る一人で、キッドが警察に確保されないよう助言や手助けをすることも。

かたちの上では青子とは恋敵同士ということになりますが、仲が悪いこともなく、青子とも快斗とも同級生として普通につき合えているようです。

【黒羽千影】キッドを影ながら見守る母

黒羽千影
出典:『まじっく快斗』5巻

快斗の母で盗一の妻。盗一が怪盗キッドとなるきっかけの人物「昭和の女二十面相」怪盗淑女の正体でもあります。快斗が二代目怪盗キッドとして活動していることも知っており、黙して見守っています。

現在でも身のこなしや盗みに必要な技術は衰えてはいないらしく、自分ではない何者かに扮して怪盗キッドとしての快斗の活動の理由や覚悟を問い、キッドとして動くことを止めることなく黙認するに至ったのでした。

夫・盗一の口からは女優・藤峰有希子のエッセイのファンであると明かされています。

【寺井黄之助】キッドの右腕 

寺井黄之助
出典:『まじっく快斗』4巻

かつては盗一の付き人で、現在はビリヤード場「ブルーパロット」オーナーです。盗一の没後から快斗がキッドとして立つまでの数件の怪盗キッドの事件は寺井によるものです。

現在はブルーパロットを営む一方で、二代目怪盗キッドの助手を務めています。

【スネイク】謎の組織の一員

スネイク
出典:『まじっく快斗』4巻

18年前に盗一を殺害した謎の組織の一員。ソフト帽をかぶり口髭を蓄えていて、スーツ姿で現れます。

組織が狙う伝説のビッグジュエル「パンドラ」を探し、怪盗キッド=盗一(だと思っている)抹殺を目論んでいます。組織が狙うビッグジュエルを快斗も追っているため、スネイクとはたびたび対峙することに。

組織のボスよりもさらに上の「あのお方」と呼ばれる存在の正体やその真の目的については明確には知らない様子です。

 

漫画『まじっく快斗』ネタバレ考察3 謎の秘宝「パンドラ」とは?

漫画『まじっく快斗』ネタバレ考察3:パンドラの謎
出典:『まじっく快斗』3巻

父の敵をつきとめるために怪盗キッドとして盗みを繰り返す快斗。ある夜、「怪盗キッド宛て」に電話が鳴ります。

「前にも言ったはずだ…宝石には手を出すなとな…」
「今回は我々の求めていた宝石ではないので見逃してやるが、また同じことをくり返せば命はないぞ!!」(『まじっく快斗』3巻から引用)

誰からかも分からない電話にそう告げられた快斗ですが、間を置くことなくインド最大のサファイア「ブルーバースデー」を盗み出します。現場から去ろうとする快斗を銃弾が襲いました。

ブルーバースデーは世界中に散らばる伝説のビッグジュエルのひとつで、不思議な力を秘めている可能性があると言います。

ただし、不思議な力を秘めているビッグジュエルは世界にただひとつ。それがどのビッグジュエルなのかは明らかではなく、ひとつひとつを確かめるしかありません。

1万年に一度地球に接近するというボレー彗星が次に地球に接近するのは1年後。それまでに探し出さなければなりません。ビッグジュエルの中に潜むもうひとつの宝石「パンドラ」を。

パンドラこそが不思議な力を持つ宝石なのです。

「ボレー彗星近づく時、命の石を満月に捧げよ…さすれば涙を流さん」(『まじっく快斗』3巻から引用) 

このように古くから言い伝えられる「命の石」パンドラ。その涙を飲んだ者は不老不死を得られるのだと言われるこの石を手に入れようと暗躍する謎の組織があるのです。パンドラ捜索の妨げとなる怪盗キッド即ち快斗を狙ったのは、この組織の構成員の一人、スネイクでした。

過去に何らかの理由でビッグジュエルに迫っていた先代怪盗キッドである快斗の父・盗一は、このために事故を装って殺害されてしまったのです。ブルーバースデーによってこれを知った快斗は、組織よりも先にパンドラを探し出し、パンドラとともに組織の野望を砕くことを決意したのです。

パンドラにより不老不死を得ようとしているのは謎の組織の首領ではなく、さらにその上に存在する「あのお方」。組織が何を目的としたどのような組織なのか、「あのお方」がいったい何者なのか、まったく謎です。『まじっく快斗』の物語の中には手掛かりと言えそうなものがありません。

ブルーバースデーの中にはパンドラはありませんでした。快斗はその後グリーンドリーム、クリスタル・マザー、レッド・ティアー、ブラック・スター、ゴールデン・アイ、ダーク・ナイト、ミッドナイト・クロウ、サン・ヘイローの8つのビッグジュエルに接しましたが、いずれの中にもパンドラは見つかりません。

ブラック・スターは「鈴木財閥の秘宝」。盗みの現場ではオーナーである鈴木次郎吉翁の知己であるという「眼鏡をかけた小学生」に翻弄されてしまいましたが、結果としては「痛み分け」、勝ちでも負けでもないといったところです。

パンドラという宝石については情報がとても少なく、ビッグジュエルを手に取って光にかざし、その中にもうひとつの宝石が存在するか否かを確認するという方法でしかその実態を知ることはできないようです。名に色名を含むビッグジュエルは世界に有数。そのひとつずつに怪盗キッドはこれからも迫っていくのでしょう。

キッドVSコナン! 宿敵との名勝負 『名探偵コナン』との関わり

漫画『まじっく快斗』ネタバレ考察4:『名探偵コナン』との関わり
出典:『まじっく快斗』4巻

本作は少なからず『名探偵コナン』のそれと重なっている部分があります。いくつか挙げてみましょう。

快斗は怪盗キッドとしてたびたび江戸川コナン=工藤新一と対決しています。その様子は『まじっく快斗』第4巻「ブラック・スター」、ほかに『名探偵コナン』でもたびたび描かれています(『名探偵コナン』での怪盗キッド客演については次の項をご覧ください)。

第4巻「ブラック・スター」では、黒の組織によって「コナン」になってしまう以前の工藤新一との対決を見ることができます。この頃は互いの存在は特に意識していなかったようです。

また新一と快斗は瓜二つにそっくりで、誰よりも新一を思う毛利蘭でさえ見間違うほどです。

怪盗キッドだけでなく、ほかの人物も『名探偵コナン』への客演があります。

白馬探は『名探偵コナン』第30巻File.4~File.7「黄昏の館」のエピソードに集められた名探偵の一人として登場しています。怪盗キッドを追う高校生探偵という点は『まじっく快斗』と変わりません。

中森銀三警部も同様に怪盗キッドを追う警察官として『名探偵コナン』にキッドとともに登場します。警視庁捜査一課の目暮十三警部とは同期で互いをよく知っているようです。

怪盗キッド初代・二代目通じての優秀な助手である寺井黄之助は阿笠博士の友人であるらしいことを第5巻「日輪の後光〈後編〉」冒頭で快斗が言っています。転倒して壊れたバイクを寺井の友人の博士に直してもらったのだと。

『名探偵コナン』劇場版「業火の向日葵」では、ビッグジュエルしか狙わないはずの怪盗キッドがゴッホの「ひまわり」を狙った理由として、寺井の若かりし頃の挿話が描かれています。

そして、快斗の父・黒羽盗一は『名探偵コナン』に重要な役で登場しています。かつての女優・藤峰(本名・工藤)有希子と、その親友で同じく女優のシャロン・ヴィンヤード(ベルモットの正体)に変装術を教えたマジシャンは盗一でした。

これによりベルモットは卓抜した変装術を身につけており、新出医師として長期間に渡って帝丹高校に潜入するなど、身許を悟られずに行動し、警察やコナンたちを欺くこともしばしばです。

さらに盗一は怪盗キッドとして工藤優作と対決したことがあり、互いの知力で戦った末にごく短い手紙のやり取りで分かり合うほどの好敵手です。

江戸川コナンとなった優作の息子・新一も二代目キッドとたびたび対決しています。怪盗キッドと工藤家は二代に渡って相対していることになります。

また、謎の組織がパンドラを狙う理由、そしてトップに存在する「あのお方」が、『名探偵コナン』に登場する黒の組織が半世紀も前から進めているという「極秘プロジェクト」を探るうちに浮かんできた「We can be both of God and the Devil. Since we're trying to raise the dead against the stream of time.(我々は神でもあり悪魔でもある。なぜなら時の流れに逆らって、死者を蘇らそうとしているのだから…)」というベルモットの台詞や、黒の組織の構成員が言う「あのお方」との類似を思わせるのは、はたして気のせいなのでしょうか……?

漫画『名探偵コナン』にも登場!もっと知りたいキッドの活躍!

漫画『まじっく快斗』ネタバレ考察5:『名探偵コナン』客演リスト
出典:『まじっく快斗』5巻

ここでは怪盗キッドが『名探偵コナン』の物語に登場した挿話をリストアップします。『まじっく快斗』でしかキッドをご存じでない方は、コナンの世界に現れるキッドの物語にもふれてみてはいかがでしょうか。

『名探偵コナン』第16巻「コナンvs怪盗キッド」
File.6「邂逅」
File.7「消滅」
File.8「気配」
File.9「終極」

『名探偵コナン』第20巻「奇術愛好家殺人事件」
File.2「逃げろ!」
File.3「雪原の中で…」
File.4「怪しい動き」
File.5「探索」
File.6「発露」

『名探偵コナン』第30巻「集められた名探偵! 工藤新一vs怪盗キッド」
File.4「糾合」
File.5「惨劇」
File.8「密殺」
File.7「誑欺」

『名探偵コナン』第44巻「怪盗キッドの驚異の空中歩行」
File.7「奇蹟」
File.8「驚愕」
File.8「戦慄」
File.10「脱出」

『名探偵コナン』第46巻「奇抜な屋敷の大冒険」
File.7「封印」
File.8「絡繰」
File.9「神器」
File.10「不滅」

『名探偵コナン』第53巻「怪盗キッドと四名画」
File.1「紅蓮」
File.2「金色」
File.3「青嵐」
File.4「純白」

『名探偵コナン』第55巻「工藤新一少年の冒険」
File.6「月下」
File.7「黎明」
File.8「白昼」
File.9「落日」

『名探偵コナン』第61巻「怪盗キッドの瞬間移動魔術」
File.1「紫紅の爪」
File.2「瞬間移動」
File.3「3つのタブー」
File.4「Zero」

『名探偵コナン』第64巻~第65巻「怪盗キッドvs.最強金庫」
第64巻File.11「鉄狸」
第65巻File.1「潜伏」
    File.2「解錠」

『名探偵コナン』第68巻「闇に消えた麒麟の角/キッドvs.四神探偵団」
File.5「青龍」
File.6「朱雀」
File.7「白虎」
File.8「玄武」

『名探偵コナン』第70巻「コナンキッドの龍馬お宝攻防戦」
File.2「龍馬」
File.3「突破」
File.4「洗濯」

『名探偵コナン』第78巻「漆黒の特急」
File.1「ミステリートレイン〔発車〕」
File.2「ミステリートレイン〔隧道〕」
File.3「ミステリートレイン〔一等〕」
File.4「ミステリートレイン〔交差〕」
File.5「ミステリートレイン〔遮断〕」
File.6「ミステリートレイン〔排煙〕」
File.7「ミステリートレイン〔終点〕」

『名探偵コナン』第78巻~第79巻「怪盗キッドと赤面の人魚」
第78巻File.11「泡沫」
第79巻File.1「擬態」
    File.2「脱皮」

『名探偵コナン』第82巻「怪盗キッドVS京極真」
File.1「鉄壁」
File.2「暗転」
File.3「雌雄」

『名探偵コナン』第91巻「怪盗キッドの絡繰箱」
File.4「木神」
File.5「接近」
File.6「日記」

『名探偵コナン』原作だけでなく、劇場用アニメーションにも怪盗キッドは登場しています。次の5本の物語に深く関わっていますので、キッドが気になる方は要チェックです。

「世紀末の魔術師」(第3作/1999年公開)
「銀翼の奇術師」(第8作/2004年公開)
「探偵たちの鎮魂歌」(第10作/2006年公開)
「天空の難破船」(第14作/2010年公開)
「業火の向日葵」(第19作/2015年公開)

作者・青山剛昌が大切に、ゆっくりゆっくりと紡ぐクールでキザで神出鬼没、大胆不敵で華麗な怪盗物語。『名探偵コナン』でキッドを知った人も、『まじっく快斗』こそが本命の人も、これまでの物語を振り返りつつ、楽しんでくださればと思います。

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