4歳の子供と読みたいおすすめ英語の絵本5選!

更新:2021.12.21

様々なことに興味を持ちはじめた4歳児に、洋書の絵本を読んであげてはいかがですか?絵本は言語の壁も越え、著者が詰め込んだ溢れんばかりの読者への愛を届けてくれるでしょう。おすすめの洋書絵本5冊をご紹介致します。

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4歳にだって、言語関係なく、心は伝わってくるのです

4歳ぐらいになると、自己主張だけでなく、相手に共感したり、相手の気持ちを汲みとったりできるようになってきます。

感受性の発達が目に見えて伸びる頃ですから、著者が絵本に込めた心が伝わってくるような作品を読んであげたいですね。

今回は、4歳の子供と読みたいおすすめ英語の絵本を5冊ご紹介致します。

ハチャメチャな4歳児と一緒に読みたい英語の絵本

本作は『だめよ、デイビッド!』というタイトルで日本語版も出版され、2001年の日本絵本賞読者賞を受賞しています。

作者であるデイビッド・シャノンは、5歳の時、この作品の原作となる絵本を作っていたそうです。

男の子がいたずらしている絵に、「No」と「David」の文字だけを付けたものでしたが、彼の母は大切に保管し、後に彼の元へ送りました。

この絵本の誕生エピソードを聞いて、シャノン親子の愛情に感動しない人はいないでしょう。

しかしデイビッドは、その感動を吹き飛ばすくらいのいたずらをしてくれます。

著者
David Shannon
出版日

やんちゃでいたずら大好きなデイビッドは、いつもお母さんに「No,David!」と叱られてばかり。

そのデイビッドのいたずらの容赦のなさといったら、親としては「笑って済ませられるか~!?」と言いたくなるほど。

正直、「これを読んであげた結果、お子様に真似をされたとしても、当方は何の責任も持てませんし、自己責任にてお願いいたします」と前置きしたくなるレベルです。

そんなデイビッドのいたずらに、どんどん積み重なっていくママの「No」「No!」「No!!!!」……でも、最後には、「Yes, David.」が来るんです。

いたずらは悪い事だけど、いたずらをした子供自身は許さずにはいられないのが親心なのでしょう。

実は、この「デイビッド」シリーズ、他にも出ているんですが、最後が「Yes」になるものがいくつかあります。

それはやはり、親だからこそ受け止めずにはいられない「Yes」であったり、デイビッド本人が素直になるための「Yes」であったり、親子の愛情を肯定するための「Yes」なんですね。

デイビッド自身が母から受けた深い愛情を、作品を通してぜひ感じて下さい。

おうちで絵本を読む

「子育てが大変でなかなか絵本を買いに行く時間もない」「読み聞かせの時間がなかなか取れない」「家で仕事をしている間、1人で絵本を読めるようになってほしい」。絵本をたくさん読んで欲しいとは思いつつ、なかなかそんな環境を整えるのも難しいですよね。

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4歳に衝撃を与えるモンスターの英語の絵本

著者のエド・エンバリーは、アメリカでは数々の賞を受賞している有名な絵本作家です。日本でも、ランチボックスやスタイの柄に絵が使われていたりするので、ご存知の方も多いでしょう。

そのエド・エンバリーが描いた絵本なのですが……。

著者
Ed Emberley
出版日
1993-04-01

最初見たとき、「え? ナニこれ……」と、モンスターの見た目に軽く引き、「アメリカではコレのぬいぐるみが出ているらしい。しかも、結構子どもに人気」と聞いて、さらに軽いカルチャーショックを覚えました。

さらに、著者をチェックしたら、あの可愛いイラストのエド・エンバリーです。思わず口があんぐり開いたまま、しばらく凍りついたのは言うまでもありません。

実はコレ、ハロウィン向けの絵本だそう。

なるほど、アメリカのハロウィンというとゾンビの印象が強かったのですが(ホラー映画や近年公開のゾンビ映画は、だいたいハロウィンシーズン公開です)、子ども向けには広い定義として「お化け」に相当するものがハロウィンの定番のようです。

でも、一度本を開いてみてください。子どもの反応もあわせて見ると、感想は180度一変します。

「ビッググリーンモンスターは、大きな黄色い目をしていて」「長くて、青いような緑のような色のお鼻」と、ページをめくるごとに真っ黒な画面にモンスターの顔のパーツが増えていくのです。

この仕掛け、シンプルながらなかなか巧みで、思わず唸らされます。

途中、いったん完成するモンスターの顔ですが、「あっち行っちゃえ!」と、今度は顔のパーツが一つずつ、その色の背景に消え、最後には残った黒目も元の真っ暗な背景に消えてしまうのです。

前半の暗闇から少しずつ浮かんでくるモンスターの顔、後半のカラフルな背景に消えていくモンスターの顔。ページをめくる度、「今度は何が増えたの?」「次は何が消えたの?」と、子どもの興味を引きます。

絵本の文が歌詞になっている歌の収録されたCD付きのものも出ているので、お子様と一緒に聞きながら楽しむのもアリですね。

近年、日本でもハロウィンが一般化してきていますから、季節感を感じさせる絵本としてもいかがでしょうか。

自分が好きということは、何もおかしいことじゃない

この作品は、『わたしと なかよし』という邦題で翻訳されています。

頑張り屋のブタの女の子が、何があってもわたしはわたし。わたしはわたしが好き!というお話です。

著者
Nancy Carlson
出版日
1990-05-15

日本人はナルシシズムに対してやたらと敏感で、あまり声を大にして「自分が好き」とは言えない風潮があり、同時に、平均から相対的に離れた特徴を欠点と見なし、改めるべき汚点と捉えることもなくはないでしょう。

しかし、「自分が好き」ということは、いちいち口にするほどのことでもないというだけで、日本でも自分を認め、自信に満ち溢れて見える人は好意的に受け入れられるのです。

自分を愛し、自分を磨き、努力を続ける人を嫌いと感じる人はそう居ません。この絵本のブタの女の子が素敵なのは、きっとそういうことなのです。

自分を大切にすることは、皆に愛される一番の近道なのだと、この絵本は教えてくれているのです。

4歳児に、難しい言葉なんて要らない

とにかく、溜め息が出るほど素晴らしい絵本です。ここまで完成度の高い絵本には、日本でもなかなかめぐり逢えません。翻訳するのがもったいないくらい、そのままを見て、感じて、受け止めていただきたい絵本です。

気持ちを伝えるということは、決して言葉だけでは成立しないのだということを、改めて実感させてくれます。

著者
Christopher Raschka
出版日

黒人の少年が、退屈そうにしている白人の少年に出会います。友だちがいないという白人の少年に、黒人の少年は手を差し伸べます。2人は意気投合。一緒に遊び始めるのですが、そこに難しい言葉は存在しません。

いつもより遠い公園に行った時、お互い名前を知らないのに、いつの間にか自然と仲良く遊び始める子どもの姿を見たことはありませんか?

大人は、互いの理解を深めるためについつい言葉を尽くしてしまいますが、顔を合わせているなら言葉なんてさして必要なかった頃が、私たちにもあったのです。

心を伝えるお話ですから、登場する少ない言葉に目一杯感情を込めて、心のこもった読み方をしてあげて下さい。

きっと、お子様にも言葉より大切ななにかが伝わるはずです。

メイシーちゃんのデビュー作、4歳に最適の英語絵本

ルーシー・カズンズの「メイシーちゃん」シリーズといえば、世界的にも人気のある絵本シリーズです。

アメリカで製作されたアニメ版は、日本でもNHKなどで2000年から放映されていました。

アニメはちょっと古いけど、今でも「メイシーちゃんのお気に入りシリーズ」というお菓子のパッケージにも使われています。

今回は、その「メイシーちゃん」シリーズの第1作をご紹介します。

著者
Lucy Cousins
出版日
1999-08-04

メイシーちゃんはそろそろ寝る時間。お気に入りのパンダのぬいぐるみと一緒に、カーテンを引いて、歯を磨いて、パジャマに着替えて……。あれ? パンダさんはどこに行ったの? 何か忘れてること、ない?

おやすみの時間になってから、メイシーちゃんが準備をして眠りにつくまでが、とても丁寧に描かれています。

決してドラマチックではない、余計なものを極力削ぎ落とし、必要なものだけを残して描かれたシンプルな日常劇は、正に誰の手にも届く身近な日常そのものです。

だからこそ、子どもたちの共感を強く得るのでしょう。おやすみ前の読み聞かせにうってつけの一冊です。

今回も有名な作家さんばかりで、翻訳されている作品がほとんどでした。しかし、翻訳されているということは、それだけ絵本があなたの手に届くまで、多くの人が介在したということです。絵本を原書で読むということは、英語教育以上に、「著者の心を素直に受け取る」という意味で大事な行為なのかも知れませんね。

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