はい、梅雨入りしましたー。ジメジメどんより湿気と気圧でこちとらいまいちテンション上がりませんが、生命力みっちみちの2歳児男子そんなの関係ねぇ、朝から長ぐつ履いて畑へ飛び出してゆきます。畑の畝で傘持って、種から芽が出るおまじないに余念がない。せめてパジャマ着替えてからにしてくれれば。これもすべてトトロのせい。ジブリめ、なんてことしてくれた。
ううう~~~ん、ぶわッ! ポンポンポンポンポンッ! ほい、出た、雑草の芽。蒔いたパクチーはなかなか顔を出さないが、雑草だけはすくすく伸びる。抜いても伸びる、踏んでも伸びる、切っても伸びる。うちが緑に飲み込まれるのもそのうちです。憎まれっ子世にはばかる。Weeds never die!
できればすべて見なかったことにして部屋に引きこもりたい。
草むしりなんてやってられっか。どうせ3日もすりゃ元通りだ。雑草だらけの庭は忘れて本でも読もうぜ。
本、読むのってね、目から取り込んだ文字情報を頭の中で情景として立ち上げて楽しむ、なんだろ、超個人的な脳内映画館? バーチャルリアリティ? いつでもどこでも、本開くだけで、現実世界からお手軽ランナウェイ。
だから、すてきな本に出合うともう、離れらんないの。片時も手から本を離さず、読み終わるや否や次の本へ。その様はもはやチェーンスモーカーかジャンキーか。シリーズものならさらに加速、延々ネバーエンディング。食事も睡眠もそっちのけ、落ち窪んだ眼窩からただ目だけがギョロギョロと。こうなるとすでに日常生活に支障が。魅力的な登場人物がいようもんなら、字面だけでも顔真っ赤、へえ~こういう時この人こんなことしちゃうんだ~キュン、あらこんなこと言っちゃって~キュンキュン、なにこれ擬似恋愛か、いやいや一方的に人の動向をひたすら注視、ページを捲るたびあのひとの名前を探す、文字相手にストーカーだ。ジャンキーで、かつストーカー。恐怖!
ずっと読んでいたいの。会えないと震えちゃうの。手が。これって禁断症状。お薬ください。はい、お薬コチラ、ドン。われが今渇望する本たち。手前勝手で恐縮ですが、暑苦しい愛だけでどーんといきますよ。
10DANCE
- 著者
- 井上 佐藤
- 出版日
- 2013-02-16
鈴木信也と杉木信也はそれぞれラテンダンスとスタンダードの日本チャンピオン。互いの専門ダンスを教え合い、10種類のダンスで競う「10ダンス」に挑戦することになったが……。
もともと竹書房の『麗人』というバリバリのBL誌で連載されていた作品が、なんやかんやあって1年以上連載を中断、その後、講談社の月刊誌『ヤングマガジン サード』に移籍、連載再開中。
はい、いきなりのBL、恐縮です。
4年前たまたま書店で、出たばかりの1巻をジャケ買いしたところ、絵柄の美しさと世界観にぞっこんフォーリンラブ、既刊の井上佐藤作品を一気に買い揃えました。ヨッ、大人買い!
まず、絵柄から漂う色香がね、たまんねえのですよ。中でもこの作品はダンサーの話なので、均整の取れた骨格としなやかな筋肉、肉体美っつーの、細マッチョっつーの、人体の美しさが際立ってます。それが踊っているシーンで見開きどーんと飛び込んできた日にゃもうあんた、ふーるーえーるー、つーの。
何より、どっかで読んだことあるような話、というのが、ないのです。きっちりストーリーで勝負、絵で勝負、作品によってはがっつりエロでも勝負という、もうほんとたまらん作家さんです。
翌2014年に待望の2巻発売。そこから待てど暮らせど続きが出ないなあと思っていたら、本誌で連載中断とな。ヘイヘイ。2巻終了時点でまだチューしかしてへんぞ。中断の理由も掲載されず、ご本人のTwitterも1年以上更新されず、こういう時、読者って、ただただ座して待つほかないんですよね。ああ無力なり。じっと手を見る。
そうしましたら昨年の秋、一般誌で連載再開とのお知らせがTwitter上に。ありがたや、電脳社会。つーかまさかの一般誌ですってよ、奥さま! それってBL大丈夫なの? やけに濃ォ~い友情話になってたらアタイ泣いちゃう!
私は基本的にマンガは単行本出るまで我慢派ですが、その辺心配なので、とうとう月刊誌に手を出しました。だって続きが気になって気になって、単行本待ってらんないんだもーん。
いやしかしまさか、齢42で月刊誌の発売日を指折り数えて待つ日が来るとは。高校の時の『花とゆめ』以来っすよ。発売日の数日前からそわそわしちゃう。思春期か。
でも、たまにはいいもんですね、月刊誌。あー、もう今月も終わりか、なんてね。あっという間に過ぎていく日々に、メリハリがついた気がしますですよ。
今のところ、もはやBL風味の本格競技ダンスマンガですが、でも全然いいの。読めるだけで幸せなの。10ダンスの道のりもまだまだ長そうだし、ゆっくりじっくり描かれることを祈っております。この夏ついに3巻が出るらしい。さらには講談社から新装版の1、2巻も刊行予定。祭りだわっしょい! ずっと長く待ちすぎたせいで、何だか全部夢みたい。早く夏にな~あれ。あはははは、うふふふふ。ほらこのイタい感じも思春期フォーエヴァー。
愚か者死すべし
- 著者
- 原 りょう
- 出版日
- 2007-12-01
もう、新作は書かれないのかしら。私立探偵・沢崎シリーズ。長編第2作『私が殺した少女』では直木賞もとりましたね。
第2作から第3作の『さらば長き眠り』が出るまで約5年、そこから第4作となる本作が出るまで9年。ほんとにここまで長かった。やっと出たこの本の帯には大きく
『新・沢崎シリーズ、第1弾 伝説の男が、帰ってきた』
おかえりィ~~~、沢崎ィ~~~! 三軒茶屋の書店で平置きされたこの本見つけたとき、マジでその場で小さく飛びました。第1弾ということは、次も、ある。わーいわーい、欣喜雀躍。人って飛べるのね。空も飛べるはず~~~。
あれから13年。帰ってきたはずのあの人はそのままどこへ。わたし、沢崎の年齢をも飛び越えてしまいそうよ。このままでは次作で沢崎は、ヨボヨボ要介護探偵になっているやも。そんなの、いやいや!
ジャンルとしては、ハードボイルドですが、本格ミステリとして読みごたえあり。とても緻密に、綿密に、練り上げられています。面白いぞ。なんつっても、主役の沢崎(四十代・男性)の佇まいが、すげかっこいいんすよ。揺るがない芯を持つ男。生活臭がなくて、いつも平静。しかし別にかっこつけてるわけでもない。古いブルーバードに乗り、両切りの缶入りピースを吸っている。わたし、この人に憧れて、昔タバコ吸ってた頃その銘柄はピースでした。
……と、今ふと違和感を覚え、画像検索しましたら、間違えてずっとホープを吸ってたことが判明。まじでか!