私の好きなジャンルの本は、読んだ後に精神的に苦しくなる作品が多いです。ですから、私が本を読む時は心身ともに健康状態でなければなりません。五月病の時にそんな本はとてもじゃないけれど読めませんよね(笑)。皆さんも次に本を読む時は、自分の心と身体と相談しながら、読む本のジャンルを決めてみてはいかがでしょうか。しかし今回は、そんな五月病の時でも読める恋愛小説という括りで、本をご紹介したいと思います。
百瀬、こっちを向いて。
映画化された作品ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。この小説は、少女漫画のような青春の甘酸っぱい1ページを覗いているような気持ちになります。
といっても、浮気が彼女にバレそうになったから、浮気相手と付き合ってるフリをしてくれ!とお願いされたことから始まる話なのですが(笑)。なかなかありませんよね、そんなシチュエーション。ですが、それが小説の世界なのです。
偽装恋愛から始まる、登場人物達の感情の変化を、ぜひ覗いてみてください。この作品の中にある書き下ろしの「小梅が通る」も好きで、何十回も読んでるので、合わせて読んでみてくださいね。
僕の好きな人が、よく眠れますように
このお話は、簡単に言うと「不倫」の話です。でも、こんなにもピュアな不倫があるのか!と感じるお話でもあります。ピュアな不倫。想像もつかないですよね(笑)。途中から、不倫の話だと忘れてしまうくらい、作者の言葉選びや、ストーリー性が素敵な作品です。
個人的にこの作品を読むと、「人間は行動を約束することはできても、感情は約束できない」という言葉を思い出します。ニーチェの言葉ですね。本当にその通りだと思います。ですが皆さん! これはあくまで小説の中のお話だという事をお忘れなく! 現実にはないものを味わうことができる。これぞ、小説の醍醐味です。