五月病っぽい気分の時でも楽しめる恋愛小説

五月病っぽい気分の時でも楽しめる恋愛小説

更新:2021.12.13

SUPER☆GiRLS・内村莉彩です。桜の花も散りゆき、初々しい緑の葉が顔を覗かせ始めた今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。4月から新生活が始まり5月になった今、「五月病」という言葉を耳にする機会が増えたのではないかと思います。今回はそんな気分の時でも読める恋愛小説という括りで、本を紹介します。

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私の好きなジャンルの本は、読んだ後に精神的に苦しくなる作品が多いです。ですから、私が本を読む時は心身ともに健康状態でなければなりません。五月病の時にそんな本はとてもじゃないけれど読めませんよね(笑)。皆さんも次に本を読む時は、自分の心と身体と相談しながら、読む本のジャンルを決めてみてはいかがでしょうか。しかし今回は、そんな五月病の時でも読める恋愛小説という括りで、本をご紹介したいと思います。

百瀬、こっちを向いて。

著者
中田 永一
出版日
2010-08-31
映画化された作品ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。この小説は、少女漫画のような青春の甘酸っぱい1ページを覗いているような気持ちになります。

といっても、浮気が彼女にバレそうになったから、浮気相手と付き合ってるフリをしてくれ!とお願いされたことから始まる話なのですが(笑)。なかなかありませんよね、そんなシチュエーション。ですが、それが小説の世界なのです。

偽装恋愛から始まる、登場人物達の感情の変化を、ぜひ覗いてみてください。この作品の中にある書き下ろしの「小梅が通る」も好きで、何十回も読んでるので、合わせて読んでみてくださいね。

僕の好きな人が、よく眠れますように

著者
中村 航
出版日
2011-01-25
このお話は、簡単に言うと「不倫」の話です。でも、こんなにもピュアな不倫があるのか!と感じるお話でもあります。ピュアな不倫。想像もつかないですよね(笑)。途中から、不倫の話だと忘れてしまうくらい、作者の言葉選びや、ストーリー性が素敵な作品です。

個人的にこの作品を読むと、「人間は行動を約束することはできても、感情は約束できない」という言葉を思い出します。ニーチェの言葉ですね。本当にその通りだと思います。ですが皆さん! これはあくまで小説の中のお話だという事をお忘れなく! 現実にはないものを味わうことができる。これぞ、小説の醍醐味です。

暗いところで待ち合わせ

著者
乙一
出版日
私の一番好きな作家さんです。小説を好きになるきっかけになった本も、乙一さんの作品でした。この作品は、目の見えない女の子の家に、警察に追われてる男の人が逃げ込んだことから始まる、奇妙な共同生活の話です。

よくよく考えてみると、恐怖でしかないですよね。自分の家に、知らない男の人がいる。おまけに警察に追われてる人。でも自分は目が見えなくて。雰囲気で違和感は感じ取ってるんです。ここだけ聞くとホラーですよね。

ですが、2人で生活していくうちに、いろいろな感情の変化がおきるのです。読んでるこっちはヒヤヒヤするのですが、ラストは涙が溢れるような……。私も今書きながら読み返したくなりました。何度でも読みたい一冊です。

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