漫画『先生！』の魅力を登場人物から徹底紹介！【ネタバレ注意】

更新：2021.12.22

生田斗真、広瀬すず主演で映画化される少女漫画『先生！』。不器用な先生と生徒の恋愛模様を描いた作品です。「そこらへんにある」ような王道展開でありながらも読者を引きつけてやまない本作の魅力をご紹介します。ネタバレを含みますのでご注意ください。

『先生！』は設定以外、案外普通の「そこらへんにある恋」！？

先生! 1 (集英社文庫(コミック版))

著者

河原和音

出版日

2006-08-10

先生と生徒の恋、という禁断設定以外は「そこらへんにある恋」、よくある話に見える本作。ともすれば地味とも言えるかもしれません。

しかしそんな本作が1997年1巻発売から今でも売れ続け、20巻完結という長編作品となり、2017年10月に生田斗真、広瀬すずという豪華キャストで映画化されるほどの人気があるのは、その「普通の恋」が共感度抜群だから。

地味な分身近である「普通の恋」ですが、それを物語として成立させるのはかなり難しいもの。「そこらへんにある恋」をただのよくある話で終わらせないのが『先生！』のすごいところなのです。今回はその魅力をお伝えします！

主人公・島田響の魅力：まっすぐな言葉で気持ちを語る王道ヒロイン！

先生! (2) (集英社文庫―コミック版 (か42-4))

著者

河原和音

出版日

2006-08-01

『高校デビュー』や『青空エール』、『俺物語！！』の原作などで人気の漫画家・河原和音。彼女の作品は主人公のまっすぐさが際立った作品が多いことも人気のひとつです。

『先生！』でも登場人物たちは純粋。特に主人公の響のモノローグは共感度抜群です。高校生ながら恋愛をしたことがなかった彼女は親友たちが恋愛する様子を見て他人事のようにこう思います。

「なんでみんなわかるんだろう　自分がその人を好きだってわかるんだろう」

確かに頭で考えるとその人が本当に好きなのかどうかは片思いの人はもちろん、付き合っているふたりでもあやふやなもの。響は突き詰めても答えの出ないものに真面目に向き合ってしまうような、少し不器用な性格なのです。

しかし教師である伊藤と関わるようになって少しずつ恋を知っていきます。

「まもられてた人がいるんだ　あの手に」

先生としてしか見てなかった彼に恋愛経験があるということを聞いてぼんやりとそう思う響。彼女のモノローグは読者の過去の経験に響くような共感度抜群のものです。

実写映画作品では広瀬すずがその役を演じます。

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「先生」伊藤貢作の魅力：スローに進む恋に優しい人柄が表れる！

先生! (3) (集英社文庫―コミック版 (か42-5))

著者

河原和音

出版日

2006-10-01

生徒である響と教師である伊藤。その立場上、恋心もゆっくりと芽生えていきます。

もともと伊藤の授業で答える時にだけ声が上ずって高くなっていた響。その時から伊藤を少し意識していたようですが、それにはあくまで無自覚でした。

しかし伊藤の優しい人柄、そして頼りになる一面が、彼女に少しずつ異性として意識させるきっかけをつくっていくのです。

意外に抜けているところのある性格や、不審者から助けてくれた大きな手、困っている時に気づいてくれて自然にフォローする行動ができることなど、物珍しい展開ではないものの、伊藤の体温が感じられるような優しい展開がなされます。

その伊藤の優しさと、響の不器用な性格から本当に少しずつ、少しずつ進んでいく様子は、読者の心を暖かくさせます。響が伊藤の優しさに触れてもなお自分では無自覚で、それでいてヤキモチを焼いたり、不安になったりするところはとても可愛らしいです。

ある程度大人としての余裕と、生来の優しさを持った、響から見る伊藤。彼が少しずつ「先生」から「ひとりの男性」に変わっていく展開は彼女でなくとも好きになってしまいそうな魅力に溢れています。

実写映画作品では生田斗真がその役を演じます。

好きになるのも、それに気づくのもスローなふたりの恋愛展開は、序盤からものすごくハマる！という急展開はありませんが、気づくと物語に深くはまっている、優しくて強い魅力があるものです。

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「先生」伊藤貢作の魅力：設定が教師フェチにはたまらない！

先生! (4) (集英社文庫―コミック版 (か42-6))

著者

河原和音

出版日

2006-10-01

主人公の響は不器用ながらもまっすぐな性格ですが、伊藤も女性にはたまらない設定をいくつも持っている、不器用で魅力的な登場人物です。

まずはその見た目。「電柱みたい」な長身、黒髪メガネ、タバコにスーツ、不愛想なのに笑顔が可愛いなど、フェチにはたまらない先生です。

そしてギャップのある内面。最初はミステリアスな印象の彼ですが、徐々に抜けている部分や人間味のある表情を見せ、過去のちょっとしたトラウマから恋愛に臆病になっていることが明らかになるなど、ギャップで読者を引きつけていきます。

好きな人にはたまらない見た目、第一印象と内面ギャップがたまらない伊藤も読者をキュンキュンさせるゆえんなのです。