ちょっと疲れたときに読みたいサプリ本

更新:2021.4.12

春も過ぎ、新生活、または新年度を迎えた方や、ご家族にそういった方がおられる方も、そろそろ落ち着いてきた頃でしょうか。しかし、梅雨も半ばを過ぎ、最初の意気込みはどこへやら、そろそろ疲れが出始めたり、やる気がなくなってきたりする方もいると思います。現実はなかなかうまくいかないこともありますね。そんなカサカサに疲れた心をちょっと潤す本をご紹介します。

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仕事のことや、人に対して前向きになれる

最初はあまりやる気のない人が途中から頑張りだすお話って、やっぱり刺激されるものがありますよね。よーし! 自分ももう少し頑張ってみるかな! と思わせてくれる作品が私は好きです。

歯医者さんが苦手だという主人公が歯科医院の受付で働くようになるところから『シンデレラ・ティース』の物語はスタートします。なぜ苦手なのに主人公が働くことになったのかはここには書きませんが、理由は違うにせよ、私も苦手な接客の仕事をしていた時期があります。

喋るのは得意ではないので本当ならば避けたい所ですが、私はあえて飛び込んでみました。むしろ苦手なので選んだと言ってもいいかもしれません。その仕事に魅力を感じる所があったからというのももちろんありますが、仕事となればやるしかなくなって逃げられませんし、その中で話すのが苦手なのを克服したいという気持ちもありました。その分、辛いと思う時もありましたが、本当にやって良かったと今では思っています。

接客業は毎日違うことが起こります。人と関わる分、この物語に出てくるように苦手なタイプの人と関わらなければいけない時も出てきます。最初はどう接したら良いのか分からず悩んだりもしますが、「一期一会」だと思って一歩勇気を出すことが大切だとこの物語でも教えてくれます。

最後の章に出てくるフレッチャーさんの「ぜいたくでない自然の食べ物を、楽しく、ゆったり良く噛んで食べること。それが健康への道。」という言葉を読んで、フランスでの食卓を思い出しました。毎週、休日のランチは何時間もかけてテレビもつけずに家族で最近のことや自分の想いなんかを話したり聞いたりしながら、夕方までのんびり食べていたことが懐かしくなりました。朝のマルシェで買った色とりどりの新鮮な野菜や焼きたてのバゲット、パテ、チーズ、鶏の丸焼きなどどれも大した値段もせずに買えるのにすごく美味しかったですし、それを家族でワクワクしながら食べていたことがなにより幸せな時間だったと思います。その時だけは毎日の疲れやストレスから解放されたような気持ちでした。1人で食事をする時もゆっくり食べている時の方が気持ちが落ち着いてきます。そんな“時間をかけて味わう”ということが健康やダイエットに繋がるというのは嬉しいことです。

日本に帰国してからはそれぞれが時間に追われ、家族揃ってゆっくりご飯を食べるということがほとんど無くなり、食事の時間もどんどん短くなっていきました。もう食事の時間を楽しんでいない自分に気付いたこともあります。でも食べることはやっぱり好きなので、また食事を楽しまずに時間にだけ追われる日々に慣れてきてしまったら、このフレッチャーさんの言葉を思い出したいと思います。

著者
坂木 司
出版日
2009-04-09

なにかの大切さに気付く作品

死んでしまう感動物語に最初からつい心を固くしてしまうようになったのは、若い時期にブームだった“死で泣ける”という物語や映画などがあまりにも流行ったせいかもしれません。たしかに心を動かされるテーマですし、自分でもそのテーマで何か書くことがしばしばあります。それなのにあまりにもそういった話ばかりが溢れすぎると少し引いてしまうという身勝手な性格なので、この本もタイトルに“四十九日”と付いていることで、そういったタイプの話なのかと始めは少し構えながら読み始めました。

しかし『四十九日のレシピ』はちょっと一味違うお話でした。

それぞれに色々な想いを抱えた登場人物が出てきて、冒頭から人が亡くなるお話と聞けば、なんだか暗そうだと思うかもしれませんが、不思議に暗さをそんなには感じないお話になっています。読み終わる頃にはなんでだろう、あんなに固くしていた心がとかされて、温かい涙が流れていました。

時折、心のメモに書き記しておきたくなるような文が出てきます。私がメモしたのは「パトカープラス信号で健康ごはん」、「川はすべての境目。あの世とこの世、理想と現実、過去と未来、狂気と正気、あらゆる相反するものの境目で、川はすべてを水に流して進んでいく」、“夢は叶う!努力は報われる!”という垂れ幕に対して本当はこうだと語るところなどなど。私も川を眺めるのが好きで、学生の頃から悩み事があるとよく川の所でずっと眺め続けたりしていました。

今回、久しぶりに読んで、ストーリーも分かっているし前より落ち着いて読めるだろうと思っていたのですが、歳を取るほどに響くところが増えるみたいで、何回も途中で鼻をかむことになりました。そして気になるのは、読了後にどれくらいの方が塩ラーメンにバターを入れてみたのかということです。
 

著者
伊吹 有喜
出版日
2011-11-02

悪いやつなのに憎めない

この『わるい本』は大人の絵本+写真集のような本です。主人公はわるもの。1ページ1ページめくるごとに心にちょっとチクッとくるような言葉が並んでいます。わるものが自分に重なって見えてくることもあります。読み終わる頃には心の刺をわるものがそっと抜いてくれているかもしれません。そしてまた疲れが溜まってきた時にもう一度この本を開いてしまうことでしょう。

私はアランジアロンゾが昔から大好きでした。シンプルな顔つきなのにとても表情豊かに感じるのがアランジアロンゾのキャラクターの魅力。『わるい本』も好きですが、『どこへいくカッパくん』も好き! 合わせて読むとさらに癒されます。ちょっとシュールで、切ない感じが好きな方にはおすすめです。

ちなみにこのアランジアロンゾは愛・地球博のメインキャラクターのモリゾーとキッコロやたまごクラブ・ひよこクラブのキャラクターのデザインでも有名ですね。

著者
アランジアロンゾ
出版日
著者
アランジアロンゾ
出版日

ぽっかり空いた心の穴を優しくうめてくれる王子さま

世界中で愛されている『星の王子さま』は聖書に次ぐロングセラーとして有名ですね。私の人生にも深く関わってきた『星の王子さま』は、少し寂しかったり、空虚な気持ちに襲われた時にこそ読みたくなります。幼い頃からこの歳になるまでたびたびこの『星の王子さま』が私の前に現れて、そのたびに私の手をそっとつかんでくれました。私にとって小さな灯火のような作品です。

無駄な部分が1つもなく、たくさんのメッセージに溢れたお話です。自分の歳や読むときの状況に応じて、何通りにも伝わってくるものが変化するので何回読んでも新鮮なものがあります。読み終わった後に夜空を見上げると、王子さまの鈴の音のような笑い声が聞こえてくるかもしれません。そうして少し切なくてそれでいてどこか温かいような気持ちになります。

児童書としても取り扱われているので、子供の時に読み、難解で途中で読むのを断念してから敬遠されている方ももしかしたらいるかもしれません。しかし大人になって最後まで読んでようやくこの物語の奥深さに気付くという方も多いようです。

今はたくさんの新訳本が出ていますので、分かりやすい文体の本もあります。それでももっと優しくてポジティブなものが良い、または原文のフランス語が好きという方がもしいらっしゃるようでしたら、拙作『『星の王子さま』が話してくれた世界一幸せになれる33の言葉』も気が向きましたらチラリと開いてみてくださいませ。こちらは読んでくださった方に元気になってほしい、幸せになってほしいという一心で気持ちを込めて書かせていただいた本です。

疲れた時は一度“大人メガネ”を外してみませんか?

著者
サン=テグジュペリ
出版日
2000-03-10
著者
福本 舞衣子
出版日
2015-11-16

新生活疲れだけに関わらず、どんな人もふと元気がなくなる時があります。そんな時に自分も読みたいな、元気がない大切な人に読んでほしいなと思う本をセレクトしてみました。

今、本当に辛い状況に置かれている方や、とても平和な日々のはずなのに毎日に嫌気がさしてしまったり、やる気が湧かなかったりするという方もいると思います。そんな時は一度ちょっと休憩して、紙とそこに書いたものだけで底知れない力を持った本というものからも少し元気をもらってくださることがあればという思いで今回テーマを決めました。

みなさんの明日が良い日になりますように。