料理家、そして文筆家の高山なおみをご存知ですか?本は読んだことないけど、名前ぐらいは聞いたことがある、という人もいるかもしれません。美味しくて、読んでいるうちに思わず何かつまみたくなってしまう……そんな高山なおみの本を紹介していきたいと思います。
高山なおみは、1958年に静岡県で生まれました。1990年から2003年まで東京・吉祥寺にあった料理店「諸国空想料理店 Kuu Kuu」のシェフを務めます。こちらのお店は多くのお客さんに愛され、閉店する際は1週間にわたってクロージングパーティーが催されたそうです。
その後、お店の閉店に伴い料理家、文筆家としての活動に専念することに。2004年からはNHKの「きょうの料理」に出演。2014年にはNHKで放送されたドラマ「昨夜のカレー、明日のパン」で料理監修を務めました。
スパイスを使った多国籍な料理から素材の良さを引き出すシンプルで力強い料理まで、高山なおみの提案する料理はどれも魅力的です。
高山なおみが提案する厳選92品のレシピが掲載された1冊です。
「ご飯がすすむおかずいろいろ」「豚かたまり肉で」「冬は鍋もの」「カレーライスいろいろ」「ご飯もの」「カンタン麺ものとスナック」テーマごとにさまざまな料理が紹介されています。
「諸国空想料理店Kuu Kuu」で働いていた時に作っていた料理のレシピも載っているのです。とは言え、どれも気軽に挑戦できるものばかり。
- 著者
- 高山 なおみ
- 出版日
- 2007-11-24
「毎日のごはんなので、肩ひじはったものじゃなく、気軽なのがいい。だけど、ちょっとでもおいしく、つい、くり返し作りたくなってしまう『いつもの』」とあるように、どのレシピで使用されている食材も近所のスーパーで手に入るものばかり。
また、イカのさばき方や包丁の研ぎ方など、料理をする時に知っておきたいことを写真と共にわかりやすく説明しています。料理初心者の人にもぴったりな一冊。
今日はどのおかずにしようかな?この本があれば、献立を考えるのもきっと楽しくなるはずです。
高山なおみの日々の食卓風景を、写真とレシピでまとめています。
こちらの本は上下巻に分かれていて、上巻は1月から6月まで、そして下巻は7月から翌年の1月までの記録となっています。
料理を撮った写真が時々ぶれていたり、レシピが手書きだったり、はたまた記録するのを忘れて「記録なし」となっていたり……良い感じに力が抜けた本で、読んでいるとなんだかホッとできるでしょう。
- 著者
- 高山 なおみ
- 出版日
- 2009-05-01
写真に記録された食卓風景を見て「あ、これ美味しそう!」と思ったら、レシピを見てすぐに自分でも作ることができるのです。
そして、高山なおみの作る料理はどれも色とりどり!見ているだけで食欲が……。他にも器の使い方や、料理の盛り付け方も参考になります。
料理家という職業柄、どんな凝ったおかずを毎日作っているんだろう……と思いきや、チキンラーメンだけの時もあるなど、なんだか親近感が湧くことでしょう。
「自分の暮らしている武蔵野の、いつが本当の旬なのかを知りたくて、そんなこともメモしていました。」(『チクタク食卓<上>』から引用)とあるように、この本を読んでいると「旬のものを、その時一番美味しい状態で食べたい」と思うようになります。
せっかく四季のある日本に生まれたのだから、季節の変化を感じながら日々のご飯を楽しめると素敵ですね。
高山なおみのホームページ「ふくう食堂」に掲載している日記を本にまとめたもの。1から12巻まで出ています。ちなみに、ホームページのタイトルに使われている「ふくう」とは、「福を食う」という意味だそうです。
こちらの1巻は、まだ高山なおみが「諸国空想料理店Kuu Kuu」で働いていた頃の日々が綴られています。
また、続編にあたる「帰ってきた 日々ごはん」シリーズも2017年現在2巻まで出ているので、『日々ごはん』を読破したらぜひこちらも読んでみて下さい。
- 著者
- 高山 なおみ
- 出版日
- 2004-06-01
日々のとりとめもない出来事が綴られているエッセイ。仕事のこと、家庭のこと、そして美味しいご飯のこと……。さらっと読める文章なので、ちょっと時間が空いた時におすすめな本です。
本の中に登場するさまざまな料理は、どれもシンプルだけどとても美味しそう。高山なおみのエッセイは、読んでいるとついついお腹が空いてきてしまいます。
巻末には文章の中に出てきた本を紹介する、「このころ読んでいた、おすすめの本」も。高山なおみの生き方に興味を持った人は、ぜひチェックしてみてください。
高山なおみの処女エッセイ集。この本は、東京・吉祥寺にあった多国籍料理のお店「諸国空想料理店Kuu Kuu」の店内フリーペーパーに連載していたエッセイをまとめたものです。
「諸国空想料理店Kuu Kuu」での日々の出来事、さまざまな国で出会った料理、そしておすすめのスパイスの話など……。初めてのエッセイ集ということで、みずみずしい文章に引き込まれます。
読んでいるうちに、いつの間にか自分も世界中を旅した気分になれるでしょう。
- 著者
- 高山 なおみ
- 出版日
- 2005-03-01
ペルーのシェビーチェ、ネパールのチベタンモモ、インドのチキンビリヤーニ……どんな味がするのか想像もつかない、日本ではあまりなじみのない料理たち。しかし、文章を読んでいるうちに不思議とスパイスの香り、味、料理の彩りなどが頭に浮かんできます。
いろいろな国でその土地の料理を食べてきた高山なおみ。その経験が「諸国空想料理店Kuu Kuu」で出す料理に活かされているのです。
本の中に登場する、彼女の料理家としての原点とも言えるこのお店。読み終える頃にはきっと行ってみたい!と思うはず……しかし、残念ながらこちらのお店は2003年に閉店しています。一度は行ってみたかった、と切望することになるでしょう。
雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載していた、本にまつわるエッセイをまとめた一冊。ちなみにタイトルの「はなべろ」とは、「鼻とベロで味わった本の話」という意味だそうです。
そのタイトルの通り、高山なおみが読んだ24冊の本に登場する美味しいものをレシピで再現しています。『ことり』の豆のポタージュスープ、『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』の卵としらすのチャーハン、『ムーミン谷の十一月』の肉桂ビスケ……どれも美味しそうですね。
- 著者
- 高山 なおみ
- 出版日
- 2014-11-07
布団の中に潜り込みながら、はたまた畳の上にごろりと寝っ転がりながら……高山なおみの自由にリラックスしながら読書する様子は、とても親近感が湧きます。生活の一部に読書が当たり前にある、という感じ。
そして、彼女はとても感受性が豊かなようです。涙を流しながら読むこともしばしば。感受性が豊かな人だから、あんなに素敵な料理を作ることができるのかもしれません。
本の紹介と共に、美味しそうな料理のレシピ。その本を読みたくなると同時に、実際に料理を作って食べてみたい!となるはずです。
本と料理、どちらも楽しめるお得な一冊。ぜひ、読んでみてください。
シンプルに、食材そのものの良さを大切にしている高山なおみ。彼女が提案する料理のレシピは、決して難しくかしこまったものではありません。料理が得意じゃない……そんな人もぜひ、彼女の本を手にとってみてください。きっと素敵な美味しいものに出会うことができますよ。