清野とおるは高校在学中にデビューをした凄腕で異色の漫画家です。メディア化作品をも生み出しています。今回は、そんな清野とおるのオススメ漫画4作をご紹介します。
本名、清野通。1980年3月24日生まれの漫画家です。また、エッセイストでもあり、元同人作家でもあります。作品だけではなく、作者自身も数々のテレビ番組に出演していた事もあります。
1998年、高校在学中『ヤングマガジン増刊青BUTA』に掲載された『アニキの季節』で、漫画家としてデビューしました。独特の絵と作風の持ち主で、不条理漫画には定評があります。
清野とおるは、大変複雑で凄惨な幼少期を過ごしていました。通っていた保育園は園長が児童虐待を行う「地獄保育園」という苛酷な環境。作者自身も、ニワトリ小屋に閉じ込められたり強制的に土下座をさせられたりしていました。
小学生の頃には全裸の男と遭遇したり、ブリーフだけの変態男と公園で遊んだりと裸の男と遭遇しがちな清野でした。また、中学生時代では、なぜか「ヨーグルト教」なるものを開祖し、清野は「教祖」になっていました。現在でも「ヨーグルト教」と検索してみると、「ヨーグルト教」の歴史などを綴った謎のWebサイトが存在しています。
高校生から漫画を描くようになり、連載を持つようになりますが半年で終了。実家にいるのがいたたまれなくなり、東京都北区赤羽に引っ越しました。そして、赤羽での環境が清野の創作活動に大きな影響を与えています。その後も、何度かネームなどを送るが全てボツに。しかし、諦めずに活動していた結果、見事数々のヒット作を生み出す事になりました。
独特の絵と不条理の世界観が、読む人を不思議な世界に誘います。読めばやみつきになる、人を虜にさせる作品ばかりです。
『モーニング』に2014年に読み切りとして掲載され、その後、別の漫画雑誌にて2015年まで連載されていました。そこからは2016年に『モーニング』へと移籍し、2017年現在でも連載中です。2016年にこの作品を原作にしたフェークドキュメンタリードラマが放送されました。
- 著者
- 清野 とおる
- 出版日
- 2015-06-23
1話完結のストーリーで、日常の特に気にならない・取り上げる必要も無いものにこだわりを持つ「こだわり人」に焦点を当てた漫画となっています。
「ツナ缶にこだわる人」「ポテトサラダにこだわる人」など、何かしらにこだわりを持っている人の「おこだわり」ぶりをレポートしているエッセイ風の漫画です。あまりのこだわりぶりに、作者自身がツッコミを入れている所も作品の魅力的と言えるでしょう。
どうでもいい事に全力を注いでいる人達のシュールさに思わず笑みがこぼれてしまいます。
この作品を読むと、ついつい紹介された商品などを実際に手に取ってしまうのではないでしょうか。
2作目は『全っっっっっ然知らない街を歩いてみたものの』です。
『実話漫画ナックルズ』(ミリオン出版)で不定期連載をしていましたが、雑誌自体が廃刊となり、連載がストップしました。
タイトル通りの漫画で、主人公が今まで一度も行った事のない未開の街を何の情報も得る事もなく向かい、目的のない徘徊をするという物語です。
- 著者
- 清野 とおる
- 出版日
- 2013-07-12
作者自身が現地に赴き、都市伝説のある街や全く聞いたことのない駅名など事細かく漫画に描写しているので、読者自身も知らない街を一緒に歩いている気持ちになりながら読むことができます。大人の方は、全く知らない街の飲み屋に入るドキドキ感は理解出来るのではないでしょうか。
いつもは行かない見知らぬ街を開拓してみようと思える、そんな作品です。
清野とおるが初めて描いたノンフィクションの「グルメ漫画」です。2014年に『週刊SPA!』で連載されました。清野とおる特有の独特な画風が妙なリアルさを感じて、大した物じゃなくてもなぜか美味しそうに見えてしまいます。
嫌な思い出があって食べる事が出来ない「トラウマ飯」なるものを実録漫画として掲載し、作者自身の壮絶な保育園での経験が作品内にて語られているのです。また、読者から送られてきた「トラウマ飯」に関するエピソードも漫画内に載せられています。
- 著者
- 清野 とおる
- 出版日
- 2015-10-09
登場人物が苦しそうに食べている姿や強い個性を持つ人々が作者の独特な絵によってシュールさに磨きがかかっているので、思わず笑いが噴き出ること間違いないです。独特の世界観に飲み込まれ、あまりの没入感に読んでいる読者もトラウマになるかもしれませんね。
この作品の影響は大きく、売り切れる商品が続出した事もありました。
2017年7月現在、webサイト「日刊SPA!」にて何作か無料公開しているので、そこでこの作品の一部を読む事が出来ます。きっと続きが読みたくなるでしょう。
清野とおるによる、異色なグルメ漫画をぜひ読んでみてください。
この作品は、「町中華探検隊」という町中華好きの集まりによるレポートを、清野とおるによってイラスト化された著書となっています。「北尾トロ」「下関マグロ」「竜超」による町中華愛で溢れたエッセイ風の作品です。
町中華とは、美味しくて安く、かつ簡単に満腹になる程のボリュームを併せ持つ昔ながらの中華店の事を言います。そんな町中華の魅力とは、美味しい物が店の主料理とは全く関係ない所にもあるでしょう。ラーメン屋なのにカレーライスが美味しかったり、中華のお店なのにナポリタンが美味しかったりするのです。
気軽に裏メニュー的な料理を食べることが出来ることが、町中華の最も魅力的と部分と言えるでしょう。
- 著者
- ["町中華探検隊", "北尾 トロ", "下関 マグロ", "竜 超"]
- 出版日
- 2016-08-19
この作品には、観光地にある町中華の情報がとても興味を惹かれるように出来ています。スカイツリーや秋葉原、吉祥寺などの有名な場所にある町中華を探検隊が実際に赴き、その情報を載せているので観光ついでに町中華に寄ってみようと思えるはず。
清野とおるによる独特な画風が、町中華のお店に「味」を持たせているため、作品の魅力度がグンと跳ね上がっているのです。
「観光でお金ない……」という観光客やお金が無くて苦しんでいる学生などに役立つ情報ばかり。パンフレットには載っていない、町中華好きによって書かれたこの作品、ぜひこの本を片手に町中華を訪ねてみませんか?
清野とおるによって描かれる異色な漫画の数々。不条理さとシュールさが際立つ数々の作品は、きっとあなたを不思議な世界に誘ってくれるでしょう。ぜひ、一度お手に取ってみてください!