こんにちは。藍坊主ヴォーカル、hozzyです。今回のテーマは文面だけ見るとひどく暗いですが、決して読んで沈んでいくだけの小説たちではありません。むしろ負の力が力強く刺さってくるがゆえに、立ちのぼるリアリティ。そこからから沸き上がる、取り繕う必要も無い剥き出しの生きることに対する喜び、・・・等々。今回紹介させていただく3冊にはそれらが強烈に凝縮されています。
これを初めて読んだ時、人間というものが心底恐ろしくなりました。ヤクザやチンピラがよくでてくるハードボイルドものの小説にはまっていた頃だったので、えぐい描写には割と慣れていたのですが、こんな暴力の方向があるんだと、この小説を読んだとき色んな意味で興奮して眠れなかったです。肉体的に「痛い」ってことと精神的に「痛い」ということの違い。それを明確に示されたような気がします。
- 著者
- 三島 由紀夫
- 出版日
この本を知ったのは、西田幾多郎という哲学者にわけも解らず惹き付けられてハマっていたときに、内容をどうしても理解してみたい!と関係書籍を色々と漁っていたら、辿り着きました。木村敏さんという西田幾多郎の影響を受けた精神科医の存在を経由してだったと思います。西田幾多郎の哲学は結局わかったようなわからないような状態で今も興味の対象ですが、この小説は一撃で脳髄に届きました。とても危うくて面白い話です。
- 著者
- 玄侑 宗久
- 出版日
- 2005-12-22
辻さんの本を始めて読んだのは高1の頃、『音楽が終わった夜に』というエッセイでした。本の事などよくわからなくてCDのジャケ買いのように本を「タイトル買い」していた時だったので、「音楽」の名がつくものは良く手に取っていました。当時だったら間違いなく『白仏』というタイトルには、失礼ながら無反応だったでしょう(笑)。
- 著者
- 辻 仁成
- 出版日
- 2015-08-20
本と音楽
バンドマンやソロ・アーティスト、民族楽器奏者や音楽雑誌編集者など音楽に関連するひとびとが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、写真集にビジネス書、自然科学書やスピリチュアル本も。幅広い本と出会えます。インタビューも。