帰り際に外で飲む缶ビールがなんとも美味しく感じる夏に感謝。ついつい飲み過ぎてしまう日々。つい先日29歳になりました、結城洋平です。この本を読んで、一風変わった授業をする高校の英語の先生を思い出しました。
高校の英語の先生、S先生は英語が大嫌いだと言いました。しかし、英語を知らずに英語が嫌いと言うだけでは、ただの英語嫌いになってしまう。ちゃんと英語を知ったうえで嫌いでいたい。その思いから英語を勉強するのだ。と、なんとも変わった理屈の持ち主の先生の授業も少し変わっていて、英語の授業なのに日本の映画を観ました。異文化理解と称したその授業で観たのは「下妻物語」。ヤンキーの女の子とロリータの女の子が心を通わせ認め合い協力して行く物語だったのですが、これこそが異文化理解だと言うのです。ヤンキーという文化、ロリータという文化、それぞれ全く違う文化の持ち主がお互いを認め合い協力していく、高校生の結城は深く納得しました。そして村上海賊の娘を読み、ふとそんな授業の事を思い出しました。今の都道府県が一つの国として考えられ、独自の言葉や風習が発達していた戦国時代の国々が敵対し競い合うなか、領地を守るために認め合い協力していく物語はまさに痛快でした。
そんな戦国時代で屈強な男達がしのぎを削るなか、一途な想いだけで男達を動かす娘、村上海賊の娘に、こちらの心までも動かされてしまいました。
- 著者
- 和田 竜
- 出版日
- 2016-06-26
- 著者
- 和田 竜
- 出版日
- 2016-06-26
- 著者
- 和田 竜
- 出版日
- 2016-07-28
- 著者
- 和田 竜
- 出版日
- 2016-07-28
日本一の海賊と言われた村上海賊の当主、村上吉武の一人娘、景(キョウ)。この20歳の男勝りな娘に驚かされ、落胆し、唖然とさせられ、ワクワクし、景の言葉や行動に一喜一憂して最後までドキドキしながら読んでしまいました。
話は少し変わりますが、私はお酒が好きで飲み過ぎてたまに記憶が無くなってしまう事が、しばしばあります。この本の中でも、ポルトガル人のカトリックの司祭 ジョアン・ロドリーゲス氏が日本人のお酒の飲みっぷりを見て"この異教徒(日本人)の目的は主に酒で飽食し酩酊し、腹を満たすことにあるようだ"と、当時の日本人の無茶苦茶な飲みっぷりに度肝を抜かれて書かれた引用文に、大昔の日本人もそうだったんだ!!と親しみを感じ、お酒という共通点で戦国時代の人と繋がったような気持ちになりました
*自家の存続*これこそが戦国時代に生きる人々の大きな価値基準で、どの殿に味方するのか、味方したとしてもどこまで味方するのか、寝返って敵対するのか。その時の判断で生きるか死ぬかが決まり、また一家の運命も決まる。そんな時代だからこそ自分の家の事を中心に考えて行動するのが必然の世の中で、他人を想い行動する景(キョウ)は、若く甘い考えだと言われ軽蔑されるなか、それでも自分の信念に従って自分の想いに忠実に真っ直ぐ生きる姿は痛快で、自分もそうでありたいと憧れました。
また、一家を支える大黒柱の当主も自分たちの生きる道を見極めるために利己的な考え方で生きているけれど、それは結果的に自家の人々を存続させるための利他的な生き方をしている。お酒という共通点だけじゃなく、そんな格好良い生き方も戦国時代と繋がりたいと思いました。