漫画『進撃の巨人』ユミルの正体は?ユミルの最期までネタバレ紹介!

更新:2021.1.22

顎の巨人の能力を継承した「ユミル」の正体についてネタバレと考察を綴っていきましょう。独特で斬新な世界観でブームを巻き起こしている『進撃の巨人』。多くの伏線が散りばめられているのも魅力の一つです。

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ユミルとは

ユミルは、そばかすと鋭い目つきが特徴的な第104期訓練兵団卒業生で、エレンの同期です。卒業後はエレンと同様に調査兵団に入団しています。

その実力は、本来であれば訓練兵時の成績の上位10人に入れるほどのものでしたが、なぜか当初はそこに名を連ねませんでした。

著者
諫山 創
出版日
2013-04-09

そんな彼女の初登場はシリーズ2巻、同期のクリスタと共に巨人に立ち向かう姿だけが描かれていました。その後もたびたび、名前不明のままクリスタ並んで登場する場面が描かれましたが、9巻で同じく同期のサシャの回想シーンにて、ようやく「ユミル」という名が明らかになります。

他の多くのキャラクターと違い、フルネームは述べられていません。そもそも、ユミルという名も本名か定かではなかったのです。その理由は、後に説明しています。

彼女には、壁の内側で生まれ育っているはずなのに、壁の外の世界を知っているかのような発言をしたり、仲間たちには読めない文字を読めたりといった気になる行動が目立ちました。仲間に対して高圧的な態度をとったり、利用しようとしたりする発言や行動が多い反面、鋭い洞察力と思慮深い一面を持っていたりなどの二面性があります。

そんな食えない性格の彼女の心を、唯一動かすことができるのがクリスタです。登場シーンからもわかるように、訓練兵時代も、調査兵団に入団後も、ほとんどをクリスタと一緒に過ごしています。

単に仲がいいからなのか、それとも何か理由があるのか。 それについてはクリスタの説明を踏まえながら後述していきます。

 


ユミルのほか、『進撃の巨人』の伏線をまとめたこちらの記事もおすすめです。

<漫画『進撃の巨人』最新121話までの伏線をネタバレ考察!>

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ユミルの民とは?

「ユミルの民」とは端的に言えば、巨人の力を持つ民族を指します。しかしこの「ユミル」は、調査兵団のユミルのことではありません。

その始祖は「ユミル・フリッツ」と呼ばれる女性で、彼女は大地の悪魔と契約し、最初に巨人の力を手にした人物でした。

ユミル・フリッツの死後、彼女の魂は「始祖の巨人」「進撃の巨人」「獣の巨人」「鎧の巨人」「女型の巨人」「超大型の巨人」「顎の巨人」「車力の巨人」ともう一つ何らかの巨人、と称される9つの力に分割され、それぞれを継承した者たちが現れます。

巨人の力を持ったユミルの民たちは「エルディア帝国」を建国。巨人の力を持たない他民族を劣等種と決めつけ、 エルディア帝国は「大国マーレ」を滅ぼして、大陸を支配しました。その支配が1700年に及び、彼らは他民族に「ユミルの民」と呼ばれるエルディア人を産ませ続けたのです。

これにより、ユミルの民は世界から恨みを買い、世界はユミルの民を根絶やしにしようと考えたのでした。

著者
諌山創
出版日
2017-08-09

しかし、エルディア帝国の敵は世界だけではありません。「始祖の巨人」を除く、他8つの巨人は互いをいがみ合い、内部でも争いが起きます。一時は帝国の王である「フリッツ王」が直々に巨人の力を用いて内乱を収めました。

その後、145代目フリッツ王が「始祖の巨人」の力を継承。この145代目フリッツ王こそが「初代レイス王」です。

彼は争いを避けるために少数の国民を連れて、大陸から少し離れた沖に浮かぶパラディ島へと逃亡。その時に創られたのが、「マリア」「ローゼ」「シーナ」の三重の壁。これが現在のエレン達の居住区にあたります。

この移民の際に初代レイス王は「始祖の巨人」の力を使って民衆の記憶を塗り替えたとされています。

そして時を同じくして、エルディア国土ではマーレの工作員により内戦が勃発。 エルディアの勢力をこれにより弱めたマーレは「獣の巨人」「鎧の巨人」「女型の巨人」「超大型の巨人」「顎の巨人」「車力の巨人」ともう一つ何らかの巨人、7つの巨人の力を奪うことに成功しました。

こうして、大陸の支配国となったマーレ。フリッツ王に見捨てられて大陸に残ったエルディア人たちは、  マーレにあるエルディア人専用の収容区にて管理されます。そこで不正行為をした者には「楽園送り」と呼ばれる罰が与えられました。

 「楽園」とは、145代目フリッツ王が避難したパラディ島のこと。楽園送りとは、パラディ島に無知性巨人として送られるという罰のことです(この無知性巨人がエレンたちが倒していた巨人)。

このように大陸はマーレに支配され、パラディ島は完全に孤立。 ユミルの民は無知性巨人として楽園送りにされるか、マーレに管理されながら過ごすことを余儀なくされたのです。

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ユミルの正体は?

ユミルは「楽園送り」の刑を受けたエルディア人の無知性巨人です。彼女は、どういった経緯で楽園送りにされたのでしょうか。

幼少の頃、孤児であった彼女はある男に連れられ「ユミル教」の教祖として祭り上げられます。身に覚えはなくとも、初めて必要とされたことが嬉しかったユミル。彼女はユミル教のことがマーレの人間にバレて窮地に陥った時「この少女に騙された」と、今まで自分を崇めていた人々に罪をなすり付けられた際も、残されたエルディア人の希望になろうと、その役割をまっとうしようとしました。

しかし、その行為はマーレから人々の心をたぶらかす魔女的行為と捉えられ、楽園送りの刑を受けたのです。

著者
諫山 創
出版日
2013-12-09

こうしてパラディ島の外壁を無知性巨人として彷徨っていたところ、マルセルという男性を捕食。その彼が偶然にも「顎の巨人」の力を保持しており、彼を喰らったことで意図せず「顎の巨人」を継承します。 その結果、ユミルは知性を取り戻すことに成功し、元の人間の姿に戻りました。

このように、ユミルは「楽園送り」をされたエルディア人の内の一人。このような過去があったからこそ、壁の外を知っているような発言をしたのでした。

教祖と仕立てられた以外には、別段普通の女の子と変わらない少女でした。教祖にさせられた際も、必死に役割をこなしていたことから、人々を想う心を持っていたことがわかります。

そんな優しさからの行動が否定され、巨人にされた彼女は、どのような心境だったのでしょう。 自分の無力を呪ったか、それともマーレを恨んだか……。そして、運と執念で生還した彼女は壁の中では何を想い、何を考えて生きてきたのか。

それらについては、この後にクリスタとの関係について書きながら説明していきます。


キャラクター別の巨人化一覧を紹介した<『進撃の巨人』アルミンが超大型を継承!?キャラクター別の巨人化一覧表!>もご覧ください。

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クリスタとの関係は?

まずはユミルとクリスタの関係を書く前に、クリスタについて説明します。クリスタを知らなければ、この二人の関係を理解することはできません。

クリスタも、ユミル同様に第104期訓練兵団卒業生でエレンの同期です。訓練兵としての成績も、上位10人にギリギリランクインできたほどの実力がありました。彼女もまた、巨人と戦うことに恐れながらも調査兵団に入団します。

献身的な姿と小柄で可愛らしい外見で、同期から「神様」「女神」「結婚したい」と評されます。

著者
諫山 創
出版日
2015-04-09

ユミルは訓練兵団入団初日、クリスタからサシャへの善行を目撃して以来彼女に目をつけていました。 ユミルだけでなくエレンも、このクリスタの行動や物腰に不自然な印象を持っており、ユミルにいたってはクリスタの裏に潜む「自壊願望」と「承認欲求」を完全に見透かします。

クリスタのこれらの願望が生まれたのは、彼女の悲惨な生い立ちに起因します。 「クリスタ・レンズ」と名乗る彼女の本名は「ヒストリア・レイス」。 壁内の社会を裏から牛耳るレイス家に妾の子として生まれたのです。そのため身内のほとんどから疎まれ、母に至っては一言も話したこともないような孤独な幼少期を過ごします。

幼いある日に、愛情に飢えたクリスタは母に抱きついたことがありました。 その行動に母は何の関心も示さずに、冷たく突き放します。 この出来事はクリスタに「自分はいらない子」だと自覚させる原因となっており、現在の自壊願望と承認欲求に繋がったのです。

この自壊願望に突き動かされたクリスタは、訓練兵時代の雪山での訓練にて、同班のダズが倒れたことを利用し、彼を助けようとしたという名目で自死しようと考えていました。 しかしそれを、ユミルによって阻止されます。その時にユミルはクリスタに「私が正体を明かしたら、元の名前を名乗って生きろ」と約束をさせました。

その約束が、ユミルが自身の巨人の姿を明かした「ウトガルド城跡」での戦闘後に果たされ、そこからクリスタは自分を「ヒストリア」と名乗るようになるのです。

似たような境遇で育った二人は、方や生きることに執着し、方や生きることに絶望していました。生にしがみついてきたユミルは、クリスタと自分を重ねつつも、すべてを諦めて死のうとする彼女を許すことができなかったのでしょう。

最初こそ同族嫌悪のような感覚があったかもしれません。それでも、本当の意味で互いを知ることができた二人。 ユミルのクリスタに対する愛情が垣間見えるシーンなども多々ありますし、その逆も然り。彼女たちは、友達以上の強い絆て結ばれたのです。

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なぜベルトルトとライナーを助けたのか?

ベルトルトとライナーはそれぞれ「超大型の巨人」と「鎧の巨人」の力を持っています。 この二人は何らかの意図を持って壁内に潜り込んで生活していました。

壁の内側に潜伏していた彼らの目的は明確にされてはいません。しかし「座標」の力を得るということが、大きな目的であったことは確かです。「座標」の力を持っていたのはエレン。だからこそ、彼を拉致しようとしたのです。

著者
諫山 創
出版日
2016-04-08

そして、本題のなぜユミルがこの二人を助けたのかというと……

もともとパラディ島の状況を知っていたユミルは「壁の中に未来はない」と考えていました。そのため、自分を攫うライナーたちと一緒に、クリスタも壁の外に連れて行くを算段を目論見ます。

しかしその考えは、エレンが持つ「座標」の力により巨人たちが巨人を襲う場面を目撃したことで改められました。 それと同時に、ライナー達の目的も理解したようで、クリスタを壁の中に残す決意をしてライナーたちの加勢に向かいます。

ここでも、ユミルの行動の全てはクリスタのため。彼女を危険から遠ざけるために、ユミルはライナーたちと一緒に壁の外へ引き上げることを選びました。

クリスタが安全のためを思った行動が、たまたまベルトルトとライナーを助ける結果になったにすぎないのです。

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【ネタバレ注意】ユミルはその後どうなった?

ベルトルトとライナーに加勢したユミルは、彼らとウォール・マリアの「シガンシナ区」まで撤退。 その後の消息は明らかになっておらず、ウォール・マリア最終奪還作戦にも姿を現わすことがありませんでした。

しかし、ライナーにはクリスタに宛てた手紙を託しており、それは無事にクリスタへと渡ります。

著者
諫山 創
出版日
2017-04-07

その手紙の内容に、今までの事とこれからの事が書かれていました。

 自身の生い立ちから「顎の巨人」の力を手に入れたこと。壁の中では「ユミル教」の教祖ではなく、「ユミル」として自由に生きたこと。 まだ心残りがたくさんあること。それでも、マーレに「顎の巨人」の力を継承させることが決まったこと……。

手紙には、ユミルの一生涯についてが書かれていました。また、そこに記してあるように、ユミルは「顎の巨人」の力をマーレへと継承します。

継承とはすなわち、死を意味するのです。かつてユミルが捕食したマルセルという男は、ベルトルトとライナーの友達でした。かつてマーレにあり、マーレで受け継がれていた巨人の力。それをたまたま受け継いでしまったユミルは、マルセルの弟であるポルコに「顎の巨人」の力を継承することを推薦します。

ライナーたちとマーレに渡った後、ユミルは自分の意思で、マーレにてその人生に幕を閉じたのでした。

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ユミルやユミルの民についての考察は、ひとまずここまでです。もっと知りたいという方はもう一度『進撃の巨人』を熟読してみましょう。隅々まで見渡せば、何か新たな発見があるかもしれませんよ。

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