『進撃の巨人』には数多くの伏線があり、十数巻またいで回収されるものもあるなど、少年漫画のワクワク感と設定の技巧が光ります。 今回は最新121話までの重要なポイントを考察!ユミルの民とは?九つの巨人とは?アッカーマン一族とは?ネタバレがあるのでご注意ください。 2019年9月現在、あと少しで最終回を迎えると発表されている本作。それまでにこの記事を読みながらまた読み返してみるのもおすすめです!ま
- 著者
- 諫山 創
- 出版日
- 2010-03-17
一大ブームを巻き起こした名作少年漫画『進撃の巨人』。王道のドキドキハラハラ少年漫画の展開もありつつ、複雑で長いスパンの伏線が多くの読者を魅了しました。
しかし複雑ゆえに巻を追うごとにポイントを忘れてしまっていたり、整理しきれなかったりという声も多くあります。今回は最新121話までで重要とされているポイントをまとめて考察!奥深い『進撃の巨人』の世界をご案内いたします。ネタバレを含みますのでご注意ください。
イルゼの手帳で明らかになったユミルの民という存在。その歴史は壁外のさらに外にまつわるものだということがグリシャの地下室にあった手記からわかりました。
そもそも壁外の世界についてはあまり明かされていませんでしたが、実は壁はバラディ島というところに建てられたものだと分かります。そしてその近くには大陸があり、ユミルの民はもともとはそこに住んでいた民族でした。
ユミルの民の祖先ユミル・フリッツは大地の悪魔と契約し、巨人の力を手に入れます。彼女は「『有機生物の起源』と接触した少女」とも表現されています。エレンが巨人になった時、何も無かった所から巨人の体が現れたということや巨人の体自体はその見た目の大きさに反してかなり軽いということに何か関係していそうです。
そしてユミル・フラッツは死後「九つの巨人」に魂を分けエルディア帝国を建国。そのおかげで発展したエルディアは古代の大国マーレに代わって大陸を統治するようになりました。このエルディア帝国に属する者たちのことをユミルの民と呼ぶのです。
その後大陸ではマーレ政府の勢力が拡大し、145代目のフリッツ王は多くのユミルの民とバラディ島に逃げ込み、壁内で暮らすようになったのです。そしてこの145代目のフリッツ王こそ初代レイス王。
この初代王は人類が巨人に支配される社会を望んでいたとされます。また、大陸との縁を切りたがっているようで大陸をあとにする際に「今後我々に干渉するなら 壁に潜む幾千万の巨人が地上のすべてを平らにならすだろう」という言葉を残しています。
これには真相があるということが99話で明らかになるのですが、ユミルの民、そもそものすべての始まりについてはまだ明らかになっていません。
記憶の改ざんをおこなうことができること、9つの巨人を操ることができること、そして114話では「始祖の巨人」の持ち主が力を行使すればユミルの民全体の体の構造を変えることもできるということが明らかになりました。すごすぎる……。
しかし、まだまだ分からないところは多い、この設定。人類の起源に近くであろうユミルの民の真相はどこにあるのでしょうか。
114話ではマーレ側で語られている「ラーゴの惨劇」「モンテの惨害」「ヴァレの惨禍」という歴史が明かされます。そしてそれが説明された教科書は、本作のアニメ2期のエンディングに登場する絵と酷似したものが載っています。
アニメ2期エンディングでは3人の娘についての絵もありました。それは100話で明かされた、パラディ島にある3重の壁の名前のもととなっている、始祖ユミルの娘たちの絵。「マリア」、「ローゼ」、「シーナ」それぞれの伏線は今後どう関わってくるのでしょうか。
どうやって巨人能力が受け継がれたか、現在の作品内の世界情勢に関わってきそうです!
115話では、死にかけていたジークを助けた存在として、木のバケツを持った少女が表れます。これがユミルなのか、それとも何か新しいキャラが登場したのか。今のところわかっていません。
ユミルについて気になる方は、ユミルについて解説したこちらの記事もおすすめです。
<漫画『進撃の巨人』ユミルの正体は?クリスタとの関係は?【ネタバレ注意】>
大陸を統治するマーレ政府。1巻から始まった戦争はマーレ政府がフリッツ王から大陸を支配する宣告を受けたとしたことが始まりでした。それに対抗するため、ユミルの民から「七つの巨人」の力を継承する戦士を募ります。それがライナーたち戦士です。
当初戦争の真の目的は始祖の巨人の奪還と資源の豊富な島の領地化だと思われていました。過去のフリッツ王の発言「今後我々に干渉するなら 壁に潜む幾千万の巨人が地上のすべてを平らにならすだろう」を恐れてその脅威をなくすために始祖の巨人を奪還しようとしていると考えられていたのです。
しか854年に終戦した戦争で感じられたマーレ政府の弱体化に伴い、始祖の巨人の力が必要だと言われる場面もあり、どうも地下資源だけが戦争の目的ではない可能性も出てきました。
また89話でフリッツ王の「今後我々に干渉するなら〜」発言の後に言った詳細が明かされました。
「エルディアが再び世界を焼くというのなら
我々は滅ぶべくして滅ぶ
我から『始祖の巨人』を奪おうとしても無駄だ
我は『始祖の巨人』と『不戦の契り』を交わした」(『進撃の巨人』89話より引用)
始祖の巨人が奪われそうになって王家がその力を継いでいた場合、戦わずに滅亡への道を選択するという、初代王の思想の影響を「不戦の契り」と呼んでいるのです。
初代王はマーレ政府と戦うつもりがなく、壁内人類の記憶改ざんを行ってその全員と滅亡への道に向かうことを選びました。「巨人が平らにならす」という発言はその抑止力を行使して束の間の平和を享受するための一時的なものだったのです。
しかしこの歴史認識にはある秘密があることが、タイバー家当主のヴィリーから明かされることになります。
巨人の力を持ったままその人物が亡くなると、血縁などに関係なくその巨人化の能力が誰かに受け継がれるということでしたが、記憶の継承に関しては血縁がある方がより強く行われるようです。
95話でのライナーとガビとの会話から判明したこの事実。先代との間に血縁関係があると記憶の継承も強くなるということで注目したいのがレイス家とタイバー家。タイバー家は95話で会話の途中から出てきた血族です。
彼らはどちらも血縁関係者で巨人を継承しており、エレンのように途切れ途切れではなく、もっと明確な記憶の継承をしているようです。特にタイバー家は血族でめんめんと「戦鎚の巨人」の能力を受け継ぎ、それこそがタイバー家の勤めだと当主のヴィリーが語ります。
彼はマーレ政府はタイバー家の権限下にあるということも明かします。しかし先代がある程度の自由を与えたことで、現在のような軍国主義を歩んだのはマーレ人たち自身の責任だとも語りました。
そして来たる「祭事」というもので世界に受け継いできた記憶のすべてを明かすと言うのです。
ヴィリーの話から明らかになった英雄ヘーロスの存在。ヘーロスは100年前に人類という立場にも関わらず、大地の悪魔を負かした存在だとされています。またヴィリーは彼のことをこう語ります。
「見事だった 勇ましく 美しく 傷一つ無い
まさにマーレの魂そのものだ」(『進撃の巨人』97話より引用)
大地の悪魔といえば、ユミルに巨人化の能力を与えたそもそもの始まりの存在です。それを人間が倒せたというのはどういうことなのでしょうか?
実はこの矛盾こそが、歴史の真実を解き明かす鍵になります。実はへーロスは「まさにマーレの」虚偽を象徴するかのような人物なのです。事実を知ったあとにはヴィリーの言葉が皮肉であったことが伺えます。
上記で説明したユミルの民や、今回の戦争についての歴史の流れですが、ユミルの民が大陸を統治した後の歴史の流れはマーレ政府とエルディア復権派で異なるということは、グリシャの手記ですでに明らかになっていることです。
そしてついにその真相が99話で明らかになりました!場面は大陸内で行われるタイバー家の当主・ヴィリーが世界に向けての「祭事」をおこなう場面です。
長い文章になってしまいますが、今までのごちゃごちゃになっているであろう歴史の整理と今回の真相の考察を含む超、超重要な内容になっているので、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。
では、始めます。まずはそれぞれで言われてきた真偽が定かではなかった歴史を見ていきましょう。
マーレ政府側は、巨人の力を手にしたエルディア帝国はマーレを滅ぼして大陸の支配者になり、他民族に無理やり子を産ませユミルの民を増やしたとしています。
しかしエルディア復権派は巨人の力で「荒れ地を耕し 道を造り 峠には橋を架けた」ように、ユミルの民が大陸全体の発展に勤めたとしているのです。
エルディア復権派の認識は歴史書の古語をほとんど理解出来ていない上でのものなので、事実と異なる可能性が考えられるものです。また、マーレ政府についても市民を扇動するために書き換えていることが考えられていました。
そしてこの歴史の真相に近く展開が99話でなされました。それがタイバーが行った祭事。そこでは彼の口から市民に真実が語られます。
彼が巨人の力でめんめんと受け継いできた記憶での告白によると、マーレ側の歴史には嘘がありました。
今まで伝えられてきた歴史では、今から約100年前、エルディア帝国は巨人の力で世界を支配していました。現在の人類が3度滅んでも足りないほどの人の数がなくなった殺戮の歴史。
敵のいなくなったエルディア帝国は同族同士で殺し合うようになり、「巨人大戦」が始まります。この状況に立ち上がったのが英雄ヘーロス。
彼の情報操作により、勝つことが不可能とされていたフリッツ王を島にしりぞけることができたのです。しかしパラディ島に退いた王は力を持ったまま、未だに世界をほろぼせるほどの巨人を抱えて島に潜伏している、というのがこれまで伝えられてきた歴史でした。
それを恐れたマーレ帝国は、島に戦士たち、32隻の調査船を派遣してきたのでした。
しかし、真実はむしろフリッツ王の英断によって世界が救われた、というものでした。
実は実際に巨人大戦を終わらせたのはカール・フリッツ145世。彼はエルディアの殺戮の歴史をなげき、始祖の巨人を継承するとともにタイバー家と協力し、マーレ人を英雄と称して活躍させました。
その選ばれたマーレ人こそがヘーロス。
計画どおりにエルディア人たちが同士討ちに倒れると、フリッツ王は自らとできる限りのエルディア国民えお島に移し、壁の門を閉ざしました。
その際に先ほども言ったとおり、安寧を脅かせば報復するという言葉を残したとされていますが、それも少し認識が異なります。
フリッツ王は自らの思想を自分の死後の継承者に引き継がせるために、始祖の巨人を操る絶対的な力をつくりました。行使できるのは王家のみであり、これによって彼の思想が次世代に引き継がれるのです。
それこそが「不戦の契り」。それによって大陸に巨人が攻めてくることはなくなったのです。
たしかにエルディア人たちの残虐な歴史があったものの、マーレ人たちの現在の平和もエルディア人であるフリッツ王によって築き上げられたものだったのです。
そしてフリッツ王はこうも言っています。のちにマーレが力をつけて王家の命か始祖の巨人を奪おうとするなら、甘んじてそれを受け入れると。彼はそれほどまでに罪の深さを自覚しており。自国の民が滅ぶこともいとわないと言ったのです。
しかしマーレ人のその決断までは束の間の楽園を享受させてくれと言い残し、壁のなかに閉じたのです。
それに意を反するものがいるということを伝えるのが、今回の祭事の目的。
その反逆者こそが、エレンだったのです。
どうでしょうか?今までの謎、それぞれの歴史の嘘などがかなり明らかになりましたよね!今までのモヤモヤはほぼスッキリしました。ここからはまた新たな戦いが始まします。エレンがどのような目的でマーレ側に乗り込んできたかについては、また別の段落でお伝えします。
90話からいきなり4年飛び、854年時点のマーレ政府を描く91話では、その国々の連盟だと思われる「中東連合国」とマーレ政府との戦争を描いていました。4年に及ぶ戦争はマーレ政府の勝利に終わりますが、鎧の巨人の継承者であるライナーが敵艦隊によって重症を負わされます。
それは今まで敵わないと思われていた巨人の力に手が届くまで科学技術が発達した証であり、負けたとはいえ人類の化学技術の発展をその他の国も喜ぶのです。
そしてこの危機的状況を打破するために一旦中止した始祖の巨人奪還のためのパラディ島作戦を再開することとなります。
89話でハンジがユミルの「せ」発言が「世界」であることを明らかにし、壁内エルディア人の敵は世界全体だと結論づけられました。彼らの戦うべき相手は巨人の力を恐れ、うとましく思っているマーレ政府、中東連合国を含むその他の国すべてなのです。
そしてその対立関係をさらに明確にしたのが99話から続くヴィリーの演説。ヴィリーは、まずカール・フリッツが「束の間の平和」を享受するためにつくった幾千万もの「超大型巨人」によって造られた、「盾であり矛である」壁こそが脅威だと語りかけます。
この壁内の超大型巨人による襲撃を「地鳴らし」と表現するヴィリー。そして彼らを操ることのできる始祖の巨人の力を持つエレンを「世界の脅威」だとし、人種や民族に関係なく、人類全体で協力して倒すべき相手だと語ります。
つまりヴィリーは自分たちの歴史改竄の罪を認めながらも、エレンを敵にし、世界でひとつになって彼を倒そうと呼びかけているのです。まさに島内エルディア人対世界という構図です。
これがユミルの「せ」の伏線から始まり、ヴィリーの演説で明確になった、新しい戦争までの流れとなっています。
こちらのセクションでは新事実というより、今までのストーリーの流れにいったん区切りをつけた100話での展開について考察させていただきます。新たな始まりを予感させる最高に熱い展開です。
100話では、ついにヴィリーの祭事に合わせて大陸内に侵入したエレンと、ライナーが対面します。ライナーに大陸に来た目的を聞かれたエレンは、以前「マーレ人たちができるだけ苦しんで死ぬよう努力する」と言った発言を撤回して歩み寄りを見せます。
「確かにオレは…海の向こう側にあるものすべてが敵に見えた
ライナー…お前と同じだよ
もちろんムカつく奴もいるし いい奴もいる
海の外も 壁の中も 同じなんだ
だがお前達は 壁の中にいる奴らは自分達とは違うものだと教えられた
まだ何も知らない子供が…
何も知らない大人から そう叩き込まれた
一体何ができたよ 子供だったお前が その環境と歴史を相手に
なぁ…?ライナー お前ずっと苦しかっただろ?
今のオレには それがわかると思う…」(『進撃の巨人』100話より引用、中略あり)
4ページにもわたる語りかけは心にくるものがあります。しかしそんなエレンの言葉に、ライナーはこう返すのです。
「違う!!
俺は…俺は英雄になりたかった…!!
お前らに兄貴面して気取ってたのもそうだ 誰かに尊敬されたかったから…
時代や環境のせいじゃなくて…
俺が悪いんだよ
もう…嫌なんだ自分が…
俺を…殺してくれ… もう…消えたい…」(『進撃の巨人』100話より引用、中略あり)
そんなライナーを見ながら、エレンは背後に聞こえる「パラディ島の悪魔と!! ともに戦ってほしい!!」と呼びかけるヴィリーの言葉を聞いていました。誰が悪いという訳でもないでしょう。ただ我を忘れて人を喰うという巨人化能力を持ったエルディア人が存在する、という事実によって引き起こされた悲劇です。
ヴィリーが世界を味方につけて自分を殺そうとしてきている流れを察知したエレンは、ライナーにこう言います。
「やっぱりオレは…お前と同じだ
たぶん…生まれた時からこうなんだ
オレは進み続ける 敵を駆逐するまで」(『進撃の巨人』100話より引用、中略あり)
そしてその場で巨人化し、真上で演説していたヴィリーを観衆の前で引きちぎるのです。読者にとっては新たな戦争が開戦された瞬間です。この開戦の迫力溢れるシーンはぜひ作品でお確かめください。
以前はライナーやベルトルトの言動から真実を知ることで歩み寄りができるのではないかと思われましたが、今回敵対関係を強めることで世界と絆を結んだヴィリーの様子を見ると、その難しさが実感されます。
束の間の平和に幕引きをしようとして始まった新たな戦争はどういう結末を迎えるのでしょうか。
新たな戦争の幕開けですが、対立構図はさらに複雑化していきます。整理するという意味でこちらで説明しましょう。
111話では、ジークとの接触を疑われて地下室に幽閉されていたエレンが逃げ出したことで、パラディ島内でも組織分裂が起こります。それはジーク、エレンを含む反兵団破壊工作組織「イェーガー派」と、兵団です。
しかしさらに火種となるのが、兵団を裏切り、イェーガー派となった多くの兵士たちが調査兵団から出ていること。そこからジークの腹心イェレナは兵団支部にまで乗り込み、訓練兵たちにつくようにアナウンスします。
壁外の脅威を考えるべきなのに、今なお巨人に対抗する戦い方に不信感を覚えていた訓練兵たちはそのままイェーガー派につくのでした。
壁外の脅威に向けて動くエレン、ジークが主となるイェーガー派が多くなる島内。ここからどう勢力は展開するのでしょうか。
117話時点ではついにパラディ島にマーレ兵たちが襲撃してきます。そこでエレンはライナーと戦いながら窮地に追い詰められます。そこにジークがやってきたのですが、エレンの表情はどこか浮かばないもの。
その表情からは、もしエレンがジークではなくパラディ島の味方だったら……と考えさせるものがあります。そうするとまた対立構図に変化が出てきそうですが、どうなのでしょうか?
また、118話では南にマーレが撤退用の飛行船を用意していることが判明します。今後、この船に誰が乗り込み、どう展開していくのかが気になりますね。
そして119話ではついに物語が大詰めに。ジークがエレンと接触しようと動き始め、島内は血みどろの状態に。そしてそのなかで何とエレンがマーレ出身のガビに対人用ライフルで撃たれてしまうのです!
首がはじけ飛ぶ様子が描かれますが、果たしてエレンは亡くなってしまうのでしょうか?
121話までではその生死は分からないものの、ジークとエレンが現実とは別の空間「すべての道が交わる座標」での話が続いていきます。(座標についてはネタバレ考察14をご確認ください)そこでは今まで脈々と受け継がれてきた記憶が過去、そしてそれから未来まで見ることができます。
ここからどう物語が進むのか、エレンは生きているのか。終わりが近いことを感じさせる大詰めの展開です。
新たな戦争の幕開けでさらに盛り上がりを見せるストーリーですが、新章が始まったのは、大陸内の祭事にまつわるところからで、その前話から物語の世界では4年が経っていました。
105話では、島内の人間が数多く登場することで、その間に何があったのかが少しずつ描かれています。まずはピークが祭事の時に落とし穴に落とされた人物について振り返るシーン。
「そのマーレ兵を見たのは…3年前
ライナーら戦士隊撤退以降
パラディ島へ向かった最初の調査兵団でした」
(『進撃の巨人』105話より引用)
この空白の4年間については、106話から明かされ始めます。
それは、最初の調査兵団がパラディ島にやってきた時、イェレナが島内の人々の目の前で隊長を殺したところから始まりました。彼女はオニャンコポンとともに、ハンジ、リヴァイとともに話し合いの場を設けました。
そこでイェレナたちは、マーレに国を奪われ、兵士として使われていた身だといことを明かし、「反マーレ義勇兵」だと名乗るのでした。彼らの目的は、「エルディア人の解放」。そして彼らのトップに立つジークの受け入れ、そして彼の余命あるうちにエレンと会わせることを要求してきたのでした。その代わりに、パラディ島の安全や友好国との橋渡しなどをすると持ちかけるのです。
そして107話では、それから祭事までに、ヒィズル国のトップであるキヨミという女性をメインとした会合があったことが明かされます。彼女たちの目的は、「氷瀑石」。立体機動装置を動かすのに必要となる燃料で、パラディ島でのみ採掘可能な地下資源です。
そして祭事をきっかけにしてジークをパラディ島に送り込むことに協力する代わりに、傾国が持ち返すほどの産業になりうるであろう、氷瀑石の権利を狙っているようなのです。
ヒィズル国は、がめついというだけで何か思惑があるようではなさそうですが、それゆえに、パラディ島が諸外国との外交を築く手助けをするつもりがないということが108話で明らかになりました。地ならしをする必要なく、平和に国交を結べる環境になればよかったのですが、それは難しいという展開になってしまったのです。
そこで、ハンジがマーレに拠点を儲け、調査をしながら平和的な解決策がないかを模索しようと提案するのです。ここから物語がどう現在に結びついていくのか。そしてエレンが激変した理由は何なのか。今後に期待です。
107話の空白の4年間の描写で、島を守るために必要な3つのステップが説明された時、家畜のように子供を産むことを提示されたヒストリア。すぐさま、王家としての毅然とした態度をとりますが、その後エレンにフォローされ、少女らしい、傷ついた表情を見せます。
しかし、そこから107話のラスト、現在では、まさかの妊娠している大人の状態で現れるのです!
そして108話では、彼女の相手は新キャラだということが判明。かつて、ヒストリアは幼少期に石を投げつけられたということを話していましたが、その石を投げつけていた人物だということが分かりました。
しかし、その当時の罪の意識から、ヒストリアの孤児院で何年も顔を伏せて下働きをし続け、その途中でヒストリアがその存在に気づいたのだということ。もちろん彼が怪しい人物かそうでないかは、まだ不明です。
この男の素性はもちろん、ヒストリアがなぜこの時期に妊娠したのか、という点が伏線になってくる模様。祭事をきっかけにジークを移送したこの時に妊娠したとなると、当初憲兵団が提案していた、ヒストリアが上陸したジークを喰らうという案が中止になることを意味するのです。
憲兵団のローグはこれを、ジークをこの島で生かしておきたい誰かの差し金によるものだと疑っています。果たして彼女の妊娠はそもそも本当なのか?どちらにせよ誰かが一役かっているのか?そしてジークを喰べないという決断が今後どのような意味を持つのでしょうか?
今回の祭事で新たな戦争を始めるきっかけを生み出したジーク。107話で、その目的が語られます。
大きな目的は、「壁面に眠る巨人たちを目覚めさせる『地鳴らし』でパラデイ島を守ること」。ジークは、自身を「物心つく頃より父の思いを受け継いだ 真の『エルディア復権派』」だと称します。
しかし、その「地鳴らし」のためには3つの過程が必要。
1つ目は「地鳴らし」の実験的活用。その威力を世界に見せつけます。
2つ目はヒィズル国の介入。外部と100年ほどの開きがあるパラディ島の軍事力を底上げする必要があります。それにはおそらく50年は必要となるであろうとキヨミは語りました。
そして3つ目が、ジークが「獣の巨人」を王家の血を引く者へと継承するために、「王家の血を引く者」は13年の任期を終えるまでに可能な限り子を増やすことでした。つまり、ヒストリエがとにかく子供を産む、ということ。
島を守るため、という名目のもと、ジークの作戦に乗るしかない島内の人々。ヒィズル国の介入もあり、さらに複雑になってきそうですが、ここで気になるのが、ジークの本当の目的です。まだまだ彼の真意は見えません。
これらの3つのステップは、想像の範囲以外で、どのような影響を及ぼすのか?その波紋を考えることが彼の真意を究明するのに役立ちそうですが、なかなか難しいですね……。
そして113話ではついに彼が真意を見せる発言をします。
「俺の真意を話したところで…
わかりっこないんだろうがな…
あんた達には
なぁエレン…
俺達にしか… わからないよな」(『進撃の巨人』113話より引用)
このつぶやきから、ジークはエレンが自分と考えを同じにしていると思っていることが分かりますが、巨人の血を持っている者たちと壁外の脅威とどういう関係性を望んでいるのかが気になるところでした。
しかしついに114話で、その目的が明らかになります。
「これ以上『ユミルの民』が生まれてこなければ
…100年を経つ頃にはこの世から確実に巨人は消滅してる
もう世界は巨人の脅威に怯えたり 苦しめられたりせずに済む(中略)
俺が『獣の巨人』を継承する マーレのためじゃない」
(『進撃の巨人』114話より引用)
つまりジークは巨人の血を根絶やしにすることを最終目的としていたのです。119話ではついに彼が叫びの力を使って島内の人々を巨人化させます。
そのような流れで話が進んでいますが、さらに詳しい思惑は、113話で登場したクサヴァーという人物がカギのよう。彼に恩義を感じているジークは自分が彼に救われたように、エレンを救ってあげたいと思っているのです。
救う、というのは巨人の血を根絶やしにするという「正しい」思考にさせること。しかしエレンの目的は……。次の項でお話しましょう。
101話で祭事の騒動のなか、勝手な行動をしたエレンを戦鎚の巨人から守ったミカサは、涙ながらに彼に「もう…取り返しがつかない…」と発言しました。彼は島内の人々を裏切る形となる、身勝手な行動に出たのだということが読み取れます。
そして徐々にエレンが何の目的で動いたのかが明らかになります。空白の4年間の過去回想で、今まで自分の中だけに秘めてきた仮説をエレンが皆の前で話すのです。
それは、「始祖の巨人の力を発動させられることができるのは、『王家の血を引く巨人』と接触した時」だというもの。そしてこの能力に、「不戦の契り」を破り、壁に潜む幾千万もの巨人で世界を踏み潰すことができる指揮権があるのだと語るのでした。
イェレナたちを含め、大陸の兵士たちと交流するなかで、アルミンたちは島外の人々とも分かり合えると思うことが増えたようでしたが、エレンは意味ありげに、分かりあうためにも、まずは時間が必要だと語りました……。
しかし時間がないがゆえの焦りを持っていたで、何もできないこの状況に嫌気がさしていたよう。110話では、ジークの腹心であるイェレナがエレンに秘密裏に会っていたということが明かされます。
そして112話で失踪したエレンは再びアルミンとミカサの前に現れ、こう語ります。
「オレがこの世で一番嫌いなものがわかるか?
不自由な奴だよ
もしくは家畜だ」(『進撃の巨人』112話より引用)
そしてアルミンがアニに恋心を抱く理由やミカサがエレンを守ろうとする理由も、環境は一族の習性によるものだと指摘し、それに無自覚に操られている彼らを「奴隷」だと称するのでした。
ジークと手を組んで動いている様子のエレン。ミカサやアルミンにひどい対応をした彼ですが、118話ではジークの味方になっていたのではなく、他の目的があるのではないかという示唆がアルミンから伏線として発せられます。
2人が接触して初めて「座標」が生まれ、地ならしが起こるというのが新しい戦争での鍵ですが、120話からはこの座標でジークとエレンが話す場面がメインで、そこでエレンはジークとは別の考えを持っていることが明らかになります。
ただし、その具体的な内容はまだ不明。アルミンは、エレンが座標の力を使って壁にいる数百体の巨人を起こし、世界の軍事力を壊滅させることで、今後50年間はパラディ島に手出しさせないことが目的なのではないかとしていますが、果たしてどうなのでしょうか。
22巻ではエルディア人のみが巨人化できることが判明しました。それゆえにマーレ側の人間はその強大な力を恐れているのです。注射によって巨人化した者は無知性巨人になってしまい、人間に戻った後も無知性巨人の時の記憶はありません。
注射は人間の骨髄由来のもので作られており、これは110話でジークの告白で明かされたように、彼のものだということがわかります。ただ、その他成分は未だに不明。
ジークはそれをガスに混ぜてラガコ村での虐殺に使ったとしていますが、その注射は空気に触れるとすぐ気化してしまいます。その成分と特徴から、あきらかに人為的に開発されたものだと分かります。すぐ気化するという特徴は王家、もしくは別の開発期間以外の手に渡った時に研究をしづらくするためなのではないでしょうか。
ただここで不思議なのがマーレ政府と壁内のレイス王家、どちらもこの注射を持っていることです。マーレ政府に関しては「巨人科学研究所」という存在が明らかになりましたが、ロッド・レイスが複数個持っていたのは同じ研究所のものなのでしょうか?
114話ではジークに大きな影響を与えた、トム・クサヴァーという人物が初登場。そして「本業は巨人学の研究者」だと語ります。研究所の存在はキーワードとして出てきているものの、何も触れられて来ていませんでしたが、ついにここから語られるようになるのでしょうか?
21巻で明らかになった「九つの巨人」という存在。九つの巨人の力を受け継ぐとそれまでの受け継いだ者たちの記憶も引き継げ、意識がある人物もいるようですが、101話でついにタイバー家の誰が戦鎚の巨人を保有しているのかが明らかになりました。
101話でついに明らかにされた⑨の戦鎚の巨人の保有者。彼女はヴィリーの妹なのですが、彼から犠牲にされた人物だと言われています。それはどういう意味を持ってくるのでしょうか?
また9つの巨人の特性についても詳しいことが分かってきました。継承者は力を継いでから13年で寿命を迎え、力を継承しないまま死んだ場合はそれ以降に生まれたユミルの民の赤ん坊に突発的に受け継がれます。
その年月は始祖ユミルが力に目覚めてから死ぬまでに相当する時間で、通称「ユミルの呪い」と呼ばれでいます。1話の「二千年後の君へ」というタイトルと何かしらの繋がりがあると思われるので要チェックです!
また、捕食以外で力が受け継がれる相手は物理的な距離や血族などに関係ありません。その継承はユミルの民を何か見えないもので繋いでおり、ある継承者は「道」を見たと言っています。
巨人をつくる血や骨、過去の何者かの記憶や意志もそこを通ってやってくるのです。そしてその道はすべてひとつの座標で交わっており、その座標こそ始祖の巨人なのです。
ライナーが12巻で言っていた「先の短い殺人鬼」「座標」という言葉の意味がここでやっと分かりました。これがエレンが見る夢の真相のようです。
また、121話では砂漠のような空間(おそらく時空とは外れた場所にあるところ)でジークとエレンが話しており、その空間の中心にある光の柱のようなものが座標だと明かされます。そこにはすべての始まりである始祖ユミルであろう少女がいたのでした。
しかし彼女が意志を持たず、王家の血を引く者の言いなりになっている感情も何もなさそうな少女でした。王家の血を引くジークの言いなりになる彼女は、121話で彼の言うままに動きます。そしてジークの目的であるユミルの民から生殖能力を奪い、これ以上巨人化する人間が生まれないようにする安楽死計画を命令するのですが……。
さて、その座標の空間とともに進撃の巨人が未来を見る能力も持っていることも明かされました。
そこで分かったのは、121話を時間の起点とした際に、現在のエレン(進撃の巨人を保有)と過去のグリシャが繋がっていたこと、エレンにところどころ未来を見せられていたことからグリシャはエレンに従って動くことが正解と思わざるを得なかったことが明らかになりました。
そして過去にグリシャがレイス家を襲撃したのもエレンが仕組んだことだと判明します。しかしグリシャは彼に疑問も持っているようで、一緒に過去を見ていたジークに対して「この先…お前の望みは叶わない…叶うのは…エレンの望みだ」「エレンを…止めてくれ」とも話しかけていました。
果たしてユミルの動きはどうなるのでしょうか?122話に期待です!
1巻から出ていたこのエレンの夢が22巻で九つの巨人の力を受け継いできた者たちの記憶だということが明らかになりました。エレンが自身の記憶から発見したのです。
しかし22巻でまた新たなポイントが出てきました。大陸のマーレ政府内でエルディア復権派のために密通していた「フクロウ」の正体であったエレン・クルーガー。彼が壁内で所帯を持てとグリシャに勧めた後、こう言います。
「それができなければ繰り返すだけだ
同じ歴史を 同じ過ちを 何度も
ミカサやアルミン みんなを救いたいなら
使命をまっとうしろ」
その言葉を聞いてその名前にまだ聞き覚えのない過去のグリシャが誰のことだ、と聞き返します。「…さぁ?わからない 誰の記憶だろう?」クルーガーはそう答えます。
実は巨人の力を宿すものは過去も未来も繋がって記憶を共有するのです。
ここで気になるのは、1話でエレンが言った「長い夢」という言葉と、彼を読んでいる誰かの声。果たしてこれは彼のいつ時点での記憶なのか。結末に関わる最も重要な伏線になるのではないでしょうか。
エレンは50話で初めて無知性巨人を従わせることのできる、いわゆる「叫びの力」を作動させます。しかしその後の67話で再度巨人にこの叫びの力を使おうとしましたが、発動しません。
そして110話のジークの告白から、彼の脊髄液が体内に入ったものが無知性になり、彼の意のままに動くということが明らかになりました。
ジークの脊髄液が体内に侵入した「ユミルの民」は座標が刻み込まれ、彼が命令を出すと、「道」を通じて巨人の力がそこに送り込まれ、その意のままに動くというのです。そしてついに112話では彼が叫びの力を発動。秘密裏に飲まされた脊髄液によって兵団の面々が一気に無垢の巨人になるのです。
ただし、全員が指示どおりに動くという訳ではないようで、その原因、エレンは叫びの力をどう発動できるのかなどもまだ気になるポイントです。
アニに関して考察すべきは父との関係と存命であることの理由だというのは以前から指摘していたとおりですが、99話ではその伏線がついに動き出し始めたようです。
99話の内容の前に、まず父との関係について言うと彼女は父のことを「何か現実離れした理想に酔いしれてばかりいる」性格と評しています。その「現実離れした理想」とは何でしょうか。
もしかすると同じ大陸内にいたジークと共鳴しており何かしらの目的で結びついている可能性もあります。だとすればジークの記憶などでアニの過去回などでその内容が明かされるかもしれません。
また、存命のストーリー上の理由に関しては、彼女の女型の巨人の能力を壁内人類の誰かが受け継ぐためだという説が濃厚です。だとすれば現状最もその器に相応しいのは王家であるヒストリアでしょうか。
現状では王としての地位につき平和に統治している彼女ですが、それだけで終わるとは思えません。今後アニの能力がどのように活かされていくのか必見です。
そして99話ではついにアニとの絆の強さをうかがわせる父親が登場します。彼は戦士の家族として「名誉」をもらっている存在。今回のタイバーの祭事でも席を設けられており、そこでライナーの家族との会話のなかでいくつか重要な発言をします。
ひとつめは「寝たきりだったフーバーさん 逝っちまったんだって…?」というもの。これはベルトルトの父親を指しており、父子ともども今回の物語からは姿を消してしまったようですが、もしかするとベルトルト関連でもまだ何かひと波乱あるかもしれません。
ふたつめは「アニは生きてる 帰ってくると約束したんだ」というもの。これはもうこれからアニが水晶に何かしらの変化を起こして再び動き始めること確定ですね!
果たしてその約束はどう守られるのか。そもそも水晶体はどういう理屈で可能になったものなのでしょうか。
102話では水晶体に関する情報が明かされました。実はヴィリーの妹もまたこの水晶体を本体にし、神経のようなものを繋いで巨人を動かしていたことが判明するのです。
そして彼女は一度は神経を切られながらも、エレンの手中の水晶の中で目を開き、意志的に神経を地中に繋げて再び巨人化します。
その後103話でヴィリーの妹はエレンにつかまり、水晶体に包まれたままを食べられそうになるのですが、逆にエレンが口中から血を出すダメージを受けるだけでした。巨人の力を持ってしても傷をつけることすらできないということがわかります
おそらくこれがアニにも可能だと思われるので、彼女も島内の地下にいながらも意識はあり、何らかのタイミングを狙って安全圏の水晶体で眠っているのかもしれません。ますます彼女の動向から目が離せなくなってきました!
高い身体能力と殺傷技術を持つアッカーマン一族。存命の者はリヴァイとミカサのふたりがこの血筋を引いていることが分かっています。
そして23巻で、アッカーマン一族は巨人科学の副産物によって生まれた存在だと判明しました。さらに112話では、エルディア帝国が長い歴史の中で「ユミルの民」を研究するうちに偶然できたのが、人の姿のまま一部巨人の力を引き出せる彼らだったという詳細も語られます。
そしてその力はエルディアの王を守るために設計された血筋だということも。そしてその名残で誰かを自分の宿主(守るべき対象)と認識した時に血に組み込まれた習性が発動するというのです。
さらに今までの伏線としてリヴァイの弱体化やミカサの頭痛からアッカーマン一族の能力が命を消耗するものなのではないかという仮説もありしたが、112話で、まずはミカサの頭痛について明かされました。ちなみに以下が今までミカサが頭痛を発症した際のシチュエーションです。
2話 エレンの母であり、ミカサの養母カルラが巨人に食われた時
5話 シガンシナ区で避難できなくて困っていた母子を助けた時
7話 エレンが巨人に食われたと聞いた後に立体機動装置のガス欠で建物から落ちた時
29話 女型の巨人にエレンが食べられたのを見た時
45話 ライナーたちにエレンが奪われたと聞いた時
83話 アルミンが全身に大火傷を負い、瀕死の状態だと知った時
109話 懲罰房でルイーゼが敬礼のように胸を叩くのを見た時
実は、これらはすべて、もともとのミカサのアイデンティティが宿主の護衛を強いられることに抵抗感を覚えた時。アッカーマンはそのストレスを感じた時に突発性の頭痛を発症するらしいのです。
ついに明かされたアッカーマンの謎ですが、ここで気になるのはその血を意識したあとのミカサの行動。彼女は東洋の一族の血も受け継いでいるということで、その本能に抗って戦っていくという展開もあるかもしれません。
そして未だに残されたリヴァイの弱体化も気になります。もしかすると伏線に見せかけた単なる描写かもしれませんが、112話で一気にミカサの謎が明かされた流れで一緒に何か展開を見せるかもしれませんね。
本作の中でもトップクラスの人気を誇るミカサについて考察した<漫画『進撃の巨人』のミカサを徹底考察!エレンとの関係から血筋まで!>の記事もおすすめです。
107話でついに詳しく描かれることになった、ヒィズル国。ミカサの血筋、刺青などを含めて新情報が明かされました。
98話でエルディア人への差別を懸念して戦士候補の少年をかばった「東洋から来たヒィズル国の」「アズマビト家」の女性・キヨミが初登場します。
そして先述したとおり、107話で、空白の4年間で、ジークをパラディ島に送還するためにヒィズル国と協力するための会合が行われていたことが明らかになりました。
そこで、ミカサが手首に施していた刺青がヒィズル国の家紋であること、彼女がそのヒィズル国の末裔だということが明かされるのです。
しかしミカサがアズマビト家の祖先にあたる将軍家の血を引いていることについては、なぜパラディ島にいたかということが今後の重要なポイントになりそうです。キヨミの意味深な笑みから、島流しなど、何かマイナスの過去があるのではないかと思ってしまいます。
また、118話では先述の頭痛の原因が東洋の一族なのではないかという考察がアルミンからなされました。果たしてこの頭痛に潜む秘密はアッカーマン、東洋の一族どちらにあるのでしょうか?
リヴァイは84話で3〜4m級の巨人を連続して殺した後に息切れを起こし、部下だけでなく自分に言っているともとれる「クソ…うんざりだ 弱ぇ奴はすぐ死ぬ」という発言をしたり、ミカサに反抗された時に歯が立たず「力が…弱ってる!?」と思われたりすることから、現状ではその身体能力が弱っていることがわかります。
現在有効な説としては持病説、アッカーマン一族の能力説、疲労説があります。疲労説に関してはこの場面以前に朝食を抜いていたり、徹夜をしていた影響だというもの。この場合は単にミスリードを誘うものでしょう。持病説に関してもその秘密が明かされる時に何かしらの名シーンが生まれる可能性はありますが、こちらも考察するような謎が隠されているものではないような気がします。
アッカーマン一族の能力の影響であればミカサの頭痛に関連しているかもしれません。しかし先ほどお伝えしたようにミカサの頭痛はエレンに関するものかと思われるので、もしアッカーマン一族独特の能力の影響であれば老化や混血であるかどうかなどが条件になっているのではないでしょうか。どちらにしてもリヴァイやミカサは壁内人類の兵力を大きく左右する存在なので、ストーリーでは壁内人類側の危機が描かれる際に一緒にアッカーマン一族の秘密が明かされるかもしれません。
66話で伏線となりそうだった、ロッドがカバンの中に入れて持っていた薬瓶のうちのひとつ、「ヨロイブラウン」。ちなみにその時彼がヒストリアに飲ませようとした薬は「サイキョウノキョジン」でした。
彼の隙をついてエレンが「ヨロイブラウン」を飲んだことで、彼は硬質化の能力を手に入れました。ブラウンといえば、ライナーしかり、104話で苗字が明らかになったガビしかり、壁外側の血筋です。104話での劇的な展開でガビの苗字が明らかにされるのは、何かしら作者の意図を感じもします。
なぜレイス家は壁外の血筋が関わっているであろうこの薬を持っていたのでしょうか?
現状では2通りのことが考えられるのではないでしょうか。1つ目は、タイバー家とレイス家に繋がりがあるという説。現状では壁内外で戦争が起こっていますが、もしかするとそれぞれの利害で協力関係にあり、過去には薬のやりとりをするようなこともあったのではないかという内容です。
2つ目は、逆にやはり利害が対立した関係だという上で、初代王(レイス家)が壁外にいた巨人化する能力を持った血筋の者からそれを奪ったという説。この場合、レイス家のような巨人化する力を継承し続けている血筋があるということで、さらに伏線が広がっていくのではないでしょうか。もしかするとブラウン家もそのひとつなのかもしれません。
単なる作者の遊び心という可能性もありますが、伏線であれば、ガビの苗字が明らかにされたことをきっかけに、今後ブラウン家をめぐる展開がさらに加速していくのではないでしょうか。
- 著者
- 諫山 創
- 出版日
最新121話時点で重要と思われるようなポイントを考察させていただきました。ネタバレを含んでいましたが、どれが伏線になるかが分からないのでミスリードに引っかかっている可能性もあります。ぜひ今回のポイントや他で指摘されている考察を踏まえてご自分で謎解きをしてみてください!