夏休みの宿題・読書感想文を書くのにオススメの本

更新:2021.12.5

夏休みの宿題のなかで、断トツで嫌いだったのが読書感想文です。いったい何を書いたらいいのか? 400文字詰め原稿用紙3枚は途方もない高い壁で、ニ学期が差し迫ってくるのが憂鬱でした。苦し紛れに書き始めても、あらすじになってしまいがちでも、今になってわかります。読書感想文が書けるほどの面白い本に出会うことが、まず難しいということに。

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「これだ!」と思える本と出会える体験というのは、人生の中でもけっして多くありません。感想が出てこないのはキミのせいじゃない。開き直って、感想や意見が自然と湧いて出てくる本を見つけるんだ!こ のことを、小中学生の頃の自分に本気で教えてあげたいです。

北は北海道から南は鹿児島まで列島横断。新日本プロレスは「G1 CLIMAX」全19大会が終わりました。例年なら束の間のOFFシーズンに突入するところですが、今年の夏はまだまだ終わりません。8月21日(日)には有明コロシアムにて「SUPER J-CUP 2016」、さらにはアメリカ遠征があります。

G1 CLIMAX http://g1climax.jp
SUPER J-CUP 2016 http://www.njpw.co.jp/news/detail.php?nid=17174

「いろんなとこ行けていいね!」なんていう声も聞きますが“移動して試合して、また移動”というレスラー生活の中ですから、今ここがどこなのか、あまり自覚する暇がないというのが本当のところです。

移動中、私は本を広げます。夏なので「どっか行きたい!」そう思うのが人情。プロレスラーとしての旅をしているくせに、旅を感じる本を読む……それはまるで無い物ねだりみたいなものですが、本はここではない、どこかへ私をちゃんと連れて行ってくれます。

というわけで、あの頃のKUSHIDA少年に読書感想文の課題図書として勧めたい本を紹介します。

ジョン万次郎

著者
マーギー・プロイス
出版日
2012-06-26

勇気という言葉はきっと彼のために生まれた言葉だと思う。この本は小学校低学年でも読めるであろう、丁寧で優しい文章で、私の尊敬するジョン万次郎の半生が描かれている。なぜ万次郎は英語の上達がめちゃくちゃ早いのか?というポイントを掘り下げて研究したりしたら読書感想文としても面白い。当時はきっと英語の教科書なんてないし、ましてや予備知識もなし。本当に凄いよなぁ〜万次郎は。勇気と一緒に語学の才も持ち合わせていたんだろう。今から未知なる世界へ飛び込もうとする不安だらけの旅人の背中を押してくれる、そんな本。

龍馬の家計簿

著者
大村 大次郎
出版日
2016-07-13

偉人たちの伝記を読んでフムフムと関心して「尊敬しました」と書くだけでも良いが、そこから一歩踏み込んで疑問に思うこと。それをフックに文章を膨らませていくとより良い読書感想文になる。ジョン万次郎の英語の上達を疑問に思うこと然り、この本は坂本龍馬が資金をどうやって調達していたのかを元国税調査官の著者が明らかにしてくれる。

「借金も財産の内」なんてことを言ったりもするが、借金できるだけの信用が当時の龍馬に果たしてあったのか? 謎の期待感だけは持ち合わせていたと想像できる坂本龍馬は私のヒーロー。関係するどんな本を読んでも尊敬する人で、永遠に変わることはない。

うつくしい人

著者
西 加奈子
出版日
2011-08-04

私は空港に来ると条件反射で胸が締め付けられる。片道航空券を握り締めて、不安だらけでプロレス修行のために一人でカナダやメキシコへと向かった日のことを思い出すからだ。西さんの小説には旅の匂いがこびり付いている。旅人あるあるに満ち溢れている。空港や飛行機の描写が、私の毛穴を刺激して鳥肌を立たせるのだ。私の中で、西さんの小説と空港の空気はリンクする。自分の経験と本の内容がリンクすると、とてつもない高揚感を抱ける。深い共感とはまさにこのこと。

私はこの本を宮崎の空港で、たまたま売店で見つけて購入した。そのときの搭乗券をこの本のしおり代わりにしている。疑似体験は本の醍醐味。旅に行ってきた気分になれる本。

アジア「罰当たり」旅行

著者
丸山 ゴンザレス
出版日
2016-06-13

TBSテレビ『クレイジージャーニー』に出演し、世界中の危険地帯を体当たり取材している丸山ゴンザレスさんの体験旅行記。プノンペンでゴキブリを餌にして釣りをしたり、ありえないだろ!? 本当にこれは日本と同じ地球上での出来事なのか!?と疑いたくなる章のオンパレード。結局、人は自分の価値観を崩壊させたくて旅に出るのかもしれない。自分探しの旅に出て、自分を見つけられた!という人に、私はいまだかつて会ったことがない。世界は広い。自分の狭い価値観なんてぶっ壊しにいこう。ドキドキします、この本。

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