作者・内海八重によるクライムサスペンス漫画『骨が腐るまで』を全巻ネタバレ考察! 『骨が腐るまで』はエロとグロが少年少女たちの秘密のなかに織り交ぜられた衝撃作です。 骨を盗んだ犯人は一体誰なのか。そして信太郎、椿、明、竜、遥の関係はどうなるのか。 波乱の展開で読者を引き込んでくる本作の見所を、最終回までご紹介します。
『骨が腐るまで』は、漫画アプリ「マガジンポケット」で連載中のクライムサスペンス漫画です。
ひとりの人間を殺し、山に埋めて隠した過去を持つ幼馴染の高校生たち5人。その秘密が誰かによって暴かれたことをキッカケに、彼らの日常と友情が崩壊していく様子が描かれています。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2016-10-07
本作の魅力は、「秘密を暴いた犯人を捜す」というサスペンス部分を主題として据えながらも、「幼馴染の友情の崩壊」をテーマにしているところでしょう。
脅迫者による脅しを受けるうちに、5人は次第に秘密を抱えていく罪の重さに耐えられなくなっていきます。さらに、親しかったはずの彼らの間に不和が広がっていき、仲間うちでの疑心暗鬼が加速していくことになるのです。
彼らはいつか誰が自首してもおかしくないという状況に陥ります。5人の中には、仲間に自首させないために自らを犠牲にする、あるいは裏切るという、新たなジレンマを抱えていく人も出てきます。このような幼馴染の高校生という登場人物ならではの複雑な心理が、『骨が腐るまで』という物語にオリジナリティを加え、魅力を作っているのです。
犯人は誰なのか。そして彼らの友情と秘密は、どういった結末を迎えるのか。多くの謎と見どころを抱え、1度ハマってしまえば、次回が気になってしまうこと間違いありません。
また、可愛らしいキャラクターたちにも注目です。特に椿や遥といった女子たちの表情、プロポーションも当代の漫画のなかでは随一の魅力を放っています。グロテスクやバイオレンス、さらにエロティックといった現代の人気漫画の要素を備えている作品です。
この記事では本作の考察すべきポイントと、その考察に重要になってくる登場人物の紹介、各巻の展開をご紹介します。ぜひこの記事を読んであなたも作品で謎解きをしてみてはいかがでしょうか?
信太郎、椿、明、竜、遥の幼馴染5人は、かつて人を殺し、その遺体を山に隠して埋めていました。しかし、それから5年が経った高校生2年生の夏、隠していたはずの白骨死体がどこかに持ち去られたことが発覚します。そして彼らは、死体を盗んだ犯人と思しき者から脅迫を受けるのです。
それぞれの日常を守るため、殺人を犯してしまった秘密をなんとしても隠し通したい5人は、脅迫者の指示に従うことにします。しかし脅迫者から出される指示は、いずれもおぞましいものばかり。その目的も正体も一切が不明です。
長く翻弄されていた5人でしたが、やがてその正体を突き止めるために動き出します。罪の証拠となる白骨死体の全てを奪還し、自分たちの罪を知る脅迫者を見つけ、殺害することを決意するのです。果たして脅迫者の正体とは一体誰なのでしょうか。そして5人は罪を隠し通すことができるのでしょうか。
本作で序盤から謎の人物として気になってくるのが5人を遠隔で脅迫してくる人物。彼らの過去についてなぜか詳しく知っており、死体遺棄という新たな罪を塗り重ねさせます。
作中で少しだけ明らかになっている犯人の特徴を少しご紹介しましょう。
まず犯人は5人全員のフルネームを知っており、信太朗を通して電話を使って指示を出してきます。そしてその指示の連絡は昼夜問わずかかってくることも分かっています。
そして嗜好としては甘いもの好きらしく、いちごオレのようなドリンク、飴玉が彼の机に乗っていることが確認できるシーンもありました。
また犯人が埋めるよう指示した遺体は佐藤茂という人物なのですが、お互い面識があったようです。茂はある時ホームレスにも関わらず大金を手にしていたらしく、その理由が犯人にあると思われます。
この他にも過去の事実を断片的に知っており、それを見ていた人物は特定的なので、そこから真相を考察することもできるので、ぜひご自身で詳しい情報を作品で集めてみてください。
ミステリー作品で気になるのが、犯人が明かされた後、最終回で登場人物たちがどういう結末をたどるのか、ということだと思います。本作の場合は、それは5人の中で自首したい者と自首したくない者で意見が分かれていることが重要になってくるのではないでしょうか。
5人の中で自首したくない人物は信太朗、椿、自首したい人物は明、竜、遥です。それぞれどういう経緯でその意思が明かされたかもストーリーの見所となっているので、その展開は作品でご覧になってみてください。
筆者は最終的には自首するのではないかと考察しています。犯人が明らかになった時にその意思をさらに強固なものに変えるのではないかと思うのです。
犯人は彼が親しくしていた人物で、ショックを受けた信太朗が椿を説得して自首することになるのではないかと思います。自分がきっかけの事件が、周囲をも悩ませていたことを知って、さらに人を殺すということの重さを知るのではないでしょうか。
そして最終的には罪を償うことで罪の前と同じように(あくまで大きい罪は犯しているので、同じ「ように」ですが)笑いあえるところが見てみたいなぁとも思います。
本作で5人の絆の尊さを感じさせるのが罪の前の回想なので、そこがストーリー展開として回収されるのではないでしょうか。
これはあくまで個人の考察なので、ぜひあなたも作品の展開や情報から最終回を考察してみてはいかがでしょうか。
5年前にひとりの人間を殺して、遺体を埋め隠した信太郎、椿、明、竜、遥の5人。彼らは、自分たちの抱えた罪と秘密を共有するために、1年ごとに遺体を掘り起こし、誓いの儀式をしていました。
高校2年生の夏、遺体を埋めた山にゴルフ場計画があることを知った彼らは、遺体のもとへ向かいます。 しかし、数日前にあったはずの白骨死体が跡形もなくなっていました。
すると、穴の近くに埋められた携帯電話に何者かから電話がかかってきます。 電話の主は、5人の秘密を知ったこと、白骨死体を返してほしければ自分の命令に従うことを命じます。
指示されたアパートの一室に向かう5人。その部屋の風呂場には、見覚えのない男の死体が浮かんでいました。彼らは脅迫者の指示によって、謎の男の死体を解体します。そして解体したものを5つの袋に分けて、5人それぞれが指定の場所に埋めることになりました。
またひとつ罪を抱えた彼らは、脅迫者の正体を探すことを決意しますが、決定的な証拠が見つからず、それぞれが不安に駆られていきます。
5人は気分を変えるために旅行に出かけることに。一時の平穏でようやく気分が晴れ、信太郎は椿に好意を打ち明けるのですが……。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2016-10-07
『骨が腐るまで』1巻の見どころは、やはり死体の解体シーンでしょう。
解体の手順や血の色、死体の臭いといったことが詳細に描かれ、グロ耐性のない人は閲覧注意となっています。巻末の手順書を見てみると、脅迫者の趣味の悪さが浮き彫りになっていて、さらに胸糞悪くなること間違いなしです。
作中には後に繋がる多数の伏線も提示されます。遥の消えない肩の傷、明の得たゴルフ場の情報、そして5年前に死んだ男を殺したのは自分だと語る椿。明に脅される椿。信太郎の卒業アルバムに記された、「神崎明に気をつけろ」の意味……。
一見仲良しに見える彼らですが、決してその考えや思惑は一枚岩でないことが明らかになっていきます。
謎の死体を解体することで、さらなる秘密を抱えた5人。しかしバラバラにして隠した死体のうち、左腕がアッサリと見つかってしまいます。
殺人事件として捜査に乗り出す警察。そのなかで藤井という刑事が、死体の解体は素人による犯行とアタリをつけました。藤井刑事の部下である遥の姉からその話を聞き、5人は動揺するのです。
そんななか、またも脅迫者による指示があり、彼らはアパートに呼び出されます。そして脅迫者は、彼らに裸になるように指示します。不可解な命令に、仕方なく従う5人。脅迫者は、彼らと、ある一部の人間しか知らないはずの遥の肩の傷について知っていました。そして3日後に連絡すると告げ、連絡が取れなくなってしまいます。
数日後、脅迫者は5人に、二手に分かれて行動することを指示します。信太郎と椿は、また死体を解体することに。しかし、今度の死体には首がありませんでした。怪訝に思いながらも2人は解体をしていきます。
解体後、2人のもとに竜から電話があり、竜と遥が指定された場所には明の首があったことが告げられます。つまり、信太郎と椿が解体した首のない死体の正体は、明だったのです。
ショックを受けるメンバーたちを尻目に、脅迫者は勝利を確信して高笑いを浮かべながら、連絡を取っていた携帯電話を壊すのでした……。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2017-01-06
これまでのなかで最大の衝撃の展開が起きてしまった2巻。見どころはやはり、死体を解体する一連の流れでしょう。
前回の解体とは異なり、死体処理に慣れてしまった信太郎と椿は、罪の意識も感覚も薄れています。そのぶん、死体の正体が明であることを知ったときのギャップが凄まじいのです。また明だったと分かった後の精神が不安定になっている様が、四者四様であるところも、今後のポイントになる予感がします。
さらに、2巻で回収された伏線と、新たに浮かびあがった伏線も続巻の大事なポイントになるでしょう。
まず、遥の肩の傷は、信太郎が父親に虐待されていることを知った5人が言い争いになった時についたものということが判明します。さらに傷をつけた直接の原因は竜であること、信太郎の父親を殺そうと提案したのが明であることも分かりました。
そうなると、脅迫者が5人を裸にしたという行為が、とても意味深に感じられます。遥の肩の傷のことを知る人物が脅迫者である可能性が高いということになりそうですが、真相は現時点で不明。1巻の死体処理手順書の悪趣味さを振り返れば、単なる趣味である可能性も否定できません。
また信太郎と竜は、「あるとき」に、決して2人の間に隠しごとをしないと約束をしていたことも分かりました。5人のなかで信太郎と竜の2人が特別親しいように感じられるのも、何か関係があるかもしれません。
さらに、遥が「あの2人は、本当は付き合っていない」と語る、明と椿の関係も意味深なところ。そして遥は信太郎に好意を告げ、近づいていくのです。さらに彼女と椿の、女子2人の関係性も今後大きな伏線になる可能性があります。謎が謎を呼ぶ展開は3巻に持ち越されます。
明が死んだことにショックを受ける4人。混乱のなかで、彼らはそれぞれの思惑を吐き出します。
まず竜が自首することを提案。次いで遥が、椿が彼氏の明が死んでも悲しんでいるようには見えないこと、そして椿が明と付き合っていなかったことを指摘します。さらに信太郎の卒業アルバムに書かれていた「神崎明に気をつけろ」という文字は、椿が書いたものであることが信太郎の口から明かされます。
問い詰められた椿は、実は明が自首しようとしていたこと、明は自分が信太郎の父親を殺すことを発案し、そのせいでみんなが罪の意識に苛まれているのを悔いていること、それほどまで明の精神が崩壊しかけていたこと、そんな明を支えるために付き合っていたという事実を告げました。
椿の話を聞いて、明の死を深く悲しむ4人。しかし自分たちの家族のため、その死を隠匿することを決意します。4人は明が崖に落ちたと口裏を合わせ、実際は、全く別の場所に明の死体を埋めることにしました。
それからひと月。以前明が言っていたゴルフ場の計画は、実際にはなかったこと、そしてに報道により最初に5人で解体した男が、ホームレスの佐藤茂という男であることが明らかになります。
彼らは遥の提案によって、電話の主を突き止めるために動き出します。まずは、死の直前の佐藤茂と接触していた人物を目撃した人物を訪ねることにしました。そこにいたのは、一風変わった若い女のホームレス。彼女によって、佐藤茂と接触していた男は明であることが判明し、次巻に続きます。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2017-04-07
この巻から、明の死によって受け身だった4人が真相を突き止めるため動きだします。その先導役が遥なのは、やはり刑事の妹だからでしょうか。
また1巻の「神崎明に気をつけろ」を椿が書いたことが明らかになりました。しかしこれを記した彼女の自己犠牲的な精神は、何に起因するものなのか、また新たな謎が生まれます。
そして新たな伏線も登場。佐藤茂の死体は、4か所で見つかったと警察が発表しています。しかし、死体は5つに分けて5人がそれぞれ運びました。つまり、見つかっていない死体があとひとつあるということなのです。その死体を担当したのが誰なのかはまだ判明していません。これには深い意味があるのでしょうか。
さらに明が信太郎に対し、「信太郎は俺のヒーローだから」と語っていたということも、何か重大な伏線のように感じられます。
ゴルフ場の件が嘘だったことも判明し、生前の明の行動が今後の鍵になるかもしれません。
ホームレスの女に、明が自殺したためその真相を探っていると嘘をつく信太郎。女は自らをスズランと名乗り、4人にシゲさんを殺した犯人を見つけることを条件に、2週間に1度情報をもたらすことを約束します。
明が裏切っていたかもしれない事実に打ちのめされる4人。 全員が不安定な状態になっているとき、信太郎の家を訪ねた遥は、自分の願いを叶えてくれなければ自首すると脅します。遥の望みを叶え、信太郎は彼女と肉体関係を持つことにしました。
一方の竜は、スズランとの約束が迫るなか単身で動き、明の母親から、明が金庫から20万盗んでいたことを聞きつけるのです。その情報を頼りにスズランと情報交換をすると、彼女は佐藤茂が生前、誰かから大金を受け取っていたことと、「電話をするだけでこれだけ貰える」と喜んでいたことを4人に話しました。
彼らは脅迫者の正体が、明に依頼された佐藤茂だったと憶測をしますが、信太郎は時系列の観点から辻褄が合わなくなることを指摘。そして、明が自首するためにシゲさんを使い、全員で自首する計画を立て、しかし途中で誰かにその計画が乗っ取られたという仮説を立てます。
信太郎は、さらに真相に迫るべく、遥の肩の傷のことを知る人物に会うために小学校を訪問。同時に、信太郎のアパートを訪ねていた竜と椿は、ベッドで遥が寝ているところを目撃してしまうのです……。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2017-07-07
信太郎が訪れた小学校にいる誰かが、今後の鍵になってきそうです。
また、4人の絆にヒビが入っているのが顕著になってきました。4巻になって、話の大筋には無関係のようだった信太郎の恋愛事情が足を引っ張る形になっているのです。
2巻で明らかになった遥の恋心を信太郎は利用し、本来好きなはずの椿との信頼関係が薄らいできています。またそのせいで竜から不信感をもたれている、というのも悪い結果に転びました。
そして、よかれと思って影で動いた明の行動が、結果として4人を苦しめている事実にも皮肉を感じます。生前の明の行動はまだまだ深い謎を残し、彼らを悩ませるのでしょう。
次回以降の『骨が腐るまで』は、常に誰かが誰かを疑い、誰が自首するのか、疑心暗鬼に拍車がかかってきそうですね。
遥の肩にある傷について、真相に迫るために母校を訪れる信太郎。そこで、お世話になっていた南先生と再会します。
懐かしい校舎の中で、忘れていた記憶が次々と蘇ってきました。遥が肩に怪我をしたとき、南先生ともう一人北浜先生が見てくれたことを思い出すのです。養護教諭が不在だったため、代わりに北浜先生が遥の傷の処置をしてくれました。
彼にも話を伺いたいと南先生に告げると、すでに別の学校に転任となったと伝えられます。その後、怪しまれないように住所を聞き出すことに成功。遥の傷について、真相に迫っていきます。
5巻では、北浜先生が鍵のひとつを握る重要な人物となっていきます。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2017-10-06
少しずつ真相に近づいていく彼ら。5人1組だった仲間が、いまや明が死んでしまったことにより、4人になってしまいました。さらに、自首を考えはじめるメンバーと依然として自首を拒否するものに分かれていきます。
信太郎と龍が2人きりで話しているシーン。龍は「俺が自首するって言ったらどうする?」と問いかけます。
その問いに対して、信太郎は「人は…人を殺しちゃいけないんだな」とやっと当たり前のことに気づけたと答えるのです。激しい憎しみがあったとしても、殺人は殺人。今さらこのように気づくのは、死体と何度も向き合ってきて、人の命に対する感覚が麻痺していたからかもしれません。
ただ、信太郎にはどうしても自首できない理由がありました。自分たちが自首すれば、信太郎の父に止めを刺した椿が、一番重い罪に処せられることになります。彼女を大事に思っている信太郎にとって、それだけは避けたかったのです。
仲間の明を失い、精神面ですでにボロボロになっている4人。はたして今後、犯人に迫ることはできるのでしょうか?
捜査一課では、藤田という男がなにやら怪しげな行動に出て……。彼の行動にも要注目です。
真犯人が北浜だという展開になったものの、彼の家で衝撃的なものを発見してしまった信太朗と竜。6巻では茂を殺した人物を特定しようとしているスズランが、もし真実にたどり着き北浜が犯人だとわかった時、芋づる式に自分たちの殺人もばれることを防ごうと、信太朗たちが暗躍します。
一筋縄ではいかなそうな雰囲気があったスズランですが、どうにか信太朗たちの嘘を信じ、彼らの束の間の平和が訪れます。何度も昔の殺人を犯す前のみんなに戻りたいと願っていた少年少女は、少しの間、息をつくのです。
しかしそんな彼らの安息を壊すのが藤井刑事。彼は同僚らしき人物にあと1〜2週間で目処がつくと言っていたことから、かなりの真実に近づいているような様子なのですが……。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2018-01-09
藤井の言葉から、結局は彼が重要な真相には近づいていないということが分かるのですが、信太朗は、何か覚悟を決めているようです。
6巻の見所はスズラン、藤井との手に汗握る展開ではないでしょうか。具体的な内容はぜひ作品でご覧ください。
父親の殺害という事件から数々の嘘と罪を塗り重ねてきた彼ら。それを少しでも油断すればすぐさま真実に近づいてしまうであろう人物たちが明かそうと迫ってきます。
今では自首したいものとしたくないもので意見が分かれ、いびつな関係になってしまいましたが、そのスピーディーな展開と対比され、彼らが「日常」を過ごす様子もまた心を動かされるものがあります。
手に汗握るスズラン、藤井とのやりとり、束の間の平和、そしてそのあとに入る過去回想のあとには、信太朗がなにやら決意の面持ちで話し始め……、と緩急のついた展開になっています。ぜひそのストーリーの妙を6巻で感じてみてください!
6巻で北浜が他殺だと分かり、彼を殺した人物が生き残った4人のひとりであること、その名前を全員の前で告げる信太朗。周囲がそんな訳ないと信太朗を責める中、犯人は悪びれもせずにそのことを認めます。
そして信太朗が真相についての推理をしていくと、それが当たっていることを笑顔で褒めるのでした。さらに信太朗は、その犯人と自分が3年前に北浜の家と母親の墓がある街で出会ったところから推理を始めます。
そこから北浜が過去に偶然死体を見つけていたこと、それを利用していようとしていた彼を犯人がある方法で止めたことが明かされていきます。
さらに殺されてしまった明がなぜ自首しようとしていたか、それを止めるために犯人がどんなことをしたのかも明かされていき……。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2018-04-09
ついに衝撃的なグロ&サイコホラー展開で読者を引き込んできた本作も、最終巻です。真犯人が発覚し、何も知らなかった周囲は愕然とします。
しかしそれは、聞けば聞くほど、犯人が可哀想で仕方ない内容。全員の罪、辛さを一身に引き受けていたことが分かります。そして普通のことのように笑顔でそれを話すその人物の闇の深さが感じられるのでした。
そんな本作の最終回に向けての展開は、過酷な環境が少年少女に与える影響、幼さゆえの間違い、それによる彼らの人生に落とされた影について考えさせられる内容となっています。
そもそもこのストーリーの始まりは、信太朗が父から虐待を受けていたこと。彼らなりにこの環境をどうにかしようともがいただけなのだ、とも言えます。
確かにその決断は間違いでしたが、全面的に彼らが悪いのかというと、それもまた違うでしょう。ぜひ、考えさせられる結末を、ご自身でご覧ください。
- 著者
- 内海 八重
- 出版日
- 2016-10-07
少年少女の青春が、殺人、そして死体遺棄という事件からどんどん歪になっていく様子が描かれた本作。生々しく克明に描かれた死体解体のシーン、椿、遥たちヒロインのエロいシーンも描かれ、エログロ作品としても優秀な内容です。
しかし本作最大の魅力は彼らの心理描写にあるのではないでしょうか。幼馴染を守りたいという気持ちから人を殺めてしまったことで、崩れていく関係。
脅迫犯の登場によって、自首するか否かでどんどん絆にヒビが入っていきます。そこにはそれぞれの事情があり、大人になっていくほどにしがらみが増え、関係が複雑になっていく様子が伺えます。
エログロ、ミステリー、サスペンスホラーなどが好きな方にはぜひオススメしたい作品です。
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いかがでしたでしょうか。6巻を過ぎ、まだ明かされていない謎、回収されていない伏線が多数残っている状態です。今後どういった展開が続くのか。まだまだ『骨が腐るまで』から目が離せません。