全校生徒わずか5人の学校に通う生徒たちの日常を描いた『のんのんびより』。そのゆるくてほのぼのとした世界観が人気となり、アニメは3期の制作が決定!この記事では個性的な登場人物と既刊11巻までの見所を紹介します。
次のバスが来るのは5時間後、道路には「牛横断注意」の標識……。
そんなド田舎にある小中併設の「旭丘分校」の全校生徒は、わずか5人です!
個性豊かな5人のほのぼのとした日常と四季の移ろいを描いた本作は、2013年にアニメ化され、2015年にアニメ2期が放送されました。そして、2017年5月には待望のアニメ3期の制作が決定しました!
今回は、そんな大人気日常系漫画『のんのんびより』の魅力をネタバレを交えながら紹介します。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2010-03-18
両親の仕事の都合で、東京の学校から「旭丘分校」に転入した一条蛍。彼女の新しいクラスメイトは、なんと小学1年生から中学3年生の生徒たちでした!さらに、全校生徒は彼女を合わせてたったの5人だけ。授業は基本的に自習で、やることがない先生に至っては教卓の前で惰眠を貪っています。
本作はそんなゆるすぎる学校と、人よりも牛の方が多そうな田舎町で暮らすこどもたちの日常を描いた作品です。家の裏にいるタヌキに名前をつけたり、学園祭を手作りしてみたり、時には沖縄旅行に出かけたりします。
個性的なキャラクターが織り成す、優しくて、ゆるーい日々……。ほのぼのとした日常系作品が好きな方にオススメの漫画です。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2010-12-17
宮内れんげは本作の主人公で、旭丘分校最年少の小学1年生。学校ではカブトエビの飼育担当で毎日観察日記を書いています。喋り方に特徴があり、「にゃんぱすー」という謎の挨拶をすることもあります。
家に棲みついているタヌキを「具(ぐ)」と呼び、川で取ったカニに「お塩」と名付け、あやとりでぐちゃぐちゃになった紐を「宇宙」と表現したりなど、周りが置いてけぼりを食らうほどの変わった感性の持ち主です。
これまで、自分が田舎に住んでいるという自覚を持ったことがなく、「牛横断注意」の標識を見て急に「もしかして田舎なのでは?」と思い始めました。
また、絵を描くのが得意で、蛍と小鞠とスケッチに行ったときにその腕前を披露します。絵のモデルに小鞠を選び、「こまちゃん、目いくつくらい描いて欲しいん?」という恐ろしい質問をしていましたが、完成した絵は小学1年生の作品とは思えないくらい写実的で、蛍からは「コンクールとかに出した方がいいんじゃないかな」と言われるほどの腕前でした。
その後、28話で「子供イラストコンクール」での金賞の賞状が家に飾られています。
工作の時間には、姉であり担任の先生でもある一穂が授業中に寝てしまった時用に、顔面を強打する装置を作成しました。また、大量の爪楊枝でサクッと人形を作ってしまう器用さもあります。最初の記憶は「母体の中」だと言うので、絵の才能といい、独特な感性といい、実は天才なのかもしれません……。
最年少で、人の言葉をすぐに信じてしまうような純粋さを持つれんげは、みんなの末っ子として愛されています。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2011-10-19
一条蛍は、両親の仕事の都合で、東京の学校から旭丘分校に引っ越してきた小学5年生。
「その神からひいきされたとしか思えぬ整った顔立ち。そして小学生らしからぬ身長と抜群のスタイル」(『のんのんびより』1巻から引用)
と作中で表されるほどの美貌の持ち主で、あまりに大人っぽいためランドセルが似合いません。
好きな音楽はクラシック、コーヒーはブラック派などと中身まで大人っぽく、ますます小学5年生とは思えない彼女。仲良くなった相手とも常に敬語で、いつも「いいところのお嬢さん」という雰囲気が漂わせています。家では子供っぽくなり、お母さんに甘えているのですが、誰に言っても信じてもらえません。
小さくて可愛い小鞠先輩のことが大好きで、先輩から飴を貰っただけで大喜び!電話を貰った時には興奮して電話を落としてしまうこともありました。
8話では、そんな小鞠と一緒に出掛けることになります。気合を入れて大人っぽい服装をしていったところ、小鞠に蛍だと気づいてもらえず、「東京から来た人が道に迷っているのかな」と思われたまま出掛けることになります。駄菓子屋で支払いをする際に1万円札を出したことでさらに勘違いを加速させ、結局最後まで気づかれないまま、「あれが大人の女性……かっこいい!」と小鞠の憧れになってしまいました。
また15話では、自作の「こまぐるみ(小鞠をモチーフにしたぬいぐるみ)」を部屋に溢れさせており、読者に一抹の不安を与えます。ちなみに、自作の小鞠グッズはその後もどんどん増えていき、彼女をネコのキャラクターに見立てた鉛筆立てまで作成しました。
小鞠は蛍の大人っぽさにたびたび衝撃と敗北感を味わっていますが、蛍本人はそのことに気付いておらず、ただただ小鞠のことを可愛いと思っています。みんなでお花見に出かけた際、小鞠手作りの真っ黒こげになったお弁当も頑張って食べる姿は、まるで彼氏のようです。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2012-07-19
越谷夏海は中学1年生で、同じクラスの小鞠と卓の妹です。非常にサバサバしており、嫌なことも大声で叫べばスッキリしてしまう清々しい性格をしています。タマネギでキリギリスを釣るなど、少年のような行動を取る女の子です。
姉の小鞠をからかうことが大好きで、小鞠が小学1年の時に書いた作文を朗読したり、お化けを怖がる小鞠を驚かすために、暗闇の中でピエロのマスクを被ってみたりと、作中ではこの姉妹の、からかい、からかわれる姿が定番化しています。
成績があまりよくなく、10話では隠していた通知表がお母さんに見つかってしまいます。10段階評価で5と4ばかりのため、お母さんは激昂。しかし、夏海は通知表だけでなく、0点のテストも隠していて……。
小鞠にテストを隠してもらうも結局見つかってしまい、布団たたきを頭に刺されてしまうのでした。そんなことがあっても夏海は「勉強なんてしーまーせーん」と反省の色を微塵も見せていないので、以降も勉強に苦戦する姿がたびたび見られます。
そんな夏海は、18話で行われる夏休み明けのテストで撃沈してしまいます。
「なんなの!あの!この時の作者の気持ちを答えなさいって問題はっ!!?そんなん作者じゃないんだし、わかるワケないじゃん!!カレー食いてー!とか思って書いてるかもしんないし!!」(『のんのんびより』3巻から引用)
と、国語の読解問題が苦手な人なら全員が共感するような名台詞を生み出しました。
また、理科は「捨て教科」だと断言し、「植物の双子葉類の根っこの部分はどうなっている?」という問題に「いつもは動かずそっけないけど根はやさしい」と自信満々に答え、見事0点を取っていました。
よくお母さんに怒られて頭に拳骨を食らうため、何もしていなくてお母さんを見ると反射で逃げようとします。越谷夏海は、そんな愛すべきおバカキャラです。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2013-02-20
夏海の姉で、卓の妹である越谷小鞠は中学2年生。旭丘分校に通う女子の中では最年長です。
身長が低く(本人いわく140cm程度)、こじんまりしていることから「こまちゃん」と呼ばれていますが、本人は大人っぽくなりたいため、そのあだ名を極端に嫌がります。
こどもっぽいことにコンプレックスを持つ小鞠は、みんなで海に行った際、小学5年生とは思えない蛍のビキニ姿を見てしまい意気消沈。「一人にしてください」と言い残して飲み物を買いに行ったところ、迷子と間違われて迷子センターに連れていかれてしまいました。
毎年の初詣では、神様に「身長が伸びるように」とお願いしているのですが、効果は出ていないようです。隣の家に住む高校生・このみに携帯電話を借りた時も、身長のせいで電波が届かないと信じ込み、身長の高い蛍に抱っこしてもらってメールを送信していました。
一方、妹の夏海が高身長なために「百歩譲っても姉に見えない」と言われ、からかわれるのが日常になっています。また、お化けが苦手でホラー英語を見て眠れなくなったり、肝試しでパニックになったこともありました。
MP3プレイヤーが主流の時にポータブルCDプレイヤーを買って、「大人の階段のぼっちゃった」と発言するなど、大人っぽく見られたい一心で張った見栄が全て裏目に出て、逆にこどもっぽさが露呈してしまうことが多々ありますが、そこが小鞠の可愛らしいところでもあります。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2013-09-18
越谷卓は旭丘分校で最年長の中学3年生です。唯一の男性生徒である彼は、言葉を発しません。
喋らないばかりか、密かに穴に落ちているなど、存在感が希薄です。妹の夏海には
「てか兄ちゃん存在感ないよね。目の前にいても気づかない時あるし。だめだよ、そんなんじゃ。今の世の中甘くないんだから」(『のんのんびより』1巻から引用)
と叱咤されるほど。
みんなで粘土で猫を作ったときに、猫耳美少女の萌えキャラフィギュアを完成させたことから、かなり手先が器用なオタクであることが伺えます。ちなみにそのフィギュアは、完成した数秒後に夏海によって破壊されてしまいました。
また、料理が得意なようで、飯盒炊爨では誰も気づかない間に魚の下処理を終えているなど、目立たないながらも職人顔負けの完ぺきな仕事ぶりを発揮します。文化祭では教室の隅で誰にも触れられず、犬の恰好をして正座し続けている姿は哀愁たっぷりで、読者の胸を苦しくさせるでしょう……。
ちなみに卓は、作中ではくじ運の良さも発揮します。「けい●んのライブチケットに応募すると必ず当選する」という謎の力を所持しており、デパートでの福引では特賞の沖縄旅行も当てました。当の本人は、当たったところで特に喜ぶ様子もありませんが……。
普段はスルーされることの多い彼の活躍は、56話で「定規落とし」というゲームをする場面で見られます。相変わらず言葉は発しませんが、卓を好きだという読者の方は、ぜひチェックしてみてください。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2014-07-23
宮内一穂はれんげの姉で、旭丘分校の先生をしている24歳です。授業中はやることがないので基本的に寝ており、れんげに「姉々」と起こされることがよくあります。
マイペースな性格で、遠足があることを生徒に伝えていなかったこともあり、当日になって遠足で田植えをやらされることを知った生徒たちの怒りを買ったこともありました。
大雪のせいでバスが走らず、学校に泊まることになった際、「布団が足りない」という話し合いの最中に一人だけ布団を独占して爆睡するなど、行動に先生らしさが全くないところも特徴です。駅のホームで終電を待っている間に寝てしまい、一緒に来ていた生徒たちに置いてけぼりにされたこともありました。
しかし、彼女も教師なだけあり、面倒見が良いという一面もあります。わずかでも、きちんとした社会人としての一面があるからこそ、マイペースな彼女はなんだかんだで周囲から愛されているのではないでしょうか。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2015-03-23
宮内ひかげはれんげの姉で、一穂の妹。東京の学校に通う高校1年生です。
れんげに高層ビルの迫力や電車の乗り換えが出来たことなど、都会風を吹かせて東京自慢をしていたところ、東京出身の蛍が遊びに来てしまい、たじろいでしまいます。
「新幹線は乗ったことがない」という蛍に再び都会風を吹かせますが、「新幹線じゃなくて飛行機で来たから」という、田舎っ子にとっての強すぎる言葉を浴びせられて一発KOされました。
小学5年生の頃、まだ赤ちゃんだったれんげを学校に連れてきて、楓に世話係をやらせていた過去があります。
7巻での沖縄旅行では、夏海と一緒に帰りたくないと泣いていて、小学生組に慰められる場面もありました。比較的落ち着いている妹・れんげと姉・一穂とは対照的な性格です。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2015-12-22
加賀山楓は駄菓子屋を経営する20歳。彼女もまた旭丘分校の卒業生で、あだ名はそのまま「駄菓子屋」です。店に全然人が来ないため、
「こうも人来ないとおまんまの食い上げだな……」(『のんのんびより』3巻から引用)
と呟くも、あまり焦っている様子はありません。スキー用具や布団のレンタル、インターネット通販の代行も行うなど、地道に生計を立てているようです。
駄菓子屋に来たれんげにガチャガチャを勧めるも、「こういう腕時計が出ると見せかけている黒いカプセルのガチャガチャは変なのが出る」と論破されます。実際にやってみたところ、「つくしんぼう」という用途不明の物体で出てきたため、れんげに謝罪していました。
また、30円のお菓子を30万円するなどと言ってれんげを騙す、大人らしからぬ一面もあります。しかし、ある日れんげを家へ送る際は自分のバイクに乗せ、「二人乗りは危険だろう」とバイクを手押ししてあげる、優しいお姉さんです。初日の出を見に行く際にも、「嫌いな人参とほうれん草とピーマンを食べる」という約束つきで、れんげを連れて行ってあげていました。
子供は苦手らしいですが、小学生の頃、ひかげに無理やりれんげの世話係をやらされたためか、れんげにはとても甘いようです。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2016-09-23
富士宮このみは、22話で登場する高校3年生で、越谷家の隣人。文化祭の準備のためにみんなで越谷家に集まっていたシーンで初登場します。
テンションが高く、初対面の蛍に「大きい転校生ちゃん、握手しよう!」とかなりの勢いで迫ったこともありました。
ゲームが強く、小鞠と対戦した時は全勝しています。夏海の汚い部屋を片付けている際に、脱線してお母さんに怒られそうになる小鞠と夏海にアイアンクローをかけ、黙らせることができるパワー系女子高生です。
ファッション誌を読むことが好きで、52話では普段少年のような夏海を可憐なお嬢様風の女の子に変身させるという、なんとも女子高生らしい一面も見せました。
- 著者
- あっと
- 出版日
- 2017-05-23
石川ほのかは、17話でれんげが散歩をしていた時に出会った女の子です。
夏休を使っておばあちゃんの家に里帰りしており、お父さんから借りたカメラで写真を撮っていたところ、れんげに会います。カメラに興味津々のれんげに村中を案内してもらい、水車など、都心ではなかなか見れない場所でたくさん写真を撮りました。
夏休みの間2人は毎日遊んでいたのですが、ほのかのお父さんに急な仕事が入ってしまったため、挨拶もできずに帰ってしまいました……。悲しくて泣いてしまうれんげ。ところが、数日後にほのかから手紙が届きます。そこには2人で一緒に撮った写真が同封してありました。
れんげに素敵な夏の思い出をくれた女の子、それがほのかです。
忙しい毎日でも『のんのんびより』の世界に入ると、クスッと笑えて、自然と気持ちがほっこりしてきます。アニメ3期の放送に合わせて、ぜひチェックしてみてください!優しくて、個性が強すぎるキャラクターたちが待っています。