はじめまして! Chubbinessの高尾苑子です。初コラムです\(^o^)/ ピコ太郎さんの姉妹グループで、都内を中心に活動をしています。 わたしは子供の頃から本が大好きで、休みの日に図書館に行ったり、本屋さんで新しい本を探したりして、たくさんの本を読んでいました。小学生くらいからいままでで本を読まなかった日はほとんどありません。 中学生くらいまではありとあらゆるジャンルの本を手当たり次第に読んでいましたが、高校生になってからは、お気に入りの本や好きなジャンルの本を中心に読んでいます。最近は小説が好きです。村上春樹さんの世界観や、佐藤多佳子さんの青春系の本は特に大好きです。 そういうわけで本を読むのは大好きなのですが、こんな風にしっかりと本についての文章を書くのははじめてで、すごくドキドキしています。そして大好きな本に関するお仕事! すごく嬉しいです。 みなさん是非、最後まで読んでね! よろしくおねがいします!
- 著者
- J.D.サリンジャー
- 出版日
- 2003-04-11
今回、はじめてのテーマに選んだ本はサリンジャーさんの作品で、村上春樹さんの翻訳、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』です。高校生の時に読んだこの本は、それまでの私の読書観をひっくりかえしました。映像やあらすじだけでは全然伝わらない、やっぱり読書ってすごい!って感じられる本です。みなさんも是非この本を読んで読書観をひっくりかえされてみてください♪
日本では『ライ麦畑でつかまえて』『ライ麦畑の捕手』『危険な年齢』などと訳されるこの本は1951年にアメリカで出版された小説です。主人公のホールデンが高校を退学になってから家に帰るまでの数日間に起きた出来事を、ホールデン本人が読者に語ります。
17歳の主人公、ホールデンはとにかく多感で、自分の周りにはイヤなこと、きらいなひと、信じられないものでいっぱい。自分だけが世界に馴染めてないと感じています。友達や先生や勉強、そのほかにもすべてのことにイライラしていて、学校を何度も退学になっています。先生や先輩にいろんなアドバイスをもらっても、ぜんぜん聞き入れません。ホールデンにも言い分はあるんだけど、それは言葉にするのが難しい類のものだし、大人になってしまった先生たちには理解できないのです。
ホールデンのこの感じをしっかり伝えていて、この本と言えば!みたいなシーンがあります。妹のフィービーに将来なりたいものについて聞かれたときのホールデン。
「だだっぴろいライ麦畑みたいなところで、小さな子どもたちがいっぱい集まってゲームしてるところをぼくはいつも思い浮かべちまうんだ。(中略)誰かその崖から落ちそうになる子がいるとかたっぱしからつかまえるんだよ。ライ麦畑のキャッチャー、ぼくはただそういうものになりたいんだ。かなりへんてこだとは思うけど、ぼくが心からなりたいと思うのはそれくらいだよ」
お金や、名声や、地位はどうだっていいから、ただ純粋なことだけをして生きていけたら。無垢なものを守ることができたら。ホールデンはこういったことを割と本気で考えている、中二病みたいな男の子で、こういうピュアなところがホールデンの魅力です。そして、たくさんの人の共感を得てこの本は「永遠の青春小説」として今でもなお、多くの人に読み継がれているのでしょう。大人になってしまえばかなわない、へんてこな願いだとわかっているからこそ、儚くて切なくて私も大好きなシーンです。
ホールデンが嘘っぽいことや、偽善っぽいこととかそういうことから離れて、一人で生きていこうとした時、妹のフィービーがそれなら私も一緒に行く、と騒いで止めるシーンがあります。そのあと回転木馬でぐるぐる回り続けるフィービーを見て、すごくすごく幸せな気持ちになったホールデン。
なにもかもが嫌になって逃げだしたくなった時、わたしはこのシーンを思い出します。今までやってきたことが無意味に思えたり、そもそも間違っていたんじゃないか、なんて思ったりする時。そんな時、大好きな何かのことを思い出します。心から大好きって思える何かのことを。するとなぜか、イヤだったいろんなことが、まあいっかって思えるんです。たとえ自分の周りのすべてがインチキに思えても、もう二度と好きになることなんてできないと感じたとしても、それがあれば明日もがんばれる。そうすると明日はいいことを見つけられるかもしれない。最後はこんなふうに少しだけ大人(?)になったホールデンで物語は終わりです。
ホールデンみたいなことを思ったことがある!という方はもちろん、読書の良さがいまいちわからない……って思ってる方にもぜひ読んでほしい本です♪
本とアイドル
アイドルが、本好きのコンシェルジュとして、おすすめの本を紹介します。小説に漫画、詩集に写真集に絵本。幅広い本と出会えます。インタビューも。