初めまして。今月からリレー連載をさせて頂きます、バクステ外神田一丁目の志賀優里香です。物心ついた時から本が大好きで、休み時間や移動中など、時間があれば読書をしてきました。本って、現実世界では出来ないような事を、想像で疑似体験することが出来るので魅力的です。
ところで皆さんは、秋と言えば何を思い浮かべますか? 秋と言えば、スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋、そして読書の秋。私は、少し涼しくなって過ごしやすくなるとなぜか、夜中に本を読みたくなります。しかも、ミステリーを。本のジャンルではミステリーが一番好きなのですが、中でも、イヤミスという読んだ後いや~な気持ちになるミステリーが大好きです。読み始めると面白くなって止められなくて、夜更かししてしまうことも何度か……。犯人や推理が分からないまま、終わりたくないんですよね。夜更かしに気をつけつつ、秋の夜長の本選びの参考にして頂きたい、ミステリー小説をご紹介します。
綾辻幸人が描く、ホラーミステリーの先駆け
今まで読んだ全ての本の中でも、一番と言っていいほど好きなお話です。私の好きな要素である、殺人・血・推理・謎の少女・少しグロテスクというのが全て詰まっています。ある中学校にまつわるお話で、謎の〈現象〉によって次々と死が訪れてしまう。そんな、有り得ないような怖い設定でも、登場人物達の心理が細かく描かれていて、〈現象〉以外の部分は普通の世界なので、違和感なく入り込んで、一気に読んでしまいました。
〈現象〉のせいで死んでしまう、という要素はホラー作品のようですが、犯人を探すというミステリーな部分もあるので、ホラーでありミステリーでもあるという、新しいジャンルの作品です。ホラーでミステリーでサスペンスで、さらには学園もの。ジャンルが一気に集まっているので、どんな方にも楽しんでいただけると思います。
大人になるって、こういうこと?
桜庭さんの作品で、初めて読んだお話です。タイトルから、甘い感じでフワフワしたお話かなと思っていたら、全然違いました。 やけに大人びている中学生と、嘘つきで子供っぽい中学生が、いい意味でも悪い意味でも、社会を知って成長していくお話です。
家族とはなにか、家族のあり方を教えてくれます。また、子供という立場の不自由さや理不尽さ、他人と生きるために折り合いをつけていくという、大人になっていくうえで大事な成長過程を感じ、懐かしさと共に、もう子供には戻れないんだという淋しい思いをしました。失踪した藻屑を探したり、心理クイズなどもあって、ミステリーな要素も入っているので、そこも楽しめると思います。