ベンジャミン・フランクリンについての逸話6つ!アメリカ建国の父を知る本も

更新:2017.9.11

アメリカ建国の父として、アメリカ人第1号として、そして凧と雷の実験であまりに有名なベンジャミン・フランクリン。今回は彼の人となりがよくわかる書籍をご紹介します。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

ベンジャミン・フランクリンとは

ベンジャミン・フランクリンは1706年に、イギリス領だったボストンで生まれました。1710年代後半から20年代にかけて印刷業で活躍し、23歳の頃ペンシルベニア州の公報を出版。編集者・印刷業者として成功を収めています。

裕福になった30年代以降は公職に集中するようになり、ペンシルベニア植民地議員、郵政副長官という要職に付きつつ、アメリカ学術協会や後のペンシルベニア大学の創設など公人・政治家として精力的に活動しました。

植民地だったアメリカに対する待遇に不満が高まるなか、植民地の連合を模索するようになり、待遇改善を求めてイギリスに行きます。その後アメリカの独立を支持し、独立宣言を起草するメンバーのひとりとなりました。

イギリスとの独立戦争時は、外交官としてフランスの協力を得たり、他国の中立を取り付けたりし、アメリカ独立を成功に導きます。その後ペンシルベニア州の知事となり、84歳で亡くなりました。 

彼の行動哲学に一貫しているのが、「プラグマティズム」という哲学です。これはいわゆる功利主義であり、生活上実益があるか、幸福について是か非かを考えるもので、極めてアメリカ的な発想といえます。

またフランクリンは科学者としても目覚ましい功績をあげています。

1950年代にはライデン瓶(初期の蓄電器)を使って雷が電気であることを突き止めました。これは雷を直接捕捉するというとんでもない実験でしたが、その結果ライデン瓶には静電気が蓄電され、雷雲が帯電してることがわかったのです。そのほかにも、遠近両用メガネや、フランクリンストーブなどの発明もおこなっています。

また20代の頃「貧しいリチャードの暦」という日めくりカレンダーを開発、幸せになるにはどうしたらよいかを啓蒙しました。このように彼のプラグマティズムは決して自分の利益になることだけではなく、人のためになるように使用され、それが現在にも繋がっています。

ベンジャミン・フランクリンにまつわる逸話6つ!

1:ミュージシャンでもあった

彼はミュージシャンとしても卓越しており、弦楽器が得意でした。そして、グラスハーモニカという楽器を発明しています。これはいくつかのガラスのボウルが回転しておりそれに触って音を出すもので、現代でも使われています。

2:チェスの名手だった

彼は幼少の頃からチェスが得意で、その腕前は大したものだったそうです。チェス好きはその後も続きアメリカ独立後も『チェスの道徳』というコラムを雑誌に書いているほどでした。

3:“Time is money.”といったのはフランクリンだった

遅刻するとよく冗談交じりに言われてしまう「タイムイズマネー」は、元々彼が自身の著作のなかで述べていた言葉でした。「時は金なり」ですね。

4:フランスでモテモテだった

彼は独立戦争の際、ヨーロッパに赴いてフランスの支援を取り付けることに成功します。その際フランスの社交界でうまく立ち回るためにフランス語を勉強し、さらに当時流行していた本を読むなどして準備をしました。その結果、当時彼は70代後半でしたがフランスで非常にモテたそうです。

5:凧の実験の第1号はフランクリンではなかった?

実際に最初に実行したのはフランスのトマ・フランソワ・ダリバールという説があります。実験の骨子はフランクリンが提唱したもので、それをダリバールが実行に移し、無事に実験は成功しています。その後フランクリン自身も実験しているとのことです。

6:薪ストーブの発明をした
 

彼は暖房効率の低い暖炉を改良し、周りをすべて鉄板で囲い煙突を付けた「フランクリン・ストーブ」を開発しましたが、これは現在の薪ストーブの原型で、主だった特徴はいまも継承されています。本人は「ペンシルベニア・ストーブ」と呼んでいたようです。

ベンジャミン・フランクリン自らが語る

本書は1791年にフランスで刊行されたのが最初で、様々な編集が施されたため底本をどの版に置くかは訳者も苦悩したとのこと。しかしそれは些細なことで、フランクリンが自伝を残したという事実が重要でしょう。

全部で12章に分けられており、淡々とした口調で事細かに記されています。船乗りになりたかったが印刷の仕事に就きロンドンで修行をすることになる……という彼の初期の話が非常に鮮やかに描かれており、当時のアメリカの雰囲気を感じることができるでしょう。
 

その後事業で成功し、公人として活動するまでが書いてありますが、一貫して冷静な筆致が目を引き、読みやすくなっています。注釈も充実しているので、わかりにくい状況や背景も飛ばさずに読むことができるでしょう。

著者
フランクリン
出版日
1957-01-07

徹頭徹尾真面目な人、というのが本書から得られる印象ですが、彼の行動は常に何らかの利益につながっているのが、後のアメリカを予見しているようで興味深いものがあります。

付録に「富に至る道」という項目があり、ここでは「貧しいリチャードの暦」を引用して富をどう築くかが記されています。読み応えがあり現代にも通ずる教訓が満載です。

また巻末には彼の年表や解説が掲載されているので、手早くフランクリンの足跡を追うのに最適な構成となっています。アメリカ資本主義がどう勃興したのか、なぜアメリカは最初から民主国家だったのかがよくわかる良書です。

道徳的に生きるには

『人生を幸せへと導く13の習慣』は、フランクリンが提唱した13徳の大事なところを抜きだし、翻訳して解説を加えたものになります。彼は、自分が市民から重要視されたり、公人として影響力を持ったりしたことができたのも、この13徳の実践のおかげだと言っています。

その内容は、節制、沈黙、規律、決断など厳しいものになっていますが、日本人が昔から持っていた性質に共通する部分が多く、驚くでしょう。

著者
ベンジャミン フランクリン
出版日

この13徳は幸福になるため、つまりお金持ちになるための徳目であるという側面があります。そのことを解説では丁寧に説明していて、右ベージに徳、左に解説があるので視覚的にも読みやすいよう工夫がされています。

彼の略歴も巻末に掲載されており、アメリカでどのように評価されているかが解説されているので、彼の人生を俯瞰してみるのによいテキストといえるでしょう。

また巻末には13徳の一覧とチェック表も付いているので、読んだその日から実践することができますよ。
 

フランクリン流ファイナンシャル・プランニング

本書は、マネーマネジメントにおける、「1セントを節約するということは、1セントを稼ぐと同じことである」というベーシックな金銭哲学をベースに書かれた一冊です。

またお金を使う意義も彼は重要視しており、その2つをうまく使いこなすことが肝要であると語っています。

全7章からなる本書はフランクリンが読者のお金をマネジメントするというシミュレーションや、お金に関する間違った認識、彼のアイデアやキャッシュコントロール術などを、現代にマッチするようにわかりやすく解説しています。

これを本書では「フランクリン・システム」と呼んでおり、これを実践することによってファイナンシャル・ドリームを実現できると語っています。

著者
リン・G. ロビンズ
出版日
1996-11-11

本書では一貫して、富を築くシステムはシンプルだということを述べています。お金そのものには価値がなく、価値のあるものと交換するものである、という認識を中心にして、自分にあった方法を模索する内容です。収入の大小ではなく、まず自分のお金をコントロールすること、それが重要だと本書は説きます。

各セクションにちょっとしたストーリーを加え、それが各項目のコンセプトの理解を助けてくれ、富を築くという夢を実現する方法が理解しやすくなっています。ぜひフランクリン・システムを実践してみましょう。

最初のアメリカ人ベンジャミン・フランクリン

最後は再び人間としてのフランクリンに迫る本をご紹介します。本書はある意味象徴的な存在となったフランクリンをもう1度冷静な目で見直し、なぜ彼があのような人生を送ったか、あのような経緯をたどったのかを再確認する試みがなされています。

いわゆるアメリカ人的性格があるとするならば、それはフランクリンだろう……と評価される前の、歴史の流れのなかに実際にいた彼は、どういう人物だったのでしょうか。

著者
ゴードン S.ウッド
出版日
2010-09-04

非常に重厚な内容の本で、充実した読書体験ができます。イギリスの和平提案を拒絶するなど熱いところがあったり、揺れ動く奴隷制への思いにはフランスの影響があったりと、教科書でさらっと読むだけではイメージのしようもない考察が簡潔な文章で記されいます。

フランス革命と同時に展開していたアメリカ独立、当時この両方に加担していた人物は多数いましたが、その有機的なつながりが彼の死を巡ってさまざまなドラマを生み出しており、一種の感動を覚えるでしょうい。

18世紀のアメリカを扱った書籍が少ないなか、本書はその決定版ともいえる内容の充実度を誇っているので、フランクリンについて知りたい人だけでなく、歴史好きなら持っておきたい一冊です。

バイタリティと天才性を兼ね備えた、アメリカ人の原型を作ったともいわれるベンジャミン・フランクリンをきっかけに、激動の18世紀末をあらためて見直すのも楽しいかもしれません。全部おすすめです!