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「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」キャラを最終巻までの名言から紹介!

更新:2017.9.11 作成:2017.9.11

勇者よ、今こそ立て!いつまでも色褪せない物語「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」。読めば必ず勇気付けられる、この不朽の名作を名言を交えてご紹介していきます。

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漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の魅力とは?

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」は1989年から1996年にかけて「週刊少年ジャンプ」で連載された少年漫画です。世界的に有名なコンピューターRPGの雄、「ドラゴンクエスト」の世界観をベースに、独自のキャラクターと展開で人気を博しました。

約30年前に連載が開始された作品ですが、いまだに色褪せない輝きを誇っています。少年漫画の王道といえるストーリー、手に汗握る熱い展開、そしてそれを織りなす無数の登場人物。どこを取っても面白い!可能なら余すことなくすべてご紹介したいところですが、それはなかなかに難しい。

そこで今回は主要キャラクターを中心に、名言を交えてその魅力をお伝えしたいと思います。

漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」あらすじ

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

かつて、人々は魔王ハドラーの軍勢に脅かされていましたが、勇者らの活躍によって世界には平和が戻りました。それから十数年後、世界には再び魔の手が迫りつつあったのです。ハドラーを越える大魔王バーンの脅威です。

勇者の素質を秘めた少年、ダイは自らの宿命に導かれるように立ちあがりました。彼は仲間とともに幾多の苦難、強敵と戦い、新たなる魔王軍に立ち向かっていきます。

竜の紋章を持つ少年!心優しき小さな勇者ダイ

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

ダイはこの物語の主人公。モンスターだけが住むデルムリン島で、鬼面道士ブラスを親代わりに、ただひとりの人間として育ちました。人間は誰しもが恐ろしい外見のモンスターを忌避しますが、モンスターに囲まれて育ったダイは、偏見を持たない純真な少年です。

ダイは赤ん坊の頃にデルムリン島に流れ着いた孤児でした。本当の家族を知らない彼にとっては、デルムリン島のモンスターは友人であり家族。魔王復活の影響でデルムリン島のモンスターにも悪影響が出はじめた時、勇者の家庭教師アバンと出会い、戦う術を示されて打倒魔王の旅立ちを決意しました。

元々筋が良かったらしく、1週間にも満たない短期間でダイはアバン流の基礎をマスター。魔王軍幹部を退けるほどの実力を発揮します。

実はダイは、世界の力の均衡が破られた時にバランスを取り戻すため現れるという、伝説の「竜(ドラゴン)の騎士」と、人間との間に生まれた混血児だったのです。彼が闘志を燃やした際、その額に輝く紋章が、竜の騎士の証でした。

とはいえダイはまだまだ未熟。いくつもの障害や苦難に直面します。魔王軍6大軍団の百獣魔団、不死騎団、氷炎魔団、そして超竜軍団……しかしそのたびに仲間に助けられ、自身も強くなって乗り越えていくのです。彼の強さの本質は肉体的なものではなく、不屈の精神、仲間を信頼する心にこそあると言っていいでしょう。

アバンから授けられたアバン流刀殺法奥義「アバンストラッシュ」はダイの代名詞。剣を逆手に構えた必殺技のポーズは、多くの読者が当時真似したでしょう。竜の騎士の力に目覚めてからは、アバンストラッシュに魔法の力を上乗せした派生技を多用しました。

紆余曲折を経て、2人分の竜の騎士の力を揮うようになってからの戦闘力は圧巻。その凄まじい威力は大魔王バーンをも怯ませます。

「……もし本当におまえの言う通りなら……地上の人々すべてがそれを望むのなら……おれはっ……おれはっ……!  ……おまえを倒して……! この地上を去る……!!」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』32巻より引用)

人間はいつか、自分たちとは違う存在であるダイを排斥する、と言う大魔王バーンに対してのダイの返答です。人の心を信じ抜き、それでもなお人が望むのなら自ら消える。無私無欲なまでに純粋なダイならではの答えです。愛するものために自らの犠牲も厭わない、勇者ダイを象徴するセリフといえるでしょう。

もう1人の主人公!臆病で弱虫な大魔道士ポップ

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

物語の最初から最後までダイと行動を共にした仲間、それがポップです。本作を少年の成長譚として読むのなら、彼が主役と言っても過言ではないほど、伸びしろの大きなキャラ。成長度でいえばダイ以上で、活躍もダイに引けをとりません。

初期の彼は情けない場面が多く、読者の評判は良くありませんでした。担当編集からは排除の意向もあったようです。原作の三条は、だからこそ成長する姿を描くことで、読者に強い印象を与えると考えました。その目論見は的中することになります。

この物語には特別な出自のキャラクターが多数登場しますが、ポップだけは例外。武神の血筋でもなければ、エリート戦士でもない、アバンに心酔して弟子入りしただけの武器屋の息子です。読者と同じただの一般人であるポップが、ダイと共に旅をして強くなっていくことで、我々に人間の可能性を示す存在なのです。

ダイが前衛ならポップは典型的な後衛。知恵と魔法を駆使して戦闘を有利に導きます。序盤は形勢不利と見るやすぐ尻込みする臆病者でしたが、ダイと一緒に戦ううちに、精神的にも、そして人間的にも成長を果たし、ダイ一行に欠かせない柱となります。

精神的な成長に従って魔法の力量もアップ。上位の攻撃魔法もひと通り使いこなし、複数のメラゾーマを同時に放つ「五指爆炎弾(フィンガー・フレア・ボムズ)」など禁術とされるものまで使ってみせるのです。

落ちこぼれ魔法使いだったポップが、最終的に大魔王バーンと張り合う展開には心が震えます。

「あんたらみてえな雲の上の連中に比べたら、おれたち人間の一生なんてどのみち一瞬だろう!!?(中略)残りの人生が50年だって5分だって同じ事だっ!!! 一瞬……!! だけど……閃光のように……!!!  まぶしく燃えて生き抜いてやる!!! それがおれたち人間の生き方だっ!!! よっく目に刻んどけよッ!!! このバッカヤロ――ッ!!!!」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』36巻より引用)

登場シーンが多いだけあって、ポップにはことさら名言が多いのですが、強いてひとつ挙げるならばこれでしょう。圧倒的に強い大魔王を相手にし、絶望的な場面で啖呵を切るポップ。見る者を力づけるその姿には、初期の弱々しい臆病者の面影はどこにもありません。

光と闇の力を備えた不死身の戦士ヒュンケル

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

ヒュンケルもダイ、ポップと同じく「アバンの使徒」と呼ばれるアバン流の弟子。ダイたちにとっては兄弟子にあたりますが、初登場時はなんと魔王の手先で、しかも6大軍団のひとつ、不死騎団を束ねる団長でした。

つまりヒュンケルは、魔王軍の幹部として登場したのです。正義の味方で悪行を憎むはずのアバンの弟子がなぜ……?理由は、彼の出自にありました。

ヒュンケルは一見クールな印象を漂わせる魔剣戦士。ですがそれは、彼の生まれ育った経緯によるもので、人との関わることに不器用な性格の裏返しでした。本来は繊細で思いやりのある人物です。

ヒュンケルが赤ん坊の頃、当時魔王だったハドラーの軍に彼の故郷が滅ぼされました。孤児となった彼は、ハドラーの側近である地獄の騎士バルトスに拾われ、育てられます。モンスターに育てられたという点でダイと似ていますね。しかし、魔王ハドラーが勇者に打倒されたことで軍は壊滅。父と慕っていたバルトスも亡くなってしまいました。

居場所を失ったヒュンケルは、家族を殺した仇として勇者を憎むようになります。その勇者の名は……アバン。彼は従順なふりをしてアバンに師事し、力をつけるとともに復讐の機会を待ちました。結果的に復讐は失敗しましたが、再び行くあてをなくした彼は、大魔王バーンの側近ミストバーンに拾われ、復讐心を利用されて手駒となったのです。

そんな彼もダイとの戦いを経て、アバンを仇と思うのは誤解だったと知り、そのことで苦悩するも改心。心強い高弟としてダイの味方に付くことになりました。

当時、魔王軍随一の剣士だったバルトスの教え、そして幼い頃からアバンに師事したヒュンケルの実力は、折り紙付き。鎧の魔剣、鎧の魔槍を身に纏い、アバン流刀殺法、同じく槍殺法、さらにはミストバーンに習った暗黒闘気をも利用して戦います。

必殺技は、剣や槍を高速回転させて敵を攻撃するブラッディースクライドや、アバンから伝授された、闘気を放出する技、グランドクルスなどです。

彼にとっては命すら武器のひとに過ぎず、自身を省みない戦闘でボロボロに傷付いていきます。

「……戦ってきた……! ……戦い抜いてきた……!! この体に受ける痛みだけが、オレの過去を忘れさせてくれると思って……!! この流れ落ちる血と汗だけがオレの犯した罪を 洗い流してくれると信じて……!!」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』30巻より引用)

大魔王バーンの居城、バーンパレスを守護するオリハルコン軍団を前にした覚悟のセリフです。過去の罪とは、アバンを仇と誤解し、人間を憎んで魔王軍の急先鋒として各国を蹂躙したこと。ヒュンケルにとって大魔王の軍と身を削って戦うのは、己の罪に対する贖罪に他ならないのです。

正義のために拳を揮う!慈愛の武闘家マァム

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

ダイとは違った意味で優しい正義の使徒がこのマァムです。ダイのそれが純真さからくるものだとすれば、マァムの優しさは母性愛。勝ち気に見える表面的な性格はともかく、誰よりも人を慈しむ心を持つのが彼女です。

マァムの父ロカと母レイラは、かつてアバンが魔王ハドラーを倒した時の勇者パーティの一員でした。父母からそれぞれ戦士、僧侶としての資質を受け継いでおり、彼女もまたアバンに師事したことのある弟子のひとりです。

当初は僧侶の回復魔法と持ち前の筋力、魔法を撃てるアイテム「魔弾銃」で戦う僧侶戦士でした。しかし、後に魔弾銃が壊れたことでダイ一行から一時的に離脱、新たな技を身に付けて戻ってきます。「拳聖」と呼ばれた武術の達人ブロキーナに師事したマァムは、回復もこなせる前衛職の武闘家となったのです。

武闘家に転身したマァムの攻撃力は凄まじく、素手で岩を砕くほど。必殺技は武神流奥義「閃華裂光拳」です。対象を過剰回復させることで破壊する失われた秘術「マホイミ」を組み込んだ技で、相手が生命体ならば防御不能という恐ろしい攻撃です。

また、武闘家になったマァムは露出度が高くなり、少年誌における健全なお色気要員である点も見逃せません。

「い……生命にゴミ同然のもんなんて……1つもない! たとえどんな生物でも……!! それがわからないとしたら……あんたこそ本当のゴミよっ!!!」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』14巻より引用)

超魔生物という、魔族のパワーアップを目論む妖魔士団のザムザが、実験のために生物を犠牲にしてきたことに対して激昂するマァム。敵味方を問わず、慈愛の精神で生命を慈しむ彼女ですが、それを蔑ろにする者には怒りを見せて戦います。

その身に纏うのは正義のカリスマ!パプニカの王女レオナ

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

パプニカ王国のお転婆王女レオナ。ダイ一行に加わった順番では1番最後ですが、登場時期で見るとパーティのなかでもっとも早く劇中に現れたのは彼女なのです。ダイが初めて竜の騎士の力を発揮させるきっかけになった人物で、本作のヒロイン格になります。

デルムリン島で育ったダイにとっては初めての人間の友人で、王女らしい品格よりも、アクティブな行動力や気さくな言動の方が目に付きます。ただし、その血に流れるパプニカ王族の威厳は本物。意気消沈した人々を鼓舞するカリスマを持っているのです。

打倒魔王を目指すアバンの使徒のひとりで、彼女自身はアバンに師事したことはありませんが、かつて彼が仕えていたカール王国の女王フローラからアバンの使徒の資質ありと認められ、アバンに代わって弟子の証である「アバンのしるし」を授けられました。後にアバン自身から超短期間の指導を受け、正式な弟子になっています。

賢者の卵だけあって、回復魔法を主に得意としているようですが、ひと通りの攻撃魔法も使うことができます。彼女の1番の見せ場は、バーンパレスへの道を拓いた「大破邪呪文(ミナカトール)」でしょう。

「地上の正義と……! 偉大なる勇者アバンの名の下に……!! 今こそみんなに、この王女レオナが命じます!! “すべての戦いを勇者のためにせよ……!!!”」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』32巻より引用)

精神的支柱を欠き、動揺するダイ一行をまとめあげたひと言です。仲間を見捨てられないという、ダイたちの弱点を突いたミストバーンの思惑を、一刀のもと切り捨てました。

時には非情な判断を強いられる、王女ならではのレオナの的確な判断。この言葉がダイたちを勝利に導いたと言っても過言ではないでしょう。

唸れ咆哮! 獣王クロコダイン

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

クロコダインは正真正銘のモンスター、リザードマンというワニ頭の獣人です。強靱な肉体、強固な鱗を備えた生粋のパワーファイター。ダイ一行随一の力自慢で、名誉と誇りを重んじる武人でもあります。

ダイやポップにとっては、初期から加わってくれた頼れる仲間。ですが元々は魔王軍6大軍団のひとつ、百獣魔団の軍団長を務めており、冒険の旅に出た一行の前へ最初に立ち塞がった強敵でした。正々堂々と戦うダイ、仲間を信じ抜くポップの行動に敵ながら感化され、勝利に腐心するあまり卑怯な手を用いた己を恥じつつ、ダイに斬り伏せられたのです。

一時は死んだかに思われましたが、魔王軍によってその遺体は密かに回収されていました。そしてクロコダインは持ち前の生命力によって見事に蘇生し、ダイに人間への希望を見た彼は魔王軍を出奔。それ以後、ダイのパーティに加わります。

彼の細かい出自は明かされておらず、男性であること以外はほとんど不明。大破邪呪文の儀式の際、妨害に現れた魔界のモンスターに驚いている様子から、恐らく地上出身であろうということくらいしかわかりません。

武器はその鋼のような肉体です。遠距離は苦手かと思いきや、魔法の力を備えた伝説の武具「真空の斧」や3つの呪文の力を持つ「グレイトアックス」の能力でカバー。必殺技は全力の闘気を放出する「獣王痛恨撃(後に獣王会心撃と改称)」と、それを両腕で放つ「獣王激烈掌」です。

「人間は強い……! そして優しい生き物だ! ともに力を合わせ喜びと悲しみを分かちあうことができるんだ。ただ強いだけのオレたち魔物とは違う……!」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』5巻より引用)

人間でありながら魔王軍に与し、人間を恨み、なおかつ同じアバンの使徒であるダイたちを手にかけようとしたヒュンケルを諭すセリフです。種族の違いを越えて、精神性を尊重するクロコダインの武人としての生き様が垣間見えるようです。

生まれ変わったら人間になりたい、とも吐露するクロコダイン。ひょっとすると誰よりも人間くさいキャラクターかも知れません。

偉大な勇者の先達!アバン先生

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

本名アバン=デ=ジニュアール3世。溢れ出る才能をひょうきん者の仮面の奥に隠し、明るく振る舞う、ダイたちの精神的支柱にして指導者です。

本作の連載が本格的に始まってから、勇者育成のエキスパート「勇者の家庭教師」というなんとも胡散臭い肩書きで登場しました。その正体は、十数年前に魔王ハドラーを倒したかつての勇者その人。師匠としても、そして勇者のあり方としても、ダイたちの手本であり続ける人物です。

ダイ、ヒュンケルの使うアバン流殺法の開祖で、武芸百般に通じ、多彩な攻撃魔法・回復魔法を使いこなします。学者の血筋のおかげか発明や知略にも秀でており、なんでもできるまさに万能選手。純粋な戦闘力では一線で戦い続けているダイたちに劣るものの、戦術や戦略、培った経験など総合的に見て、大魔王バーンは彼を恐るべき脅威と認識していました。

事実、物語を通して彼の使徒が魔王軍に痛手を与え続けたので、大魔王は早くからアバン本人の抹殺を指示していました。

アバンはとても穏やかな人柄をしています。私欲を持たず、世界を救ったことをおくびにも出しません。場を和ませて、人を惹き付ける魅力的なキャラクターです。そのため、早期に退場したことは、登場人物にとっても読者にとっても衝撃的な出来事でした。

「正義なき力が無力であるのと同時に、力なき正義もまた無力なのですよ」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』3巻)

アバンの修行を終え、卒業の証として「アバンのしるし」と魔弾銃をマァムに与えた時に添えたセリフです。意志なき力はただの暴力でしかなく、人道を説くだけでは何も変えられない、どちらも備えて初めて意味のある行為となる……アバンならではの奥深い言葉だといえます。

かつて勇者と肩を並べた偉大なる師匠!大魔道士マトリフ

著者
["三条 陸", "稲田 浩司"]
出版日

偏屈で気分屋で厭世観の強いスケベジジイ。世界有数、いや世界最高、最強の呪文使いを自称する魔法使いです。ありとあらゆる魔法を習得し、異なる呪文の同時発動もしてのける絶大な魔法力には、それがでまかせではなく事実だと納得せざるを得ません。

それもそのはずで、マトリフはかつてアバンがハドラーと戦った時の仲間、先代勇者パーティの一員だったのです。

世界を救ってからはパプニカ王国で王の相談役をしていましたが、世界の危機が去った後の冷遇により人間社会に見切りを付け、孤島で隠居生活を送っていました。氷炎魔団に襲撃されたパプニカでダイ一行が窮地に陥った時、気まぐれで彼らを救ったことが縁で協力することになります。

同じ魔法使いのよしみか、彼は特にポップの育成に力を注ぎました。ただ単に呪文や魔法使いの戦い方を教えるだけでなく、パーティ内での立ち回りをも指導し、ポップの肉体的そして精神的成長に大きく貢献。ポップはマトリフを第2の師匠として仰ぐようになります。

特筆すべきはその呪文の腕前です。メラ系とヒャド系に最上位呪文が存在しないことから、独自の研究によって、それらを「熱を操る同系統の魔法」と定義、メラ系ヒャド系呪文の同時使用による相互作用で、究極の破壊魔法である極大消滅呪文を編み出しました。

「よく覚えとけ。魔法使いってのはつねにパーティーで一番クールでなけりゃならねえんだ。全員がカッカしてる時でも、ただ1人氷のように冷静に戦況を見てなきゃいけねえ……」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』13巻より引用)

ポップに魔法使いの立ち回りを指導する場面でのひと言。臆病者でよく逃げ出していたポップが、これ以降は窮地に立ち向かうようになります。彼の教えが、ポップに諦めない粘り強さを与えました。

「……言葉面が気にいらねえんだよ。“賢き者”なんてエラソーで、ど~も肌にあわねえ。第一ドスが効いてねえじゃねえか! だからなオレは誰が聞いてもおそれいっちまうようなカッコイイ肩書きを考えたのよ! 世界に一人しかいねえ最強の呪文使いの名前! それが……!!」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』27巻より引用)

すべての魔法を網羅した者は「賢者」と呼ばれるのではないか、と問うたポップへの返答です。最強の呪文使い、それが大魔道士!マトリフの心意気は弟子たるポップに受け継がれ、大魔王バーンへ敢然と立ち向かわせる原動力となったのです。

偉大な先駆者!世界一の格闘家、拳聖ブロキーナ

著者
["三条 陸", "稲田 浩司", "堀井 雄二"]
出版日

見た目は痩せて枯れた老人。とってつけたような謎の奇病を患って(?)おり、とてもそうとは思えませんが、彼もまたアバンとともにハドラーと戦った勇者パーティの先駆者でした。武道を志す者なら誰でも名前を聞いたことがあるという、達人中の達人なのです。

ロモス王国山中でひっそり暮らしていたブロキーナは、ダイ一行から一時離脱したマァムを弟子に迎え入れ、武神流拳法を伝授しました。アバンやマトリフと違ってバックボーンがまったく語られていませんが、彼女とは不思議な縁があります。

マァムの両親ロカとレイラがアバンの仲間だったことは先述しましたが、実は2人が一時的にパーティを抜けていたことがあるのです。ブロキーナはその時、アバンとマトリフと3人だけでハドラーとの最初の戦いに挑みました。結果、アバンは時間凍結魔法でハドラーもろとも自身を封印し、束の間の平和が訪れたのです。

ちなみにこの時、時間凍結魔法で凍り付いたハドラーに手出しができず、苦い思いをしたマトリフは、物質消滅呪文の開発に取り組むことになったのです。

そして、ロカとレイラが離脱していたのは、赤ん坊――マァムが産まれるためでした。そのマァムが武神流の門戸を叩いたことに、ブロキーナは運命を感じたと言います。

老いて枯れたとはいえ、拳聖の実力はいまだに健在。過去の魔王ハドラーとの決戦では1対1で対峙して完封し、さらに現在のバーンパレスでの決戦でも、ある事情から魔王軍最強の肉体を誇る幹部ミストバーンを相手取り、封殺するという凄まじい体さばきを見せました。加齢さえなければ、彼とマトリフだけで6大軍団を壊滅させられたのでは、と思わせるほどです。

「……じゃが最初からカッコイイ人間などひとりもいない。ここにいる誰もがそうなのだ。自分の壁の限界に、真正面から衝突した者のみが成長できる……」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』15巻より引用)

マァムに次ぐ弟子ひとりで、コメディリリーフ役も兼ねるネズミ獣人のチウにかけた言葉です。さまざまな経験を積んだであろう、高齢のブロキーナの言葉。そこに込められた重みが違います。作中のチウ同様、伸び悩んだ時に心に響く名言でしょう。

唯一正統なる竜の騎士、竜騎将バラン

著者
["三条 陸", "稲田 浩司", "堀井 雄二"]
出版日

神々から世界の均衡を保つ役目を授かった、当代の竜の騎士。それがバランです。しかし彼は同時に、竜の騎士でありながら超竜軍団の軍団長、竜騎将でもあります。つまり魔王軍の幹部。本来なら彼がバーンを誅伐してもおかしくないのに、一体なぜなのでしょうか。それは彼の悲しい過去に原因があるのです。

バランが竜の騎士として主に活動していたのは十数年前のこと。魔王ハドラーの時代です。しかし、そのハドラーを倒したのはアバンです。それと同じころ、バランはハドラー以上の脅威である、魔界の冥竜王ヴェルザーと人知れず戦っていました。

ヴェルザーに辛勝したバランは瀕死で地上に帰還。そこでアルキード王国の王女であり、人間の女性ソアラと運命的に出会い、結ばれました。彼女との間に一児をもうけますが、幸福な時間は長続きしません。彼は人外の者として迫害され、その煽りで妻を失ってしまったのです。絶望したバランは人間を憎むようになり、大魔王バーンの地上制覇の誘いに応じました。

弱者の味方たる竜の騎士が、こともあろうに魔王軍に下るという皮肉です。

そんな彼の前に現れたのがダイ。彼こそ、消息不明となったバランの実の息子、ディーノでした。唯一残された血縁者としてバランはダイに固執しますが、人間を憎むバランを受け入れられるはずがありません。袂を分かった竜の親子は、壮絶な骨肉の戦いへ……。

竜の騎士は本当ならば、必要とされる時代にひとりしか産まれません。聖母竜が産み落とし、役目を終えれば消えるだけの存在です。バランとソアラの間に産まれた混血児ダイは、史上例のない、存在しないはずの2人目の竜の騎士だったのです。

イレギュラーな存在であるダイと違って、バランは完成された真なる竜の騎士。バランにあって、ダイにないもの、それは代々受け継がれてきた、歴代竜の騎士の記憶、戦闘の遺伝子です。誰に教わることもなく、本能で知っている戦闘技術で、本気を出した彼の実力は、魔軍指令ハドラーや大魔王バーンを脅かします。

必殺技はギガデインを使った魔法剣「ギガブレイク」、そして竜の紋章を最大限発揮した状態のみで使える「竜闘気砲呪文(ドルオーラ)」です。

「……子供がどう願っても、親とは常にこうしてしまうものなのだ」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』21巻より引用)

バーンパレス入り口「魔宮の門」にて、ひとりで死地に赴くバランがダイに向けた最後の言葉です。立場の違いから争うことがあっても、親が我が子を想う気持ちは本物。いまさら自分の生き方を変えることはできなくても、せめて子どもの身の安全だけは守り通すという、父であり、竜の騎士であるバランの悲壮な決意が滲み出ているようにみえます。

戦うことを宿命付けられた強敵!魔軍指令ハドラー

著者
["三条 陸", "稲田 浩司", "堀井 雄二"]
出版日

この世界、地上の人々にとってもっとも有名で、もっとも忌むべき魔族がこのハドラーかも知れません。かつて地上征服を目論んだ魔王その人です。勇者アバンに破れた後、大魔王バーンの力によって蘇り、その軍門に降って新たな魔王軍の指揮官となりました。1度は負けた経験から、アバンとアバンの使徒を誰よりも強く警戒しています。

序盤のハドラーは狡賢く成果を求める残忍な人物像で描かれました。魔王時代より遥かにパワーアップしているにも関わらず、ダイの躍進に動揺し、必要以上に力を入れて失敗するところなどはみっともなくもあったのです。

彼にはバーンのおかげで死んでも蘇生する不死の肉体が備わっています。しかしその不死身の体が心の隙を作り、後のことや立場ばかり考える保身の元になっていました。そこでハドラーは、妖魔司教ザボエラに指示して魔族を越える力を求めました。

竜の騎士の全力形態を参考にして、複数のモンスターの特徴を取り入れた超魔生物です。不可逆の改造を施したことで弱点だった魔法の両立も可能となり、ハドラーは不死性を失う代わりに、バーンに匹敵する強大な力を得られました。

自身を省みることのなくなったハドラーは、そこにかつての凶悪な魔王、卑屈な魔軍指令の面影はなく、命を賭して戦うその姿には武人という言葉がぴったりです。ただただ強さを求める姿勢には、善悪を超越した純粋さを感じさせました。

各種攻撃魔法を駆使し、なかでも得意とするのが「極大閃熱呪文(ベギラゴン)」。超魔生物化してからは、炎の暗黒闘気をまとった突進技「超魔爆炎覇」を使うようになります。

ハドラーは禁呪法と呼ばれる方法で、人工生命体を何度か生み出していました。禁呪法の生命体には創造主の精神が反映されます。魔軍指令時代に生んだフレイザードは狡猾で功名心が強く、超魔生物となってから生み出した親衛騎団は一様に絆を重んじる騎士道精神溢れる者たちだったことからも、彼の内面の変化が読み取れます。

「……オレが生命を賭けてまで倒そうとしたアバンの使徒! それは不屈の魂を持った希望の戦士だっ! 最後の最後まで絶望しない強い心こそがアバンの使徒の最大の武器ではなかったのかっ!!」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』27巻より引用)

キルバーンの卑劣な罠にかかり、心が折れそうになったポップを鼓舞したセリフです。ハドラーは終始ダイたちの敵でしたが、宿敵だからこそアバンに関してはアバンの使徒以上のこだわりを持っていました。アバンを知り尽くしているがゆえにできる、アバンを思わせる言動。感動で目頭が熱くなる光景です。

魔界からの刺客!不敵な死神キルバーン

著者
["三条 陸", "稲田 浩司", "堀井 雄二"]
出版日

キルバーンは仮面で素顔を隠した道化師のような男で、「死神の笛」と呼ばれる大鎌を用い、相手を罠にはめて仕留める暗殺者。どの軍団にも属さず、邪魔者や侵入者、あるいは裏切り者の始末屋的存在です。

魔王軍のなかでは例外的に独立したポジションにあります。それどころか、キルバーンは大魔王バーンの配下ですらありません。バーンに協力はすれど、場合によっては不服従も認められる特異なキャラクターなのです。

キルバーンとは、彼の本名ではありません。それは「バーンを殺せ」という意味の符丁なのです。彼はバーンと魔界を二分する勢力、冥竜王ヴェルザーから送り込まれた刺客で、バランの活躍で封印されたヴェルザーは、バーンの監視と暗殺を兼ねた協力者としてキルバーンを派遣しました。

バーンはヴェルザーの真意を見抜いてなお、彼を泳がせて利用しているのです。自分への暗殺者をあえて手元に置くという、バーンの度量が窺えるエピソードですね。

バーンへの刺客だけあって6大軍団長、ハドラーとは同等以上の実力者。しかし本人はもっぱら汚い暗殺を好んで使用します。鍛え抜かれた猛者を罠にかけるのが楽しみという外道なのです。

その悪巧みゆえか、知恵者に対する警戒心は魔王軍随一となっています。

「こういう弱いヤツが成長したようなタイプはチームのムードメーカーになるからね。勇者の一味の中でも真っ先に死んでいただきたい男さ」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』17巻より引用)

死の大地にて、罠にかけたポップにトドメを刺そうとする場面でのセリフです。アバンとマトリフ、2人の偉大な師の訓示を受けて急成長したポップ。魔王軍の誰もがひ弱な人間と侮ったポップを、キルバーンはダイ一行における要と正確に見抜いていました。諸人に絶望的な終焉をもたらす死神の面目躍如といったところでしょうか。

その存在は大魔王の影!魔影参謀ミストバーン

著者
["三条 陸", "稲田 浩司", "堀井 雄二"]
出版日

魔軍指令ハドラーの部下にして、魔影軍団の軍団長です。影のように存在感が薄く、常に黙して素顔を晒さない様子からは亡霊のように思えます。

ミストバーンは当初から異彩を放つ存在で、端々から重要な任を負っていることを感じさせました。誰よりも大魔王バーンを尊重し、またバーンからも特別な寵愛を受けている様子です。

バーンをよく知る者なら、ミストバーンからバーンの秘密を伺うことができるといいます。果たしてミストバーンは何者なのか?沈黙を守ってバーンに影のように付き従うのはなぜか?ミストバーンの名前にもヒントがあるようですが……

ミストバーンは、ハドラーの後任の魔軍指令にもなります。魔軍指令となり、正体を現した彼の言葉は印象的でした。魔王軍などは大魔王の余裕から生じた戯れにすぎず、本来はミストバーンだたひとりで地上制覇も可能だということです。

またアバン打倒に失敗した幼いヒュンケルを拾ったのがこのミストバーンで、悪の道に誘って教え導き、暗黒闘気を仕込んだのも彼です。

彼は伊達や酔狂でヒュンケルを育てたのではありません。ヒュンケルはたまたま人間を憎悪する心をバーンに買われ、不死騎団の軍団長に召しあげられましたが、それはミストバーンの思惑の外のことでした。彼がヒュンケルを育てた本当の目的は……。

ミストバーンは、超絶的な暗黒闘気の使い手ででもあります。そこに魔王軍最強の肉体が合わさり、ダイを大魔王バーンのもとへ送り出した勇者パーティにとって、最大の障壁となりました。

「……人生のツケというやつは、最も自分にとって苦しい時に必ず回ってくるものらしい」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』29巻より引用)

バーンパレスを束縛する大破邪呪文の阻止に失敗した、ザボエラへの言葉です。ミストバーンには敵味方の区別なく、己を高めてのぼり詰めた強者に敬意を払う素振りがみられます。ザボエラは強者とは正反対の狡賢いキャラクターで、この時も自分が矢面に立つ代わりにミストバーンをけしかけようと画策していました。愛想が尽きたとはこのことでしょう。

其は怒れる魔界の神。大魔王バーン

著者
["三条 陸", "稲田 浩司", "堀井 雄二"]
出版日
「……知らなかったのか……? 大魔王からは逃げられない……!!」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』22巻より引用)

ご存知、本作の元となったゲーム「ドラゴンクエスト」。そのボス戦で逃走不可というシステムをもとにした名言です。これだけ見るとユーモラスですらありますが、バーンが言い放った状況を考えると震えるほど恐ろしいセリフになります。

すべての顛末の元凶、大魔王バーン。ついに全貌を現したその素顔は、魔族とはいえ衰えた老人の姿でした。しかし、その静かな威圧感が雄弁にバーンの実力を物語っています。

その絶大な魔法力は、これまで善戦を続けてきたダイ一行を、瞬く間に壊滅状態に追い込みました。

大魔王に相応しい圧倒的な戦闘力と、何よりも恐るべきはそのカリスマ性です。バーンの目論見である地上征服は、数千年に渉る遠大な計画の一環に過ぎず、また最終目的でもありません。魔界を牛耳り、地上を制覇し、天界の神々をも伺う計り知れないスケールの大きさで、圧倒的な力に裏打ちされたそれは登場人物の度肝を抜きます。

彼の大局的なものの見方は、善悪を超越したまさに神のごとき視点です。「魔界の神」の異名は伊達ではありません。

知略、謀略にも長けており、十重二十重に張り巡らせた計画は、ダイたちを含めた人間の奮闘も虚しく、ほとんど成就寸前まで進行しました。

破邪以外のあらゆる魔法を習熟し、戦闘においても無双の力を見せ付けるバーン。その最大の攻撃は、異なる複数の必殺技を同時に放つ「天地魔闘の構え」というものです。一行を窮地に陥れたこの奥義は、ゲーム「ドラゴンクエスト」におけるボスキャラクターの、1ターン複数回行動を漫画的に昇華させたものです。

ですが、バーンを象徴するものと言えばやはりこれ。

「……今のはメラゾーマでは無い……メラだ……」(『ドラゴンクエスト―ダイの大冒険』22巻より引用)

バーンが初めてダイたちに見せた魔法。火の粉にしか見えないそれが爆発的に燃え広がるのは圧巻です。メラほどの低レベル魔法ですら、大魔王の無尽蔵の魔力にかかれば極大呪文クラスの威力に!そのインパクトとあまりの実力差は、ダイたちだけでなく読者もまた絶望に陥れました。

いかがでしたか?「読んでみたい」あるいは「また読んでみたい」と思っていただけたなら幸いです。ページをめくれば、そこにはいつでも大冒険があなたを待っているでしょう。