神秘の四冊
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神秘の四冊

更新:2016.10.3 作成:2016.10.3

現在でも偽科学や感傷的なスピリチュアルは色々あって、そういうのはけっこう底が浅くてなんかしんどいなと感じるの多いですけど、普段自分が関わってる音楽とかの情動的なサムシング(文化とか芸術とか)と科学は根本的にはそんなにパッキリ分かれないものなんだと思います。

Alfred Beach Sandalプロフィール画像
ミュージシャン
Alfred Beach Sandal
2009年に北里彰久(Vo, Gt)のフリーフォームなソロユニットとして活動開始。ロックやラテン、ブラックミュージックなど、雑多なジャンルをデタラメにコラージュした上に無理矢理ABS印のシールを貼りつけたような唯一無二の音楽性で、真面目に暮らしている。2013年のアルバム"Dead Montano”以降は、岩見継吾(Wb)、光永渉(Dr)とのトリオ編成を軸として、美学をつきつめ中。2015年8月にアルバム『Unknown Moments』を発売。現在はライブを中心に活動を行っている。 2017/2/18(土) りんご音楽祭 × GOLD EXPERIENCE presents「金のりんご -2017-」 PLACE:名古屋・新栄CLUB MAGO/Live & Lounge Vio http://ringofes.info/event/goldenapple2017/ http://alfredbeachsandal.com/
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最近では世の中ほんとに息苦しいといいますか、細かいとこのあげつらいゲームみたいなのばっかなんで、もうちょっと器の大きいマインドでいようぜって感じること多いです。電車の中で肩がぶつかったとかそういうのでいい大人がケンカするのやめようよ! ほんとは世界はもっと大きいはずじゃないか……。でもだからといってぶっとんでるだけもなんかキツいし、ヤーマン的なハッピーバイブス話では全然ないです。

ホンシェルジュもだいぶ回を重ねまして、ネタがつきてきた……。

ゲーテ形態学論集・植物篇

著者
ヨハン・ヴォルフガング・フォン ゲーテ
出版日
2009-03-10
『ファウスト』の作者である文豪ゲーテの、植物研究をまとめた本。自然科学者としてのゲーテや、ここでまとめられている論については、今でも通用する部分がありつつも、ある面では非科学的という批判もあって、自然科学としての細かい評価は色々ビミョーなものもあるんだと思いますが、植物にひたすら向き合って観察と記録をとり、自然や生命を、数理の公式みたいに固定してしまうのではなく、動きそのものとして捉えようとしたその観察眼と考えの独創性はすごいなと思います。

根本的なところに向かおうとするエネルギーを感じるんですが、それが文学からだけではなくて自然科学からも行こうとしたっていうのがシブいしイケてますね。故水木しげる氏が「ゲーテは人間が大きい」と言っていたのはまことにそうだなと。

ゲーテ形態学論集・動物篇

著者
ヨハン・ヴォルフガング・フォン ゲーテ
出版日
2009-04-08
ゲーテの形態学、原型とメタモルフォーゼの理論というか思想が記された自然科学論集動物篇。冒頭の観相学で言ってることがウケる。最近行った飲み屋のマスターも言っていたが、「何千人と人の顔と向き合ってると顔の作りや人相でその人のなんとなくの内面の感じがつかめてくるようになる」そうだ。やっぱりゲーテは広くて深い。

重力と恩寵――シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』抄

著者
シモーヌ ヴェイユ
出版日
なんて極端なこと言うんだと思ってびっくりしたが、アツい。ほんとの生を得るには自分が無になって丸ごと投げ出さないといけないなんて(しかも求めたりせずに)、そんなハードコアな考えで生きていくのなんて普通の勇気じゃ無理じゃんと思うけど、ヴェイユはその信じたものに生きて夭逝してしまった。

その気持ちを理解できるかというとちょっと追いつかないのだけど、勇気はもらえる。切実な生き方の記録として読みました。

普遍音楽

著者
アタナシウス・キルヒャー
出版日
2013-07-14
キルヒャーは17世紀ドイツ出身のイエズス会司祭で、博物学者。中世ヨーロッパのハイパーメディアクリエイター。

この本では音の発声、喉や耳の機能などから始まり、種々の楽器の構造、音楽の魔術的効果、音楽にまつわる突拍子もない神々しい話、最終的に愛とか宇宙の話にまで至る。科学と妄想が生み出した、空想メチャクチャ音楽百科事典という感じ。

この人の頭の中にどういう世界が見えていたのかはなんかもう内容があまりに時空を超えすぎていてよくわかりませんが、普遍へ辿り着こうとした壮大な夢のしるしとしてこのハチャメチャに身を委ねるのもオツではないかと思います。